センブリエキスは有名、あるいは高価な育毛剤育毛シャンプーに大体入っています。

センブリというと、非常に苦い漢方の胃薬として有名です。

余談ですが、筆者は薬剤師で、最近は滅多にありませんが、たまにセンブリを調剤することがあります。

センブリを調剤し終えた後、鼻の中がムズムズして、口中が苦くなります。微粉末であるため、ちょっとした振動などですぐに空中に舞ってしまいます。しばらくすると、胃弱でない筆者の胃の中まですっきりしてきます。

センブリは日本や朝鮮半島等に生育しています。苦味があり、この苦味を利用して漢方の苦味胃腸薬として治療に使います。

胸やけ、消化不良などに効果的です。非常に苦い薬ですが、苦味を感じることが治療に効果的というわけです、

 

そんな胃薬が育毛関係で、頻繁に使用されています。

そこで、センブリエキスがどこまで薄毛やAGAに迫って、解決してくれるのか調べて見ましょう。

センブリを詳しく知ることで、育毛剤や育毛シャンプーの選択法に少しが幅でてくるかもしれません。

 

センブリエキスの中に含まれている育毛効果のある成分

センブリエキスは前述した胃障害改善だけでなく、薄毛改善にも効果があることで知られています。

 

スウェルチアマリン・スウェルチアニン

毛細血管の血流促進する作用があります。

血流の増大作用を使って、栄養を毛乳頭や毛母細胞にまで届けることで細胞増殖を活発にし、発毛を促進させます。

 

キサントン

抗酸化作用があります。

そのため、アンチエイジング効果により、加齢による薄毛を改善します。

また、抗炎症作用があり、頭皮のトラブルを極力抑え、発毛効果をサポートします。

 

アマロゲンチン・アマロスウェリン

毛乳頭は発毛の司令塔と言えるべき場所ですが、この発毛の司令塔としての働きを活発にします。

 

上記のようなセンブリエキスの成分が血行促進、抗酸化作用、毛母細胞などの活性化といった非常に幅広い働きをもち、発毛・育毛効果を促しているわけです。

 

ガイドラインにはない!

これだけの素晴らしい作用を持ち、育毛剤や育毛シャンプ―を開発する学識高い研究者達が率先して使おうとするセンブリエキスですが、日本皮膚科学会AGAガイドラインの推奨度にC1ランクにさえ掲げられていません

Aランクがフィナステリド、ミノキシジルで、C1ランクは使用していけないことはないが、十分な治療効果が認められないとされています

 

ガイドラインに掲載されているC1ランクの薬剤

  • 塩化カルプロニウム(外用剤);血管拡張作用によって育毛を促進する
  • t—フラバノン(外用剤):毛母細胞の増殖を抑えて発毛を阻止しようとするTGF-β1を抑制する
  • アデノシン(外用剤):血行促進作用あり
  • サイトプリン・サイトデカン(外用剤)BMP、エフリンという二つの成長因子の増殖を促して発毛効果を出す
  • ケトコナゾール(外用剤);抗真菌薬で発毛促進というより脱毛抑制の作用あり(脂漏性皮膚炎)

 

C2ランク(エビデンスが得られないので、使用を勧められない)

  • セファランチン(外用剤)

 

C2ランクに入っている物質を見ると、「血行促進作用あり」のものが多いにも拘らず、センブリエキスがこのランクに入っていません。

とはいえ、センブリエキスはC2ランクに取り上げられているどの物質よりも色んな育毛剤や育毛シャンプーに入っています。

それにも関わらず、何故、血行促進作用はあると言われているセンブリエキスがC2ランクに入っていないのでしょうか?

権威ある日本皮膚科学会の診療ガイドラインには取り上げられないほど、無益な成分ということになるのでしょうか?

 

C2ランクの塩化カルプロニウムは医薬品ですから、この成分の効果の有無は別にして、理論的には医薬部外品のセンブリエキスよりは格が上です。

しかし、例えば、C2ランク入りしているアデノシンは、同じような作用を持っているセンブリエキスと同じ医薬部外品の位置にあります。

エビデンスが少なくてそれに関する論文がきわめて少なかったり、効果が実証されていないということになると、推奨度は下がります。

従って、当育毛剤、育毛シャンプーを開発した側から見れば、「本当はもっと効果があるのだが……」ということもあり得ることでしょう。

有名な育毛剤にはほとんど使用されているセンブリエキスが、ミノキシジルとの同格は困難でもC2ランクに入っていないのは何故でしょうか?

日本皮膚科学会もセンブリエキスが大体の製品に入っていることは知っているはずです。

育毛剤のサイトで謳われているほど、実際は効果がないと日本皮膚科学会は見ているのでしょうか?

 

サイトで期待されているほどの効果はない

センブリエキスを育毛効果ありとしているサイトがかなり多いですよね。ガイドラインに効果がない、使用しない方がいいというランクにも見当たりません。

何故、先ほどからこの部分にこだわるのかと言えば、まずは育毛剤にあれだけ使用されている成分は他にないからです。

育毛剤に入っている成分はむしろ、ガイドラインに載っていない成分の方が多いぐらいです。

ただ、それらはセンブリエキスほどの使用頻度はありません。

 

特に有名な育毛剤の開発などには、学識の高い学者タイプの開発者が携わっています。

その彼らがセンブリエキスを使用しているわけです。色んな育毛剤の共通項はセンブリエキスと言っても過言ではないぐらいです。

そこにはミノキシジルほどのものはないけれど、多少でもエビデンスがあったり、効果を実証するものがあるから、入れたのだと考えることができます。

一方、センブリエキスはガイドラインでは無視されています。

よく見ると、C1ランクに記載されている成分は主成分クラスです。

センブリエキスは、おそらくスルーできるぐらいの効果しかないと見ているのではと考えます。

 

主成分にはなれない補助成分止まりのセンブリエキス

どのサイトもセンブリエキスを褒めたたえています。

しかし、どの育毛剤も主成分にはしていません。あくまでも補助成分の扱いです。

優秀な育毛剤の開発者たちは何を主成分にすべきか把握しており、センブリエキスの限界を知っています。

センブリエキスは主成分になる器はないけれど、この効能を考えると、全く使用しないのはもったいない程度の育毛効果は揃っているということになるでしょう。

主成分のサポートをしたり、頭皮環境を整える程度の役割はできるということです。

 

育毛剤、育毛シャンプーの選択にセンブリエキスは関係なし

何故、このような言い方になるかというと、ほとんどの育毛製品にセンブリエキスが入っているからです。

たくさんの育毛剤サイトを見ると、こぞってセンブリエキス配合を売りにしていることがよくわかります。

育毛剤、育毛シャンプーをよく知る人は、センブリエキスが入っているから使用してみるとは

考えないと思います。

 

センブリエキスに注目するのはもう時代遅れ?

毛髪科学はどんどん進歩しています。ミノキシジルも血行促進作用以上に、毛母細胞などの直接作用に学者たちは注目しています。

再生医療もどんどん進み、注目の筆頭株です。センブリエキスももしかすると、研究や製剤技術が進んで今までとは違う育毛効果が出現するかもしれません。

時代遅れと思っていたものが一躍脚光を浴びる可能性を考えたくなるほど、AGA分野も進化しています。