1999年6月、日本で初めてミノキシジル配合の育毛剤「リアップ」が、大正製薬から発売されました。

今まであらゆる育毛剤がドラッグストアや薬局の店頭をにぎわせていましたが、ほとんどが医薬部外品、化粧品の分野からの製品でした。

ミノキシジルが高血圧の治療薬ということもあって、第一類医薬品と言う限定付きではありますが、日本で初めての医薬品の育毛剤を医師の処方無しで入手できるようになったことは、AGAに悩む人たちにとっては暗いトンネルの向こうに光明を見た感じではなかったでしょうか?

日本にミノキシジル製剤が発売された1999年から遡ること20年、1980年代にはすでに、アメリカでは2%ミノキシジル製剤「ロゲイン」が発売されていました。

因みにAGAのネットを賑わせているミノキシジルタブレットは、ロニテン(ミノキシジル内服薬)のジェネリック医薬品です。

ミノキシジル内服薬はAGA治療薬としては認可なし

アメリカではミノキシジルの内服薬を高血圧治療薬として認可しています。日本はまだ未認可医薬品です。

非常に大事なことなので最初にお話ししますが、アメリカも日本もミノキシジルの内服薬をAGAの治療薬として認めていません。

アメリカの厚生労働省のようなお役所であるFDAは、ロニテンやロニテンのジェネリック医薬品ミノキシジルタブレットがAGA治療薬に使用されていることをよくは思っているはずはなく、AGA治療に使用しないようにと警告を出しています。

参考文献:http://www.emedicinehealth.com/drug-minoxidil/article_em.htm

日本のAGA関係のサイトのほとんどがミノキシジルタブレット(以後ミノタブ)をあたかもAGA治療薬として推奨していることに危機感を覚えて仕方ありません。

また、服用量も一日5mg前後と記載しておきながら、一日に飲める量は100mgとあり、驚いてしまいます。

一日100mgまでというのはあくまでも、高血圧患者さん用の数字です。

ロニテンやミノタブの箱の中に入っている説明書には、AGA治療薬ではなく、高血圧治療薬としての用法用量が書かれているのです。

日本のAGA専門医がロニテンやミノタブを使用して治療する場合、おそらく諸検査、血圧などを測定し、その患者さんの症状に合わせて内服量を決めていると考えられます。

 

一方、個人輸入は……

医学知識がない、自分の状態を客観的に判断できない人たちが、安価であるというだけでミノタブを購入して服用するというのは、どうなのでしょうか?

どうやって服用量を決定するのでしょうか?ミノタブの説明書に一日最高100mgと書いてあるのも参照するのでしょうか?

日本は外用のミノキシジル製剤「リアップX5」がありますが、こちらは経皮吸収です。

やはり経口投与に比べると、効果は劣ります。逆に言えば、副作用が少ないということです。それでも、第一類医薬品として安全に保護されています。

やはり、それは高血圧という生命に直結する病気の薬ということ。その緊張感が薬の立ち位置を決めています。

FDAとしても、安易にミノキシジル内服薬をAGA治療への使用を認めるわけにはいかないでしょう。

 

では、ミノキシジル製剤が高血圧治療薬として認可されているアメリカの医師はどのようにミノキシジル製剤を患者さんに使用しているのでしょうか?

 

高血圧治療薬としてのロニテン

患者さんに高血圧治療薬を処方する場合、血圧や血液検査などをし、その結果次第で高血圧治療薬が処方されます。

処方後も、薬の副作用は出ていないか、症状は改善しているかを観察しながら、ロニテン等を増減していきます。

 

