アスタリフトはフィルム事業で有名な富士フィルムグループの株式会社富士フィルムヘルスケアラボラトリーという会社のエイジングケアのブランド名です。
様々なアンチエイジング商品の中には、「スカルプフォーカスエッセンス」という女性用の薬用育毛剤も販売されています。

昔懐かしい写真用フィルムで名をはせた富士フィルムが2000年に突入と同時に起こる世の中のデジタル化の流れに合わせて自社の技術を応用した新規事業を模索することになり、その中の一つが、2006年に設立された株式会社富士フィルムヘルスケアラボラトリーという会社です。

そして、創業以来80年間にわたり培ってきた様々な成分を分散させるナノ化技術を応用して、本格的にヘルスケア・化粧品事業に参入することになり、生まれたヘアケア商品がアスタリフトです。

「ナノ化」というと頭皮への浸透力をアピールしている育毛剤ではよく使われる言葉で、実は、事実であるのかどうかも怪しいものも多く存在します。

アスタリフトで使用されているナノ化技術が他の育毛剤で使われているナノ化とどう違うのか、はたまた、同じレベルのものなのかという点とナノ化技術でどのような成分を毛根に送り込もうとしているのかを検証すればこの育毛剤の良し悪しが分かると思います。

富士フィルムのナノ化技術とは?

ナノ化技術というのは他の育毛剤でもよく言われていますが、そもそも、天然物も含めた化学成分そのものはどんなものでもナノサイズ、あるいは、それよりもはるかに小さい物質です。
育毛剤に使われる溶剤は頭皮への刺激を避けるために水を使うことが一般的ですが、水に溶けやすい低分子成分であれば育毛剤の中ではほとんどの物質がナノサイズで存在することになると思われます。

しかしながら、育毛剤や化粧品に使用されるような成分には水に溶けやすい親水性の物質もあれば油やアルコールに溶けやすい親油性の物質もあります。
水溶性であっても水に溶けにくい物質や保水力のあるネバネバ成分のような高分子は、分子同士が固まってナノサイズを超えてしまうものもあるかもしれません。

特に厄介な物質が抗酸化力のあるポリフェノールやカロチノイド系などの親油性の物質で、高濃度で添加される場合には、水に入れると分離するか分散しても大きな油滴となって存在することになります。
そのままでは大きな集塊となって存在することになり、毛穴の隙間ですら通過できないということになってしまいます。

 

簡単なナノ化技術とは?

油やアルコールにしか大量に溶かすことができない物質を溶かすには油化エタノールを溶剤にすれば簡単ですが、悪化している頭皮にアルコールは使えませんし、油を使うのは論外です。
そこで、簡単に親油性成分を水に溶かす、というよりか、ナノサイズの塊に分散させるためには、水にも油にも馴染むことができる界面活性剤を使う方法ということになります。
しかしながら、界面活性剤にはたくさんの種類があり効果や刺激性も異なってきます。

ナノ化に成功したと浸透性をアピールしている育毛剤の公式サイトを見ても、本当に親油性の有効成分がナノサイズになっているのかを明確に示しているものはほとんどありません。
ましてや、低刺激性といえども、陰イオン性の界面活性剤や陽イオン性の界面活性剤は、傷んだ頭皮にさらなるダメージを与える可能性もあります。

 

富士フィルムのナノ化技術

写真を写すフィルムというのは、厚さ20μmのフィルムの中に特定の波長の光に反応する様々な物質を光の透過を邪魔しないように高濃度で均一に分散させるためには、ナノ化技術は重要なポイントになってきます。

富士フィルムでは写真用フィルムの研究開発を通じて、鮮明で美しい写真に仕上げるためにさまざまな微細な粒子をコントロールする高度なナノテクノロジーを保有しているというわけです。
化粧品やシャンプー、育毛剤などに有効成分を高濃度に配合させるためには、富士フィルムが保有しているナノサイズの粒子を安定的に分散させる技術は有効な技術になってきます。

