AGAの治療として最もポピュラーなものとして、フィナステリドやミキシジル含有の製剤、他の育毛剤があります。それらとは別に、AGA治療として効果的なものはどんなものがあるのでしょうか?

日本皮膚科学会のAGA診療ファイドラインを見ると。推奨度Aがフィナステリドとミノキシジルになっています。次に推奨度Bを見てみます。自毛植毛戸なっています。フィナステリド等の次に勧められるという治療法です。

自毛植毛はどの程度の効果があるのか? 又は、フィナステリドやミノキシジルとの併用などを考えてみたいと思います。

自毛植毛とは?

字の通りで、自分の毛をAGAが発症した部位に埋め込む治療法です。では、どこの部位の髪の毛をとるのでしょうか?

それは後頭部か側頭部にかけて生えている髪の毛です。その辺りは男性ホルモンの受容体が存在しないので、薄毛や脱毛になることがありません。

後頭部や側頭部の毛組織をAGA発症の部位に移植します。移植したところから、後頭部などと同じ毛が生えてきます。

そして将来、AGAが進行して薄毛や毛がおきても、移植した先の毛は後頭部や側頭部の髪の毛が生えている限りは生え続けます。このような現象をドナートミナントと言います。

移植先での毛は抜けても生え続けるため、他の部位の自分の髪の毛と全く同じやり方でブラッシングやシャンプーを行なうことができます。

植え付けた毛は皮膚に定着するまで、数日から約一週間かかります。

自毛植毛の施術法に皮弁法、縮小術、遊離移植法などがありますが、現在は、先ほど紹介した遊離移植法が主流となっています。

 

事故や火傷で脱毛した場合にもOK

AGAではなくても、このような要因で脱毛してしまう人も少なくありません。毛根ごと無くなってしまっても、自毛植毛は毛根そのものを埋め込むので、再び髪を呼び戻すことは可能です。

自毛植毛の技術は、進化し続けています。後頭部の皮膚を切りとってAGA部位に移植する方法(FUT法)からさらに進化して、メスは使用せずに毛根をくりぬいて移植するという、患者さんにとってさらに負担がかからない方法へと改善されていっています。

もう一つの施術法である人口毛で植毛を行う場合も知っておくと、はっきりと理解できてきます、

 

人工毛植毛

人工毛の素材は、ポリエステルやナイロンです。人工毛を薄毛や脱毛部位に直接植え込みます、結局は異物ですから、自毛の方がトラブルは少ないです。

後頭部や側頭部に生えている自毛となると、数に制限がありますが、人工毛は患者さんが希望するほど植え付けることが可能です。

費用も人工毛の方が安いと言われています。

 

人工毛植毛しても、一年後、半分は抜ける

人工毛は体にとって異物です。生体には異物を排除しようとする免疫機構が存在しています。そのため、人工毛を頭皮下に埋め込んでも、人工毛は自毛に比べて抜けやすいというデメリットがあります。たくさん、人工毛を植え込んでいっても、脱毛していくのを止めることはできません。結局、埋め込んで一年も経つと、半分は脱毛していきます。

AGAではないように見せるには、年に1~2回程度は植毛を行う必要があります。

 

人工毛植毛はアメリカでは法律では禁止

人工毛植毛は自毛植毛に比べて、施術後のトラブルも多いようです。

アメリカでは法的に禁止されており、日本でも「皮膚科学会診療ガイドラインでも推奨度が「D」という判定になっています。

 

人工毛植毛のトラブルとは?

人工毛は抜けやすいので頭皮下の奥深くまで埋め込もうとします。そこで、万が一切れ毛が起きた場合、毛の根元が頭皮下に埋まったままになります。

しかし、そのままでは炎症の元になり、放置するわけにはいきません。

自毛であれば、下から新しい自毛が押し上げ、少しずつ伸びて、頭皮上に出ることで、毛穴に溜まった皮脂や汚れが自然に取り除かれていきます。ところが人工毛は伸びません。切れた人工毛の根元は頭皮下から出られず、自浄作用も無いため、細菌の繁殖を促します。炎症がおきやすく、場合によっては化膿することも。また、人工毛の周辺にある自毛にまで炎症が広がってしまうことも考えられます。

 

