•  > 
  •  > 
  •  > 
  • デプス(Depth)育毛剤はミノキシジル2.5倍の効果あり?製剤的な工夫点を薬剤師が徹底分析

デプスの有効成分であるNcPA(環状リゾホスファチジン酸Na)は育毛剤として世に出る前から、がんや脳血管疾患などに有効な物質として知られていました。

また、ヒアルロン酸を増やす物質として化粧品に配合されていました。

NcPAの製造販売元であるSANSHO株式会社は、2015年11月にNcPAが配合された育毛剤を化粧品会社などから販売されると発表しました。

NcPAについては詳しく後述しますが、「ミノキシジルの2.5倍」というキャッチフレーズがついています。

久々の効果ある育毛剤の登場ということで、特にAGAや薄毛に悩む人たちは期待をよせていました。

まずは、予言通りにヘアサロンも経営しているバランス株式会社から、NcPAが配合されたシャンプー、ローションをはじめとする3種類の製品が発売されました。

これらには、育毛効果があるように記載されてはいるものの、育毛剤というよりは良質なシャンプー、ローションという気配が大きい感じがします。

そして、2016年の1月、待望の本格的という言い方が正しいかどうかよくわかりませんが、デプスという育毛剤が発売されました。

デプスの公式サイトも凝りに凝っており、開発者の意気込みを感じます。

デプスは、化粧品会社アルビオンとナノ粒子技術を主軸にしたナノキャリア株式会社が共同開発して産みだされた製品です。

NcPAは頭皮環境をよくするだけでなく、毛乳頭などにも働きかけることができる物質です。

この成分を中心に検証してみます。

では、デプスの有効成分で、育毛効果だけでなく他の分野でも非常に期待されているNcPAにまずはスポットを当ててみましょう。

NcPAとは?

NcPAは、cPA(環状ホスファチジン酸)という脂質を大量生産できるように技術開発されたものです。

Nは「Natural」の頭文字であり、本成分のcPAをそのままにという意味合いが含まれているのでしょう。

参考URL:cPAについて

http://sanshopharma.co.jp/cpa/index.html

 

cPAについて

発見されたのは1985年と、かなり以前のことです。

お茶の水大学教授で細胞生物学専門の室伏きみ子氏を中心とした研究グループが、この物質を発見しました。

cPAは存在する全ての生物の体内にあり、生体にとって有効な働きをもたらすということがわかりました。

生体にとって有効な働きの一つとして、まず、がんの転移や痛みを抑えるということが判明しました。

このころから室伏教授と親交があったSANSHOは、教授の研究グループのサポートをしていました。

そのサポート中に、cPAを皮膚細胞に附着させると、ヒアルロン酸合成酵素(HAS2)が増えたり、細胞間脂質のセラミドが分解されないように働き、水分を保持しようとすることがわかりました。

このことからcPAをスキンケアなどの化粧品に応用できないかと検討し、雅-グレイスシリーズが室伏教授の監修で製造されました。

このシリーズはSANSHOがNcPAなどの原料提供に徹底するためなのか、2017年1月、販売中止となっています。

cPAに対する研究はこれに留まらず、前述したがん治療や膝関節の軟骨細胞や滑膜細胞を守る働きなどに着目して、医薬品への応用へとさらなる研究が続けられています。

参考URL:cPAストーリー

http://www.sanshopharma.co.jp/cpastory/

 

cPAの頭皮環境と毛髪への影響

cPAは上記以外にもコラーゲンを強くしたり、アクアポリン3を増やしたりする働きもありますが、何れにしても皮膚に潤いを与え、ハリ、コシを持たせるための効能があります。

頭皮も皮膚の一部、顔の皮膚に続いています。従って、cPAによる頭皮の水分保持、ハリ、コシの強化も期待できるということになります。

以上のことから、cPAは頭皮環境を良好にすることがわかりました。

近年の研究から、頭皮環境を良好にすることは育毛効果のアップにつながると言われており、

育毛剤の成分としても申し分のないものだと言えます。

また、cPAはミノキシジルの2.5倍の力を持つということですが、cPAはミノキシジルのように毛包周辺にまで働きかけることができるのでしょうか?

検討してみます。

 

cPAは毛乳頭細胞に働きかける

cPAは毛乳頭細胞に働きかけて、高い育毛効果を示すことが判明されました。

毛乳頭細胞から発毛促進に必要なFGFという繊維芽細胞増殖因子が分泌され、毛母細胞が活性化して分裂(増殖)、発毛が促されるのですが、cPAはFGFを増やす働きがあり、cPAを加えなかった場合に比べて、約3倍もその働きが促進されたというSANSHOの資料がありました。

また、ミノキシジルよりも育毛効果が約2.5倍だったとも記載されていました。

ミノキシジルの場合は血管拡張の働きだけでなく、FGFの分泌を促し、発毛させる働きもありますが、育毛効果についてミノキシジルよりもcPAのほうが2.5倍もあるということのようです。

育毛効果がミノキシジルの3倍もあるというキャピキシルと比べると、データや報告が多く、またcPA発見者のしっかりとした背景も考えると、キャピキシルよりは真実実があるような気がします。

ただ、いくら成分が優れていても、その成分が目的部位まですばやく到達できなければ、その優秀な成分も役立たずとなるわけで、製剤的な工夫が必要となります。

ドプスは、そのような製剤的な工夫もされているようです。

 