さて、問題のアスタリフトのスカルプフォーカスエッセンスの成分表を見てみると、界面活性剤としてPOE(ポリオキシエチレン)水添ヒマシ油が使用されています。

POE水添ヒマシ油というのは香料やオイル成分を水系の化粧水などに溶解させるために配合される非イオン性の界面活性剤で、目薬に配合されることもあるくらい安全性の高い物質です。
皮膚への刺激性についても多くのデータがあり、毒性も含めて安全性の高い成分として知られています。

 

富士フィルムのナノ化技術は従来のナノ化技術の上を行く!?

POE水添ヒマシ油類を添加した化粧品や育毛剤は他にもありますが、富士フィルムのナノテクノロジーでは従来のナノテクノロジーで分散させるよりも小さなサイズの実現が可能になっている様子が画像で紹介されています。

詳細な技術内容や粒子サイズが表示されているわけではありませんが、アスタリフトスカルプフォーカスエッセンスの目玉成分であるアスタキサンチンのような赤い成分でも、富士フィルムのナノテクノロジーを使えば透明度が従来のナノ化技術よりも高くなることが分かります。

参照元:化粧品成分オンライン PEG水添ヒマシ油類とは
https://cosmetic-ingredients.org/surfactant/peg-水添ヒマシ油類の成分効果と毒性/
参照元:富士フィルム 公式サイト 研究開発・技術 コア技術:ナノ分散技術
http://www.fujifilm.co.jp/rd/technology/advanced/core/nano.html
参照元:幸せなエイジング ASTALIFT 何故富士フィルムが化粧品?:ナノテクノロジー
http://shop-healthcare.fujifilm.jp/sp/astaliftbrand/technology/

 

アスタリフトスカルプフォーカスエッセンスの成分検証

先ほども出てきたように、アスタリフトスカルプフォーカスエッセンスという育毛剤の目玉となっている成分はアスタキサンチンという抗酸化力の高いカロチノイド系の色素であり、ここにナノテクノロジーが使われています。

ちなみに、アスタリフトスカルプフォーカスエッセンスは、2017年2月から医薬部外品として販売されています。

アスタリフトスカルプフォーカスエッセンスの美容成分
  • 有効成分:βーグリチルレチン酸、ニコチン酸アミド、パントテニルエチルエーテル
  • 潤い成分:ナノアスタキサンチン、3種のコラーゲン、ヒアルロン酸、シャクヤクエキス、ビワ葉エキス、センブリエキス、ニンジンエキス、ホップエキス

もちろんノンアルコール、無香料の育毛剤ですが、ナノアスタキサンチンと3種のコラーゲン以外の成分は他の育毛剤でも見受けられる成分です。

ただし、安息香酸Naやメチルパラベンといった防腐剤が含まれているのは少し心配される点ですが、雑菌の増殖を抑える程度の弱い殺菌力しかありませんので、フケ・かゆみがある場合には効果があるのかもしれません。

参照元:アスタリフト 美髪トライアルキット

実は、アスタキサンチンとコラーゲンという有効成分は富士フィルムの写真技術の開発から見出された成分です。

 

アスタキサンチンの抗酸化活性

最近でこそ色褪せしないプリントが当たり前になっていますが、昔の技術では、写真をプリントすると徐々に色褪せが起こります。
色褪せの原因は紫外線によって発生する活性酸素が写真に使われている色素を酸化することによって起こりますが、富士フィルムでは、色褪せを防ぐために抗酸化活性のある物質をナノ化して配合する技術が長年にわたって蓄積されています。

写真の色褪せと同じように、紫外線によって発生する活性酸素はお肌のシミ・シワ、乾燥を引き起こす原因にもなります。
頭髪は人間の体の中で最も太陽に近い部位ですので、紫外線の影響を受けて頭皮も普通の皮膚のように活性酸素の影響を受けることになり、富士フィルムの持つ抗酸化活性物質の中から選ばれたのがアスタキサンチンです。

