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  • 髪の主成分ケラチンを増やすために必要な食品や栄養素は?

健康な毛髪には10%程度の水分が含まれており、残りの90%の内の9割はケラチンというたんぱく質で構成されていると言われています。すなわち、ケラチンは髪の毛の主成分であり、髪の毛の質を決定する重要な成分というわけです

太い毛、細い毛、縮れ毛、直毛など、髪質は人によって様々ですが、薄毛や抜け毛に悩む人は本来あるべき太さよりも細い状態で毛が抜けていることに気づき、本数が増えてくることで、「これはやばい!」と考えるようになります。

髪の毛が抜ける原因にもいろいろありますが、血流悪化に伴い必要な栄養素が毛乳頭細胞に届けられないというのも一つの要因です。
育毛剤や育毛シャンプーでは血流改善効果のある成分を配合し、「毛乳頭細胞に育毛に必要な栄養素を届ける」といったようなキャッチコピー付きで販売されているものもたくさんあります。
ここで重要なのが、血流が改善されても必要な栄養素が無ければ育毛効果は体感できないということです。

毛髪には10%程度の水分が含まれていますが、水分を除いた乾燥固形分の90%がケラチンというたんぱく質であり、育毛剤育毛シャンプーで言われるところの育毛に必要な栄養素というのはケラチンの合成に必要な栄養素といっても過言ではありません。

髪の毛の主成分がケラチンというのは聞いたことがありますが、ケラチンがどんな物質で、ケラチンの多い少ないが髪の毛にどのような影響を与えるのかというのは知りません
ケラチンがどんな物質であるのかが分からなければ、どうやってケラチンを増やせばよいのか分かるはずがありません
そもそも、髪の毛の表面に髪の毛を保護するキューティクルが存在することぐらいは知っていますが、髪の毛がどんな構造をしていて、ケラチンが増えるとどんな効果が期待できるのか知りたいです
それでは、先ず、髪の毛の構造について解説しましょう

 

髪質は毛髪の構造が大きく影響!

毛髪を輪切りにすると、ちょうどお寿司のかんぴょう巻きのような形状をしており、大きく三つの領域に分かれています。

毛髪の構造
  • メデュラ(毛髄質):毛髪の中心部に位置し、メラニン色素や脂肪分を含む立方体の細胞がハチの巣のように並んでおり、空気を含むことで髪の毛に弾力性を与えたり熱の伝導を抑えて、頭皮を熱を含む外部刺激から守る働きがあります。
  • コルテックス(毛皮質):毛髄質の周りを囲むように存在する領域で、この部分に髪の毛の固形分の9割を占めると言われるケラチンという繊維状のたんぱく質が存在しています。毛皮質はメラニン色素も含んでおり、髪の毛の色は毛皮質のメラニンによって決定されています。
  • キューティクル(毛小皮):表面部分を覆っている薄くて硬いたんぱく質で、魚の鱗のように並び、6層から8層の層構造をとっており、髪の毛に加えられる外部刺激で傷むのを抑える働きがあります。

参照元:ウィッキペディア 毛(動物)
https://ja.wikipedia.org/wiki/毛(動物)

毛皮質は巻きずしの酢飯の部分に相当し、切っていない巻きずしを想像していただくと分かりますが、毛皮質の量によって髪の毛の太さが変わってきます。

言い換えるならば、毛皮質の主成分であるケラチンの量が多くなれば、太くてしっかりした毛髪ができることになります。

 

ケラチンとは?

ケラチンは中間径フィラメントを構成する少し特殊なたんぱく質で、二つの直鎖の分子が捩れるように結合する「より合わせ結合」という強固な繊維状の構造を造り出すことができます。
より合わせ結合した分子同士が逆向きに結合した4量体になり、さらに、4量体同士が会合することでフィラメントを形成するケラチンになります。

ケラチンがより合わせ結合を構成できるキーとなっているのがシスチンというアミノ酸であり、シスチンは2分子のシステインがジスルフィド結合(S‐S結合)によって結合したアミノ酸です。

ポリペプチドの中に含まれているシステインは別の場所にあるシステインを見つけて、シスチンになることでポリペプチド同士を繋ぐ架橋と呼ばれる橋渡しをしてポリペプチド同士を結合させる働きがあります。
すなわち、ケラチンというたんぱく質は、システインを多く含むポリペプチドに含まれるシステイン同士が架橋してシスチンになることによって、より合わせ結合が形成されているというわけです。