自毛植毛の副作用・デメリット

人工毛植毛のデメリットを先に紹介しましたが、自毛植毛も人工毛植毛ほどではありませんが、定着率90%と言われている自毛植毛にもデメリットがあります。

 

抜け毛

せっかく植毛したにもかかわらず、施術後1カ月前後に一時的な脱毛が起きることがあります。

これは埋め込んだ毛が毛髪として成長するためにおきる一時的な脱毛現象です。

この間も頭皮下では毛乳頭細胞が定着する準備を行っており、半年以内にはしっかりとした毛髪が生えてきます。

 

ショックロス

自毛植毛の施術を受けた患者さんの葯2割にショックロスという副作用を起こす人がいます。

埋め込んだ毛の周囲にある既存の毛が抜けてしまうことをショックロスと言い、施術後1~2か月後におきることが多いようです。

抜け毛のところで説明しましたが、埋め込んだ毛が抜けるのはほとんどの人におきるので、施術前から説明を受けており、あまり心配する人はいません。

しかし、ショックロスはAGAにはなっていない毛が抜けることになるので、患者さんは動揺を隠しきれません。

 

では何故、ショックロスおきる?でしょうか?

自毛植毛の施術のため、頭皮を一部切除します。これが誘因となって、既存の毛が成長期から休止期に移行します。休止期に入ると、脱毛が始まります。そのため、2~3か月の休止期が過ぎれば、再び生え始めます。

このショックロスは、診療ガイドラインの推奨度Aにランクされているフィナステリドやミノキシジルで予防できる場合もあると言われています。

 

目蓋が腫れる

これもよく見られる副作用の一つです。施術で使用される麻酔薬が、目蓋の周りについてしまうことが原因のようです。

施術後4日後あたりで腫れがピークとなり、その日を境に少しずつ腫れが治まってきます。一週間もあれば、腫れはひき、元の自然な状態に戻ります。

 

自毛植毛にフィナステリドやミノキシジルの併用は?

自毛植毛施術後に併用、自毛植毛施術と同時に併用と分けて考えてみましょう。

フィナステリドとミノキシジルの併用は可能で、理論的に副作用を考慮した上では自毛植毛と薬物の併用も可能です。

 

自毛植毛施術後に併用

施術して初期脱毛も終わって植毛した毛が成長した直後は、非常に見た目的にもいい状態なのでフィナステリド等の併用は必要ないという専門医も多いようです。

ただ、植毛した部分は男性ホルモン受容体のない後頭部や側頭部の毛なので薄毛の進行はあまり考えないでいいかもしれませんが、既存の髪が将来、AGAになりやすい人がいます。特に重症なAGAで自毛植毛をした人は既存の髪にもAGAが出現する確率が高いと言えます。

又、薄毛が広範囲だったり、植毛に使用する後頭部や側頭部の髪の絵の量が体質的に少ないということであれば、担当医とよく相談して、薬物治療も考えるのもいいかもしれません。

ただ、長期となると、費用、副作用も深刻化してきますので、「何歳まで続けるか」「望む髪の量に最低ラインはどこに」などとしっかり将来の展望を考えてみます。薬理学的にみても併用はいけないものではないので、最終的には医師ではなく患者さん本人が決めることになります。

 

自毛植毛の施術を受ける前から併用している

薬物で治療してみても効果が無かったから自毛植毛しようと考える人もいます。医師によって違いますが、施術することになった場合、自毛植毛で結果を出すから薬物は必要ないという意思もいるようです。逆に自己責任の上で今まで飲んできたわけだから、これからも自己責任の上で飲むのであれば、構わないという医師もいます。ただ、自己責任の上でいいつつも、目前で具合が悪くなった患者さんを放っておくということはないと考えますと、きちんと治療してくれることは明らかでしょう。

ただ、どれもこれも一度にやると大変な費用がかかって罹ってしまいます、毛植毛だけでも広範囲となると100万円はぜひ必要と言われます。

AGA改善は毛周期なども考慮すると、非常に長い治療期間が必要です。将来設計をしっかりして無理のない資金繰りを計画するのもAGA治療を成功させる一つかもしれません。

毛髪に良い食生活、運動など生活習慣を試みるのもAGA治療費の節約にもなるはずです。