アスタキサンチンは鮭の身の赤い色やエビ・カニを茹でたときの赤い色、イクラの赤色など身の回りに結構存在していますが、ヘマトコッカスという藻類で大量生産が可能になったことで活性酸素から体を守る成分として健康食品やスキンケア商品として利用されています。

参照元:参照元:幸せなエイジング ASTALIFT 何故富士フィルムが化粧品?:抗酸化技術
http://shop-healthcare.fujifilm.jp/sp/astaliftbrand/technology/

 

頭皮のダメージを回復する3種類のコラーゲン!

コラーゲンが写真と何の関係があるのか不思議に思うかもしれませんが、写真フィルムの半分はコラーゲンでできています。

富士フイルムではフィルム用のコラーゲンの研究を通じて「ヒトの肌と同じ構造の皮膚モデル」を開発し、皮下に存在するコラーゲンの働きを追究しているということです。

頭皮を潤す3種類のコラーゲン
  • 水溶性コラーゲン:頭皮を多い潤いをキープする
  • 浸透性コラーゲン:角質層に浸透し乾燥から頭皮を守る
  • ピココラーゲン:頭皮の奥深くまで浸透することで細部の保湿をケアする

参照元:幸せなエイジング ASTALIFT 何故富士フィルムが化粧品?:コラーゲン研究
http://shop-healthcare.fujifilm.jp/sp/astaliftbrand/technology/

 

アスタリフトシリーズのシャンプーとコンディショナーにもナノ技術!

アスタリフトスカルプフォーカスシリーズには、育毛と同時に髪の毛をケアするシャンプーとコンディショナーも販売されています。

どちらもシリコンフリーですし、シャンプーにはラウリル硫酸のような刺激の強い界面活性剤は使われていません。

シャンプーとコンディショナーに配合されているナノ成分は、「ヒト型ナノヘアセラミド」と「ナノグリチルレチン酸」で、育毛剤であるエッセンスの目玉成分であるアスタキサンチンも配合されています。

特に、ヒト型ナノヘアセラミドは富士フィルムのオリジナル成分であり、毛髪に水分を蓄えハリ・コシに寄与するヒト型ヘアセラミドを20nmで高濃度分散させることに成功した世界最小クラスのナノ粒子だそうです。

参照元:富士フィルム ニュースリリース 「毛髪のハリ・コシに寄与する成分「ヒト型ヘアセラミド」を・・・・新開発」
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0889.html

シャンプー、コンディショナーともに富士フィルムの得意とするナノ化成分が配合されていますので、育毛剤であるエッセンスと併せて使用することによって富士フィルムのナノ技術を総合的に実感することができるかもしれません。

なお、育毛剤であるエッセンスにシャンプー、コンディショナーを加えた「美髪トライアルキット」が1,200円(税別、送料無料)で用意されています。

量が少ないので育毛効果まで実感するのは難しそうですが、富士フィルムのナノテクノロジーを体感することができるかもしれません。

 

アスタリフトスカルプフォーカスエッセンスの総合評価

富士フィルムのナノテクノロジーは従来のナノ化技術を上回るものであり、写真用フィルムに関係するという3種類のコラーゲンや抗酸化物質であるアスタキサンチンを配合した頭皮に優しい女性用育毛剤です。

防腐剤が配合されている点はマイナスかもしれませんが、富士フィルムのナノテクノロジーで微小化されたアスタキサンチンが頭皮に浸透して紫外線の影響で傷ついた頭皮の回復を促進する効果が期待できそうです。

ナノ技術で配合された世界最小のヒト型ナノヘアセラミドが配合されたすアンプ―やコンディショナーと併せて使うことで、富士フィルムのナノテクノロジーを試してみるのも良いかもしれません。