
バイタルウエーブスカルプローションはセラピュアという会社が開発・販売している育毛剤です。
バイタルウエーブの公式サイトを見ると「再生能力を助けるIPS細胞」というキャッチコピーを発見しました。
IPS細胞といえば、京都大学の山中教授(奈良先端科学技術大学院大学にもおられました)が発見されたものですが、バイタルウエーブスカルプローションにはIPS細胞が入っているということなのでしょうか?
目次
リンゴ幹細胞は植物IPS細胞?
興味を持って公式サイトをよくよく見てみると、まずIPS細胞ではなく植物IPS細胞という言葉を使っており、また「再生能力を助ける植物IPS細胞=リンゴ幹細胞」と書いてありました。
つまり、バイタルウエーブには「リンゴ幹細胞」が使われているのですが、セラピュアはこれを「植物IPS細胞」という言葉で言い換えています。
IPS細胞とは色々な臓器・組織に分化増殖していく「人工多能性幹細胞」と言われる細胞です。
ではどうして、セラピュアはリンゴ幹細胞を植物IPS細胞という新語(?)に置きかえたのか?
推察するに、IPS細胞という言葉を使えば「毛髪が再生する」というイメージが持てるので、IPS細胞という語句を使うことで読み手が効果を想像しやすくなるよう配慮したのだと思います。
では、植物IPS細胞と言われている「リンゴ幹細胞」とはそもそも何なのでしょうか?
リンゴ幹細胞とは?
リンゴ幹細胞は正式には「リンゴ果実培養細胞エキス」と呼ばれる成分です。
この成分は、2008年のコスメのイベントで最優秀有効成分に選ばれています。
「ウトビラ―・スパトラウバー」というスイス産のリンゴの成分ですが、4か月経過しても腐らないリンゴと言われており、現在はこのリンゴの品種が20本しか残っていないということで、日本では食べることができない特殊なリンゴです。
研究の進歩によって、このエキスの細胞を解明する効果が判明しました。
この成分はIPS細胞とよく似た働きを持っており、肌の細胞や毛母細胞の再生に関与していることがわかっています。
すでに化粧品などでは使用されている成分ですが、育毛剤に配合されたのはバイタルウエーブが初めてのようです。
なお、バイタルウエーブはAGA専門医と共同で開発されました。
医師の名前は永野剛造氏ですが同氏の公式サイトでもバイタルウエーブは紹介されています。
永野剛造氏の医院の公式ページ
リンゴ幹細胞はどのように毛髪に効果的なのか?
ウトビラ―・スパトラウバーというリンゴは4カ月間、腐らないといわれるリンゴです。
腐らない理由は、ウトビラ―・スパトラウバーに含まれるリンゴ幹細胞が自分の細胞を絶えず再生し続け、4か月間新鮮に保つからのようです。
ヒトも幹細胞を働かせることで再生し、新しい皮膚や毛髪を作っていますが、ヒトはここまで強い再生能力はありません。
そこで、このリンゴから幹細胞を取り出し、リンゴ幹細胞の力を借り、少しでも強い再生能力をつけようということで化粧品や育毛剤に配合されるようになりました。
細胞は一度生成された後は色々な条件の差こそありますが老化を辿るばかりです。
毛母細胞も同じであり、老化現象で細胞死(アポトーシス)が起こり、毛母細胞の数が減少していきます。
その結果、イヤで仕方がない薄毛になってしまうわけです。
毛母細胞の死は血液循環が悪くなったためにおきます。具体的には、血液の巡りが必要以上に悪くなると毛母細胞に必要な栄養が運ばれなくなり、その分、早く毛母細胞の死が訪れてしまいます。
「女性にも育毛!薄毛と白髪を自宅で治す153の方法」によると、リンゴ幹細胞が毛母細胞の死を遅らせることができるかどうか、の確認実験がされたようです。
- ヒトの毛包を単独で培養
- ヒトの毛包に0.2%のリンゴ幹細胞を添付し培養
これらの2つの細胞が死に至るまでの過程を比較観察しました。
その結果、リンゴ幹細胞を添加した毛包のほうが、わずかほど細胞死を遅らせた、つまり老化の進行をくいとめることができたという結果が出ました。
リンゴ幹細胞エキスを加えた毛包は18日間、加えなかった毛包は14日間で退縮(ミニチュア化)したということです。
この実験から、リンゴ幹細胞エキスを配合することで、毛包のミニチュア化と脱毛を予防(休止期状態の髪を(抜けにくくする)することが分かりました。
リンゴ幹細胞をヒトの毛母細胞の源である毛包幹細胞に添加することで、僅かでしたが毛包幹細胞を活性化するということを証明した実験でした。
リンゴ幹細胞以外で気になるモンモリロナイト(ベントナイト)
バイタルウエーブスカルプローションはリンゴ幹細胞以外にも色々な成分が入っています。
バイタルウエーブの主成分
- キャピキシル
- リデンシル
- 成長因子(6種類)
- リンゴ果実培養細胞エキス(リンゴ幹細胞)
- 馬プラセンタ
- その他
キャピキシル、リデンシル、数々の成長因子、さらには馬プラセンタも入っていて凄いのですが、これらの成分が含まれる育毛剤はバイタルウエーブ以外にも多くあるため、目新しさはありません。
それ以外の成分で気になったものに「モンモリロナイト」というものがありますが、これは育毛にどのような効果を与えるのでしょうか?
モンモリロナイトは、バイタルウエーブの製造元「セラピュア」が研究開発した「ベントナイト」の中の一つです。
ベントナイトとは石英や長石などの含水珪酸アルミニウムからできている石です。
モンモリライトは非常に細かい粘土質でマイナスイオンを大量に持っているので、油、水などのプラスイオンをひきつけて包み込みます。
そのとき、薄い被膜を作るので頭皮や毛髪の乾燥を防ぎ、潤いのある頭皮環境を提供します。また、毛穴に入りこんだ汚れた皮脂を取り除く効果もあり、頭皮の清潔維持にも一役買っています。
その他にも、モンモリライトに含まれた色んなミネラルが発毛を効果的にする働きがあります。
こう見ると、バイタルウエーブスカルプローションは理論上なかなかの育毛効果がありそうです。
ところが、バイタルウエーブスカルプローションよりも前に発売されているセラピュアの製品「ケフトルローション」という育毛剤は、活性石ベントナイトを前面に出していました。
バイタルウエーブスカルプローションにそれが入ってはいるものの、公式サイトを見ると活性石ベントナイトの効果はあまり強調されていません。
よって、セラピュアはリンゴ幹細胞エキスの方が活性石ベントナイトを上回る成分だと感じ、リンゴ幹細胞エキス配合に力を入れているのでしょうか?
巷の口コミを見ると、活性石ベントナイト(モンモリナイトはその仲間)の入ったケフトルローションの評判はあまり良くないケースが多いので、実験の結果良い数値が現れているリンゴ幹細胞エキスの活用に力を入れているのでしょう。
バイタルウエーブスカルプローションの成分を見ると、製造元であるセラピュアは先の「ケフトルローション」の評判を真摯に受け止め、活性石ベントナイトに加えてより効果が見込めると感じた「リンゴ幹細胞エキス」を大いに活用したバイタルウエーブスカルプローションを開発したのだろうな、と感じられました。
バイタルウエーブスカルプローションの評価まとめ
IPS細胞にも例えられる「リンゴ幹細胞エキス」を大いに活用したバイタルウエーブスカルプローション
リンゴ幹細胞エキス自体の効果は先の実験にて証明済ですので、バイタルウエーブスカルプローションにも効果が期待されます。
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