参照元:ウィッキペディア システイン
https://ja.wikipedia.org/wiki/システイン
参照元:ウィッキペディア シスチン
https://ja.wikipedia.org/wiki/シスチン
参照元:ウィッキペディア ケラチン
https://ja.wikipedia.org/wiki/ケラチン

ケラチンは細い藁がより合わさってできた綱のようなしっかりした繊維状の構造を持つたんぱく質というわけですね
そんなケラチンが大量に含まれているのがコルテックスという領域です
そういうことなら、毛根でケラチンを合成しやすいようにしてやれば、太くてしっかりした髪の毛を育てることができるというわけですね
ミノキシジルやアルギニンのように、血管を拡げて血流をアップさせて毛乳頭細胞に必要な栄養素を届けるというケースでは、ケラチン合成を円滑にするような栄養素が存在することが大前提になっていますので、ケラチン合成に必要な栄養素を食事で摂取することは重要です

 

ケラチンを構成するアミノ酸は全部で18種類!

ケラチンはたんぱく質ですので、DNAという遺伝子の設計図に従ってRNAを利用してアミノ酸を設計図通りにつないで合成されています。
食事で摂られたたんぱく質を分解吸収してアミノ酸の準備をし、DNAの情報を読み取り、遺伝子情報に基づいてアミノ酸をつないでケラチンが合成されているというわけです。

ケラチンの場合にはシスチンが重要なアミノ酸であることは説明いたしましたが、ケラチンを構成するアミノ酸はシスチンだけではなく18種類のアミノ酸が関係しています。

ケラチンを構成する18種類のアミノ酸

①シスチン②グルタミン酸③ロイシン④アルギニン⑤セリン⑥アスパラギン酸⑦スレオニン⑧グリシン⑨バリン⑩アラニン⑪フェニルアラニン⑫イソロイシン⑬チロシン⑭リジン⑮ヒスチジン⑯メチオニン⑰トリプトファン⑱ヒドロキシプリン

ケラチンの合成を活発にするためにはケラチンを構成するアミノ酸を含むたんぱく質を摂取する必要があるということになりますが、ケラチンの合成に必要な酵素たんぱく質まで考えると、牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、穀類、豆類など様々な食材をバランスよく摂取することが大切になってきます。

ただし、ケラチンのより合わせ結合で重要な働きをするシスチンと体内でシステイン合成の前駆体となるメチオニンは、意識して大目に摂取する必要があるかもしれません。

特に、抗酸化作用のあるシスチンやシステインは活性酸素の存在により消耗が激しくなるため、タバコを吸い過ぎたりすると、体髪のほうで働いてくれるシスチンが減ってしまいます。

シスチンを豊富に含む食品:鶏卵、ニシン、小麦、大豆、貝柱、煮干しなど
メチオニンを豊富に含む食品:鶏卵、牛乳、サバ、煮干し、カツオ節など

参照元:文部科学省 食品成分データベース 食品成分ランキング
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
(成分名でアミノ酸の「シスチン」、「メチオニン」を選択するとランキングを見ることができます)

鶏卵、大豆、小麦、牛乳はケラチン合成に良さそうなたんぱく質を含んでいるみたいなので、そのあたりを中心に満遍なくいろんな食材を食べるのが良さそうです
食べるべきたんぱく質についてはそういうことになります
ん?というと、他にも必要な栄養素があるということでしょうか?
先に申し上げたように、食事で摂られるたんぱく質をアミノ酸まで分解して、さらに、ケラチンを合成するための栄養素は摂取した方が良いでしょう

 

ビタミンB群と亜鉛はケラチン生産を促進する!?

ケラチンを合成するために必要な栄養素を毛乳頭細胞に供給するためには、食事で摂取されたたんぱく質をアミノ酸まで分解・代謝する必要があります。

分解・代謝するための酵素は体内で準備されるわけですが、加齢やストレスによって酵素の量が減少しているという方が多く、そんな方でもたんぱく質を分解・代謝するためには、ビタミンやミネラルといった酵素反応をサポートする成分を十分にとることが大切になってきます

もちろん、たんぱく質を代謝するための酵素だけでなく、代謝を進めるためにはエネルギー源も必要ですし、エネルギーをつくるためには炭素源や脂質も必要になってきます。
さらに申し上げるならば、代謝を行う細胞の活性化や分裂、そのための、遺伝子の複製など、およそ健康維持のためにバランスよく栄養素を摂取するといった話になってきます。

ここでは、健康的な生活を送るためにバランスよく栄養を摂取した上で、ケラチンの合成に特化して大目に摂取するべき栄養素の言及したいと思います

 

ビタミンB6はタンパク質の代謝をサポートする栄養素!

