2005年、新星のごとく?世に現れた男性型脱毛症用内服薬「プロペシア」(一般名;フィナステリド)

男性の永遠の悩みであるハゲ、薄毛から解放されるかもしれないと大きな話題になりました。

プロペシアは、従来のよくある頭皮につける外用剤ではなく「内服薬」です。

今度こそ効果がありそうと、実際に試した方も多いと思いますが、この記事では詳細を解説します。

オヤジがハゲてるから仕方がない!と言わせないプロペシア(フィナステリド)

プロペシア(一般名:フィナステリド)の登場で、男性型脱毛症に対する治療の領域の幅が広がり、進歩しました。

先の記事(昔も今も3人に1人がAGAに!男性ホルモンが薄毛の原因になる理由を詳しく解説)でも説明したように、男性ホルモンのテストステロンがⅡ型の酵素である5-αリダクターゼにより、さらに強い男性ホルモン効果を持つDHT(ジヒドロテストステロン)に変化します。

フィナステリドはこのⅡ型5-αリダクターゼの働きを抑える薬です。

では、何故、フィナステリドがDHTを抑制し、男性型脱毛症に効果があるとわかったのでしょうか?

フィナステリドは1983年にアメリカで作られ、1992年に前立腺肥大治療薬として食品医薬品局に認可されました。

フィナステリドがまだ臨床試験の段階の時に、前立腺肥大症で男性脱毛症もあった患者さんに発毛、育毛効果が見られたことがきっかけとなりました。

男性脱毛症にも使えるのではと、さらに研究がなされ、男性脱毛症の治療薬として発売されるようになりました。

今まで発毛剤、育毛剤は頭皮に直接つける外用剤でしたが、フィナステリドの登場で初めて内服薬タイプの育毛剤ができあがりました

プロペシア(フィナステリド)は日本人男性にも有効という結果に!

日本でも当然ながら、臨床試験が行われました。人種の違いなども確かめておかなくてはいけません。

臨床試験は24~50歳で軽度〜中程度の男性型脱毛症の人に参加してもらいました。増毛、育毛効果は頭頂部の写真の比較で評価しました。

近い将来、フィナステリドを飲んでみようと考えている人はこの先をよく読んで、自分の育毛効果の評価に参考にしてみてください。

0.1mgフィナステリドを一日一回、一年間服用した側と1mgフィナステリドを一日一回、一年間服用した側を比較してみました。前者が54%、後者が58%の改善が見られました。

服用前後で変化なしは40%、脱毛進行は2%でした。

アメリカやヨーロッパでも日本に近いデータが出ており、フィナステリドの効果においては、人種間の差異はなかったという結果になりました。

その後、日本では、1mg、一日一錠を3年間服用する実験をしてみました。

すると、一年目は58%、2年目は68%、3年目は78%と、かなりの勢いで改善していったそうです。

3年間、飲み続けると、約80%のひとが「髪がやや増えてきた」と言われているようです。

プロペシア(フィナステリド)を飲み始めて一年間は増え続ける

プロペシア(フィナステリド)を飲み始めると一年間は毛が増え続けますが、その後の増毛数は減少するとされています。

ところがそれにも拘らず、外見ではその三年間の間、ずっと増え続けているように見えるという人が多かったようです。

ということは、毛は増えなくなっても、毛が伸びるスピードが速くなったり、毛が太くなったりすることで髪のボリューム増えたと考えられます。

そして、3年間続けて、飲んだ男性の98%は、脱毛の進行は見られなかったというデータもあるようです。

 

処方するなら早い方が良い

年をとればとるほど、たしかにフィナステリドの効果も薄れてきます。

フィナステリドの効果を40歳代と50歳代と比較してみると、やはり40歳代のほうに効果があったという結果になりました。

具体的に言いますと、前頭部と頭頂部の薄さが重なり始める、つまり、ドリフのカトちゃんのハゲちゃびんカツラぐらいになると、フィナステリドによる治療はあまり意味ないかもしれません。

未成年者を外して、若い人ほど効果的です。

 

プロペシア(フィナステリド)とドーピングの関係から見る副作用

フィナステリドは男性ホルモンに関連し、筋肉増強剤の痕跡を隠すという理由で禁止薬物として登録されていましたが、2009年の1月からは禁止薬物のリストから外されました。

