AGAの治療はクリニックを受診するにしても、自分で育毛剤を国内外で入手してやるにしても、お金がかかってしまいます。

若い人で薄毛に悩んでいる人はいつからAGA治療を始めたらいいのか、逆に50歳を超えようとしている人は、このまま治療を続けることに不安を感じています。

経済的なことは勿論のこと、AGA治療薬が与える体への影響が今後、何かの形で出現しやしないかと不安になります。

ましてや、海外版で日本では無承認の医薬品を使い続けてきた人は、なおさら不安が募ることでしょう。

それを表すかのようにネット検索で「AGA治療 いつまで続ける」などで調べてみると、たくさんのサイトにヒットします。

「自己責任で使う」と粋がってみても、内心は不安でいっぱいだったんだなと考えます。

 

フィナステリド製剤は続行可能?

フィナステリド製剤は、アメリカのFDAも日本の厚生労働省もAGA治療薬として認可しています。

この薬を30代、あるいは場合によっては20代から飲んでいて、薄毛になることもなく順調に50代に入ると、今度はいつまで飲み続ければいいのか、老化していく体に悪影響はないのだろうかと考えるようになります。

中止すれば、元に戻ると考えられます。

フィナステリド製剤は、前立腺肥大症の治療薬でもあります。男性は50歳を過ぎるころから前立腺が肥大し、頻尿、残尿感などの排尿障害を呈するようになります。

そのときはAGA治療薬として飲んでいた時よりは5倍の量を一日一回、服用することになります。

それから寿命が尽きるまで。80過ぎまで生きたとして、30年以上飲み続けることになります。同じ薬を飲み続けるようになるかは医師の判断になりますが。

そのようなことを考えていくと、20,30代からフィナステリドを承認されている量1mgをずっと、飲み続けていたとしても、前立腺肥大症の治療時の約1/5という少なさです。年齢も若いので、肝、腎機能低下による副作用に高齢者ほど神経質になることもありません。

 

AGA治療中に前立腺肥大症になってしまったら?

AGA治療薬としてのフィナステリド製剤の服用量は1mg/日と、前立腺肥大治療に有効な量の1/5という少なさですから、AGA治療薬としてフィナステリド製剤を飲み続けていたとしても50歳代になって、前立腺肥大症になって排尿障害が出現することもあると考えられます。

その時は100%支払いの自由診療(保険適用外)から30%支払いの保険敵適用に移行されるはずです。

薬でいうと、前立腺肥大症に罹ってしまったため、フィナステリド製剤が1mgから5mg

に増量されるはずです。おそらく、ここで実質上、AGA治療は終わりになりますが、フィナステリド製剤は増量で飲み続けるわけですから、患者さんの中では薄毛改善効果は続行中ということになります。

 

医師とのコミュニケーションを大事にしよう

上記のようなことを考えると、個人輸入などで自己判断、自己責任でやるよりは、常に医師とつながっていた方がいいと思います。

あるいは、AGA治療はお金がかかるから個人輸入したり、自分で薬品を取り寄せて使っている最中にでも、全てを話すことができる医師に出会うことができていたら最高ですね。

 

ミノキシジル製剤の続行は?

FDAも厚生労働省もAGA治療としてのミノキシジルの内服は認可していません。認可しているのはミノキシジルの外用剤のみです。

また、FDAはミノキシジルを高血圧治療の内服薬の認可はしていますが、厚生労働省はミノキシジルを高血圧治療薬でさえも認可していません。

従って、AGA や個人輸入のサイトでよく見かけるミノキシジル製剤「ロニテン」は、アメリカの高血圧治療薬であってAGA治療薬としてFDAは認可していません。

 

ロニテンは治療困難な高血圧患者さんに

ロニテンの成分のミノキシジルは血管拡張剤で、アメリカでは現在でも治療が難しい患者さんに処方されています。

AGAの人たちが朗報だと思っている増毛効果も高血圧患者さんからすれば、多毛症という副作用に相当します。

また、ミノキシジルはむくみがでやすいため、むくみを取り除く利尿剤などと併用することが原則です。

日本のAGAクリニックで受診している人はもしかすると。ミノキシジル内服薬が処方された場合、医師から利尿剤も処方されたり、あるいは医師が患者さんの浮腫の有無を常に観察している可能性はあります。

しかし、個人輸入などで、自分の判断でロニテンやミノタブを飲んでいる人は、ちゃんと利尿剤を併用しているか、むくみ等の観察をしているのでしょうか?

この利尿剤も日本では、処方箋が必要な薬です。

そうなると、むくみが出てしまった場合、どのように対処するのでしょうか?病院を受診するのならまだ何とかなりますが、個人輸入に慣れている人は利尿剤もまた、輸入するのでしょうか?

薬剤師(書き手)として非常に危険を感じてしまいます。

利尿剤も又、種類が多く、一般の人が自分に合った利尿剤を選択できるかと考えると、これも又、厄介なことと思います。

アメリカで高血圧の患者さんが、ロニテンを飲むことになったとしても、長期間飲むことはあまりないとされています。

そのような薬を認可を受けていないAGA治療のために長期間服用するということはどこかで健康を害することになりそうな気がしませんか?

別に医療の専門家でなくても想像できることです。

従って、ロニテンのようなミノキシジル製剤の内服はできることなら中止を考えてもいいのではないでしょうか?

やはり、FDAや厚生労働省のミノキシジル内服薬は認可せず、認可はミノキシジル外用剤のみという見解は、正しいと思わざるを得ません

 

フィナステリド製剤も飲まないほうがいいけれども

どの薬でも飲まないほうがいいです。しかし、体に対して致命的な不利益を起こさない範囲で病気を改善することが可能であれば、飲んで治療することを選択してもかまわないと考えます。

プロベシアなどの成分・フィナステリドは妊婦や妊娠可能年齢の女性に対しては致命的な不利益を産み出します。

一方、男性にとっては、加齢で罹患する人が増える前立腺肥大症の治療として有用な薬です。勃起不全など深刻な副作用もあるとはいえ、ミノキシジルのようにライフラインに直結する循環器系への影響が少なく、長期服用が可能です。

FDAや厚生労働省が「AGA治療にフィナステリド認可」という見解も正しいというか、AGAに悩む人たちの気持ちを思いやったことになる判断と言えなくもありません。

 

AGA治療はいつまで続けますか?

効果もあるけれど、副作用もあるフィナステリド、ミノキシジルを中心に考えてきました。

非常に長い治療期間なるわけで、その間にがんになったり、心筋梗塞、脳梗塞になったり、あるいは事故にあったり……色んな病気、アクシデントにも見舞われるかもしれません。おそらく、AGAのみで一生を終えることの方が普通ではないと言えます。

そんなとき、よく言われるのは、それらのイベントが人生観を変えるきっかけになるということ。がん治療のため、AGA治療で改善してきた髪を僅か数日間で失う経験をするかもしれません。

そんなとき、髪に対する価値観が変わるということもあります。人間はずっと同じ気持ちでいることの方が少ないものです。髪に対するこだわりが無くなるということも一つの解決方法と考えられないでしょうか?

ところでAGAは治る病気なのでしょうか?

もしかしたら、ノーベル賞を受賞された山中教授のIPS細胞あたりの研究が進むと完治もありかもしれません。過去の記事でも紹介しましたようにあちこちで毛髪の研究が行なわれ、その成果の発表もどんどん行なわれています。

実用化に至るまではまだ、少し時間がかかるようですが、AGA治療の未来に光明を感じています。