代謝全般をサポートするビタミンB群ですが、中でも、たんぱく質の代謝に直接影響を与えるビタミンBがピリドキシンとも呼ばれるビタミンB6です。

たんぱく質の摂取量が多くなればなるほどビタミンB6の必要量も多くなりますが、水溶性であるため吸収されずにそのまま体外に排出されてしまうものもあるので、余分に摂取するに越したことはありません。

 

ビタミンB6を豊富に含む食品:肉類(レバー)、マグロ、サンマ、カツオ、にんにく、唐辛子、大豆など

参照元:わかさの秘密 ビタミンB6
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/vitamin-b6/

 

亜鉛はタンパク質合成をサポートするミネラル!

亜鉛はタンパク質合成に関係する酵素の構成成分となるミネラルであり、ケラチンの合成には欠かすことができないミネラルです。細胞の分裂を促進するミネラルでもあるため、育毛には欠かすことができません。

亜鉛を豊富に含む食品:牡蠣、ホタテなどの魚介類、牛肉、レバー、カボチャ、大豆、トウモロコシなど

参照元:わかさの秘密 ビタミンB6
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/vitamin-b6/

一口メモですが、ビタミンCと一緒に摂ると、亜鉛の吸収が良くなります。亜鉛を多く含む牡蠣にビタミンCが豊富なレモン汁をかけて食べる習慣がありますが、非常に理に叶った習慣といえますね
たんぱく質やビタミン・ミネラルという面では、両者に共通している大豆は食べた方が良さそうです。あと、鶏卵や魚介類もしっかり摂った方が良さそうです。これでOKですか
そうですね。基本はタンパク質とビタミン・ミネラルで栄養素は大丈夫です。あとは、細胞分裂やたんぱく質合成を促進するポリアミンも意識すれば、完璧ですね
ポリアミンって何ですか?

 

ポリアミンはケラチン合成を促す成長因子!

ポリアミンは、ウイルスから人にいたるまで、あらゆる生物の細胞に存在しているアミノ基が3つ以上結合した直鎖脂肪族炭化水素の総称です。
ポリアミンには、遺伝子に書かれている情報を読み出すことを促すスペルミン、遺伝情報に合わせてRNAを合成するRNAポリメラーゼという酵素を活性化するスペルミジンなどがあります。

何だか難しい説明ですが、簡単に言えば、遺伝子情報に合わせたたんぱく質合成を開始させる働きをするのがポリアミンという物質です。
通常は体内でオルニチン、アルギニンなどのアミノ酸を使って合成されるのですが、加齢に伴い減少する傾向があります。

ケラチンも遺伝子情報に合わせて合成されますので、ポリアミンが減少してくると、ケラチンの合成も遅くなり毛髪の成長が遅くなることになります。

参照元:ウィッキペディア ポリアミン
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポリアミン

 

ポリアミンは食事でも補給できる!?

ポリアミンの分子量は非常に小さいので、食事で摂取されたポリアミンはそのままの状態で腸から吸収され、体内で働くことができます。

加齢によって減少してくるポリアミンを食事で補給するように心がけることで、毛母細胞に届けることができれば、ケラチン合成の遺伝子の発現が促進されることになります。

ポリアミンが豊富な食品:味噌、納豆、醤油、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品やキノコ

ポリアミンは分裂サイクルが短く増殖の速い微生物にとって重要な物質の一つですので、微生物が関係する発酵食品や微生物そのものが食材となるキノコには豊富に含まれているというわけです。

因みに、ポリアミンは乳児の成長を促すことを目的としてポリアミン含有の粉ミルクも販売されていますし、最近では、ポリアミンの健康効果を期待してサプリメントにも配合されていることがあります。

今回説明してもらったすべての栄養がそろうという意味では、味噌や納豆というのはケラチンの合成、すなわち、育毛に良さそうです
ケラチン合成だけを考えるとそういうことになりますが、体の中では数えきれないほどのたんぱく質が合成されており、人の健康的な生活に関係しています。加齢によって衰えてくる代謝能力を考えると、ケラチンだけでなく様々なたんぱく質合成を促すために、バランスよく栄養素を摂取することをおススメします