しかし、よく考えてみると、フィナステリドが直接、体に作用するのではありません。筋肉増強剤の使用痕跡をわからないようにする作用を持っているということであって、フィナステリドが筋肉を強くしたり、持久力を向上させたりするのではありません。

最近になり、ドーピング検査の方法が改良され、フィナステリドは禁止薬物から外されました。

このことはフィナステリドが他の禁止薬物にもあるような副作用はあまりないということになります。

また、それ以外の重篤な副作用もなく、効果も突然亡くなるというようなこともないので、)医師も使いやすい薬と言えます。

 

プロペシア(フィナステリド)のCMに爆笑問題が出演し一気に知名度上昇

プロペシア(フィナステリド)がテレビのCMに出たことがありました。

この時、薬の名前は出てきませんでしたが、「薄毛がお医者さんで治せます」というコピーが流れました。出演者は爆笑問題です。

このCMが出て以来、薄毛で病院を受診擦る患者さんが増えたと言われます。

他にも薄毛を改善する薬のCMがあった中、この爆笑問題のCMで、薄毛に悩む患者さん病院に行きやすくなったということですから、あのCMのインパクトは相当あったと思われます。

厚生労働省は「あまり派手な演出は避けるように」という通達をしたらしいのですが、最初、厚生労働省の指示通りに地味なCMを作ってながしてみたところ、初年度の売り上げ目標より下回ってしまったということで、爆笑問題を起用して、CMを作り直したとか。

爆笑問題を起用したことは大成功だったようです。

ただ、未成年(20歳以下)に対してはまだ安全性が確保されていないので、フィナステリドの投薬治療は断らなければいけなかったようです。

爆笑問題の人気の幅が広いということが、これらのことから理解できますね。

中には、母親だけが来院して、「うちの子はまだ高校生ですが、この子の父親もその父親もハゲているので、今のうちに何とか……」と来院された方も。

 

効果が見込めるプロペシア(フィナステリド)だが「保険適用外」

効果が期待されるプロペシアですが、実際に試すには少々ハードルが高いです。

プロペシアを手に入れるには、医師の処方箋が必要です。

その上、保険適用外なので100%支払いとなります。

何故、保険適用外なのかと言いますと、国が男性型脱毛症を疾患の治癒というより美容的な矯正・改善といった考えを持っているためと思われます。

 

また、医師の処方箋が必要な理由はなぜでしょうか?

プロぺシアは店頭に並び、消費者が自分の意志で買える市販医薬品以上に副作用などもあり、医師の管理下におくべきと判断されたからです。

プロペシアの処方箋を調剤薬局持っていくと、三カ月分で約23,000円程度かかります。

(患者さんの保険の種類や薬局によって細かいお金の部分は異なります)

一般の薬に比べると高い薬ですが、もし、効果があれば、植毛だとか、アデ○ンスなどに比べたら、随分安いと思われるのではないでしょうか?

 

小話:日本男性と欧米男性のハゲ方は違う

プロペシア(一般名:フィナステリド)の話に入る前に、少し面白い話をします。

私たちはハゲだの、薄毛などと、漠然とした言い方をしていますが、実は一応、男性型脱毛症と診断するための基準があるのです

一番、多く使われる規準は、男性型脱毛症は遺伝と男性ホルモンに関係することを突き詰めたJ・B・ハミルトンが考案した7段階にわけた分類様式です。

額の生え際から頭頂部から下ろした線の距離が3cm以内の場合を男性型脱毛症としました。これをOT・ノーウッド医師が2cmに改定しました。

現在、欧米では「2cm」を規準にすることが多いようです。

それを、日本男性の基準にしようとしたところ、欧米男性とはハゲ方が異なることがわかったのです。

欧米男性は前からハゲていくのに対して、日本男性の場合は、前よりも頭頂部からハゲていくことが多いとわかったのです。

また、男性型脱毛症の発症率も異なっており、日本男性は30%であるのに対して、欧米男性は約50%とハゲる率が高くなっています。

中国、韓国人はさらに日本人以下の発症率です

このように人種間の差異が見られます。

そこで、日本男性に合わせた分類を日本人医師が作りました(高島巌医師が考案しました)。

ただ、遺伝や男性ホルモンなどだけでなく個人差も考えなければいけないので、分類のパターンだけに当てはめようとするのも無理が生じてきます。