
プロペシアの主成分であるフィナステリドはアメリカのメルク社が開発した前立腺肥大症の医薬品の有効成分ですが、ジヒドロテストステロンの合成を抑えるという機能がAGA治療薬としての有効性につながり、1997年の12月にアメリカで低用量のフィナステリドによるAGA治療薬として承認されてプロペシアが誕生しました。
プロペシアのジェネリック医薬品としては、当サイトでもご紹介させていただいたことのある、人気のフィンペシア、フィナステリドをはじめとして多くの海外製のジェネリック医薬品が製造販売されており、フィナロもそのうちの一つです。
なお、フィナステリドを有効成分としたジェネリック医薬品の詳細については、当サイトでも以下の記事で総括的にご紹介させていただいておりますので、そちらを併せて見ていただければと思います。
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いずれもフィナステリドを同量含むジェネリック医薬品ということですが、フィナロの利用者の情報では他のプロペシアのジェネリックからフィナロに乗り換えたという人がチラホラ見受けられます。





ジェネリック医薬品はオリジナルと全く同じとは限らない!?
ジェネリック医薬品は、オリジナルの医薬品を開発するにあたって蓄積された技術をもとに登録された特許をベースに製造されています。
ちなみに、プロペシアに関する日本での特許権が切れたのが2017年3月28日ということですので、特許権という一面から考えると日本でもジェネリック医薬品の製造・販売は可能ですが、日本で医薬品として販売するためには厚生労働大臣の承認を得る必要があります。
医薬品の承認については各国に独自の基準がありますので、日本で承認されていないだけで他国では製造販売されているジェネリック医薬品が存在するというわけです。
さて、すべての技術が特許に掲載されているのであれば、特許通りにつくることで同じものを造ることができるはずですが、実際には細かいノウハウまで記載されているわけではありません。
例えば、フィナステリドを製造するにあたって「重要な工程が何処で、その工程は厳密に条件設定が必要である」とか「温度の設定はどの程度厳密にしなければいけない」とか、特許では分からないノウハウが存在するかもしれないということです。
ましてや、実験室レベルでもノウハウ無しに全く同じものを造るのは難しいですし、産業レベルで製造するにはより難易度が高くなります。
言い換えるならば、特許が解放されている以上はほとんど同じものができるはずですが、化学反応の場合にはほんのわずかな条件の違いで副産物が生じたりする可能性があり、精製工程にしてもノウハウが無ければ本物とは僅かなズレができる可能性があるというわけです。
加えて、5㎎のフィナステリドを含む錠剤をつくるためには、賦形剤と呼ばれる、いわゆる、薬効を邪魔しない増量剤、粉末を錠剤の形に成形するために粉末の滑りを良くする滑沢剤などの有効成分以外の原材料も存在し、それらがプロペシアと全く同じものが使用されているとは限りません。
また、製造販売している製薬会社の特徴となる着色料などの副原料が使用されるケースもあります。






フィナロを製造販売しているIntas Pharmaceuticals社とは?
フィナロはインドの製薬会社であるIntas Pharmaceuticals(インタスファーマ)社が製造しているプロペシアのジェネリック医薬品ですが、インタスファーマ社は2006年に設立された比較的新しい製薬会社です。
2015年に公開された「インド医薬品・医療サービス企業ランキング2015」でみてもランキングしていない会社ではありますが、ジェネリックを中心としたインド国内シェアの5%を占める新進気鋭の製薬会社ということです。
英国の大手製薬会社であるアストラゼネカ社と新興市場で販売する一般薬を提供する契約を締結したというニュースからも分かるように、インタスファーマ社の技術力・製造能力はアストラゼネカ社の「眼鏡にかなった」ということです。
インドは特許事情が異なっている関係でジェネリック医薬品が製造販売される時期が他の国よりも早くなる時期があったため、インドの製薬会社は海外の巨大資本が投入されたジェネリック医薬品の老舗メーカーが多くなっており、フィンペシアやフィナックスといったプロペシアジェネリックを製造販売しているのもインドの製薬会社です。
インドの製薬会社においてジェネリック医薬品が多い理由についても、先に紹介させていただいた当サイトの記事に詳細を説明していますので、興味のある方はみて頂ければと思います。
参照元
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フィナロに乗り換える理由は二つ!
数あるプロペシアジェネリックの中でフィナロを選ぶ、あるいは、フィナロに乗り換える理由はいくつかあるようですが、やはり、価格というのは大きな因子となっているようです。
年間にすると4,800円から6,000円の差ということになりますので、大きいと言えば大きい金額かと思います。
フィンペシアからフィナロに乗り換えるもう一つの理由としては、フィンペシアに含まれているキノリンイエローという、別名黄色204号とも呼ばれる合成色素です。
ただし、フィンペシアの色そのものは白っぽい色ですし、キノリンイエローを何故入れているのかはわかりませんが、わざわざ配合する必要は無いように思います。


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