ロニテンの副作用は強く……

AGAに効果的、適していると言われれているミノキシジルの「増毛作用」は、副作用の一つです。

髪の毛だけでなく、顔や体の毛も濃くなっていきます。ロニテンを服用する高血圧患者さんのほとんどが経験すると言われています。

そして、それ以上に深刻なのはむくみや動悸や胸痛など心臓に由来した副作用もあるということです。

日本発売のリアップの箱の中に入っている説明書にも書かれてありますが、高血圧の薬を服用する人、心臓疾患のある人に対しては警告しています。

また、そうでなくても、65歳以上の人は薬剤師の判断によっては販売中止をすることもあります。高齢者は自覚症状が出にくいこともあり、知らず知らずのうちに心臓疾患にかかっていることがあります。

僧帽弁狭窄症などに罹っている人にミノキシジルは禁忌です。僧帽弁狭窄症は珍しい病気ではなく、よく見られる病気です。

このような薬ですから、日本国内でロニテンやミノタブを服用している人は、むくみなどの副作用を感じている人もおられるようです。

自己責任の上で服用している人がほとんどであるため、多少の副作用は堪えていると考えられます。医師の診察、観察が必要な薬だからこそ、FDAはAGA治療薬として自由に使用できないようにしていると予想されます。

参考文献:http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n229249

 

ロニテンで高血圧治療する場合は併用薬あり

ロニテンの単独服用は水分代謝を停滞させる恐れがあります。それらを改善するためにロニテンを服用する高血圧患者さんは、利尿剤やβ-ブロッカーを併用します。

そのようなことから考えると、特にミノキシジル内服薬のみでAGAを治療している方は要注意です。ロニテンの併用薬として推奨されている利尿剤もβ-ブロッカーも日本では医師でなければ、取り扱えない薬です。

逆にイブプロフェンなどの鎮痛消炎剤(NSAIDs)含有の風邪薬、鎮痛剤との併用は禁忌ではありませんが、できるだけ併用は避けた方がいいでしょう。

何故なら、このような薬剤は、腎臓の血流量を低下させ、ナトリウムや水分を貯留させてしまいます。その結果、血圧を上昇の危険性が出てしまいます。

従って、ロニテン服用中にイブプロフェンなどの鎮痛消炎剤などを併用すると、ロニテンの降圧効果が減少します。

 

高血圧治療に用いる場合のロニテンの服用量

成人の一日服用量は5~40mgと言われています。症状によって適宜、内服量の増減はありますが、一日最大量は100mgとなっています。

ロニテンやミノタブを紹介するAGA関係のサイトでは、一日の最大量は100mgですと、書かれているのをよく見かけますが、100mgという数字はあくまでも高血圧症に関してであって決してAGAに対する数値ではありません。よく注意してください。

 

では、AGAの場合、ロニテンやミノタブはどれぐらいの量が効果的なのでしょうか?

ロニテンやミノタブはAGA治療薬としては認められていないので、AGAの場合、決められた服用量は存在しません。

ここがフィナステリド製剤やデュタステリド製剤と違うところです。フィナステリドなどは前立腺肥大症の内服治療薬ですが、AGA内服治療薬としてFDAも日本の厚生労働省も認可しています。

従って、AGA治療薬の服用量も決められています。

フィナステリドを前立腺肥大の治療に用いる場合は5mg/日で、AGA治療の場合は1mg/日と決められています。

 

ロニテンやミノタブをAGA治療に使う場合の量は未明

個人輸入して自分で判断されてこれらの薬を飲む人は、どのようにして飲む量を決められているのでしょうか?

日本のAGAクリニックなどで診察を受けながら,服用している人たちのまねをして同じ量を飲んでいることもあるでしょう。

しかし、それは、自分と診察をうけた人の身体や脱毛状況が同じであるならまだしも、状況が違えば、効果があるどころか、効果を飛び越えて、副作用が出現する可能性も出てきます。

それに出現してしまった副作用は、ロニテン等が無承認医薬品であるだけに国のサポートを受けることはできません。

無承認医薬品の使用は、リスクが常にあります。正しく情報を提供してくれるサイトを見分ける目をもつことも自分の身を守る方法だということを知っていてください。