 

ドプスの製剤的な工夫

ドプスは、高度な製剤技術を持つナノキャリア株式会社と、高級化粧品やスキンケア製品で名高いアルビオンとの共同開発で作られました。

それぞれの専門分野を持ち寄って、餅は餅屋式な開発で出来上がったのが、ドプスです。

 

ナノキャリア株式会社のナノ技術

医薬品レベルでのナノ化の技術を製剤時に提供している会社です。

正常細胞までも破壊してしまう抗がん剤を極小のカプセルに閉じ込めて、無関係な細胞や組織、血管などを傷付けずに目的部位まで確実に運ぶという、効果と安全性を高めた技術は大変注目を集めています。

すでに、医療の最先端をゆく大学病院などは、これらの技術を活用して治療を行っています。

そんなハイレベルな技術開発を行っているナノキャリアがドプスのために惜しみなく技術を提供しています。それはナノセスタDDS(ドラッグデリバリ―システム)です。

 

※ドラッグデリバリーシステム「ナノセスタ」とは

ミセル化ナノ粒子は、水になじむ性質の重合体(ポリマー)と水になじまない性質の重合体を結合させた共重合体です。

この共重合体は水の中で混ぜると、水になじむ重合体は外側に集まり、内側が水になじまない重合体が集まる構造になって、この状態をミセル(分子の集合体)といいます。

そしてこれをナノセスタといいます。

有効成分や有効薬物は、このミセルの水になじまないポリマーに内包します。このミセルの大きさは20~100nmです。因みに1nmをmmで換算すると、0.001mmです。

このように非常に極小な粒子を作り、頭皮下の深部にある毛乳頭にまでドプスの有効成分が容易に到達するように設計されています。

参考URL:4パートシステムを最大限活かす、メディカルテクノロジー

https://depth.technology/brandconcept/point02.php

参考URL:必要な場所に必要な成分を届ける技術

http://news.livedoor.com/article/detail/8168721/

 

アルビオンの試み

アルビオンは、スキンケアに対する実績は60年というキャリアのある会社です。デプスはアルビオンの「4パートシステム」を導入して頭皮環境の改善に活用しています。

4パートシステム
  • スカルプケアシャンプーで、頭皮屋毛髪に附着した皮脂や汚れを完全に落とします。その後、シャンプーの成分も完全の頭皮や毛髪から除去します。
  • シャンプー後、皮脂を除去してしまったため、スカルプマッサージトリートメントで頭皮に潤いを取り戻します。
  • 頭皮環境を整えた後、スカルプケアエッセンス(デプス)を使用し、NcPAをDDSの機能で頭皮下にしっかりと浸透させます。
  • メディケイティッドトニックエッセンスで仕上げます。スプレータイプなので、最後は簡単に仕上げて終わることができます。

今回は4システムの中からデプスだけを取り上げましたが、頭皮環境を整えた直後に育毛剤を使用するというのは、育毛剤のさらなる効果が期待できます。

 

デプスの公式サイトにはミノキシジル2.5倍の効果とは掲載なし!

cPAの記事では「ミノキシジルの2.5倍」と掲載されているのに対し、cPAを使用したデプスの公式サイトには、そのようなキャッチフレーズはありません。

デプスはcPA製造発売元のSANSHOではないため、独自の考えでサイトを作り上げたのではと予測します。また、cPAを育毛効果の成分とはせず、保湿成分として紹介していることも非常に興味ぶかいですね。

他の育毛剤の公式サイトのようにミノキシジルを追随していないあたり、デプスを製造した会社の自信と崇高さを感じます。

「ミノキシジルよりも効果がある」という安易な宣伝効果に走っていない、それぞれの会社が餅は餅屋式できちんと自分たちの仕事をしていると感じられ、好感が持てます。

ただ、育毛効果としての主張が感じられない、化粧品らしくきれいに無難に仕上げられたデプスという感じが拭えません。

女性も使用できるとはいえ、一応、男性をターゲットにした育毛剤ですから、もう少し泥臭さがあればいいかもしれません。

参考URL:特許取得のご報告 ―環状ホスファチジン酸ナトリウムの製造方法及び組成物―

http://www.sanshopharma.co.jp/blog_category/cpa%E3%80%80%E5%8C%96%E7%B2%A7%E5%93%81%E4%BA%8B%E6%A5%AD/

参考URL:スカルプケアに革命を起こす頭皮ケアに不可欠なプロセス「4パートシステム」

https://depth.technology/brandconcept/point01.php

 

デプスの検証まとめ

デプスの良い点

デプスの成分のcPAが頭皮環境の改善だけでなく、発毛にも関与できるということは育毛剤の成分としては非常に頼もしい存在です。

また、トップレベルの製剤技術の導入もあり、確かな効果が期待できそうです。

 

デプスの悪い点

公式サイトでは「ミノキシジル2.5倍」という文字はなかったのですが、cPAがミノキシジル2.5倍と公言していることもあり、詳しいデータがありません。

どう、ミノキシジルより効果があるのか説明がほしいです

 

デプスはこんな方におすすめ

男女兼用ということなので女性もOK!

そのように書いていなくても女性も使用できる育毛剤は多いですが、きちんと「男女兼用」と掲載されていると、女性も抵抗なく使用できます。