眼精疲労につながる目の疲れのサインを見逃がすと、薄毛でない人は薄毛になりやすく、薄毛の人は薄毛が進行してしまいます。これからその関係と改善方法を解説いたします。

 

私自身の恥ずかしいことを打ち明けますと、「目の疲れ(眼疲労)」と「眼精疲労」が全く別個ではないにしても、きちんと使い分けがされているということを知りませんでした。

医療現場でも、患者さんには「目の疲れ」と言葉をかけさせていただいたり、医療関係者の間では「眼精疲労」と言葉を発したりしても大してその言葉の意味の違いを意識しているわけではありませんでした、

この記事を書くために色々なサイトを調査しているときに、「眼の疲れ」と「眼精疲労」が違うということを教わりました。

目の疲れ:目に限定された疲れやいつもより眩しいなどで、睡眠などで目を休めれば回復するような場合

眼精疲労:「目の疲れ」よりも症状が進行し、目以外に、例えば、肩こり、頭痛、吐き気などが出てくるような場合

 

薄毛につながる目の疲れや眼精疲労のサイン

モノがかすんで見える、ゴロゴロ、眩しい、目が乾く、充血などといった症状が出て、このまま症状を放置すると、肩や首がコリ始め、頭痛、頭重感、吐き気など眼以外に、大げさに言えば、全身へと不利益な症状が広がっていきます。

 

目の疲れや眼精疲労が薄毛につながる理由

目を疲れさせる作業や行動は近年、特に増加しています。

スマホ、パソコン……。

これらの液晶画面に向かって絶えず、目が水晶体の厚さを調整しながら見えやすいようにピントを合わせています。

そのために目の周囲の筋肉の緊張が続き、血行不良となって頭皮下のほうにも十分に血液が行き渡らなくなってしまいます。

このようなとき、肩こりや頭痛などの症状が出現し、単なる目の疲れから、眼精疲労へと進行していることになります。

特に、近視、遠視、乱視などの調節機能に異常がある人はちょっとしたことで眼精疲労を起こやすいので、その目の緊張が血行不良の原因を作り、頭皮下まで血液がしっかりと行き渡らなくなっています。

では、何故、頭皮下までしっかりと血液が巡回してこなければ、薄毛になってしまうのでしょうか?

 

発毛の司令塔である毛乳頭や毛母細胞が十分に働くためには栄養が必要

発毛するためには、毛母細胞がたくさん分裂増殖していく必要があります。また、毛母細胞が分裂増殖を繰り返すためには、十分な栄養がなければいけません。

その大切な栄養は血液によって運ばれてくるので、眼精疲労で血行不良になってしまうと、毛母細胞まで栄養を充分に運ぶことが難しくなってしまいます。

 

厚生労働省からの警告:VDT((Visual Display Terminals)症候群

近年、パソコンやスマホ人口が急増し、目への悪影響を危惧して、平成14年、、厚生労働省は「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を制定しました。

 

VDT作業者が液晶画面に長時間向かい続けることで、眼の疲れや体の不調を訴えることが多くなり、厚生労働省がそれに対して動き出したというわけです。

眼精疲労予防対策の方法がそのガイドラインに詳細に記載されています

参考URL:厚生労働省;新しい「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」の策定について

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/04/h0405-4.html

パソコン画面などから発せられるブルーライトによって目が疲れるという説があるけれど……

パソコンの画面に表示される文字や表などを見ようと、長時間凝視することから起きる眼精疲労とは別に、パソコンから発せられるブルーライトによって目に傷がついたりして眼精疲労を起こすという説が多くあります。

理論的には考えられないことではないとはいうものの、確証的なエビデンスはまだまだ乏しいといえるようです。

とはいえ、ブルーライトは有害だという眼科医も少なくはないので、とにかく目に悪影響があると考えられるものはおそらく、頭皮や毛髪にもいい影響を与えるはずがありません。

ということで、このように迷える学説ではありますが、パソコンやスマホの液晶画面を長時間見続けるのはよくないという警告を発していく意味で、ちょっと、軽く検討してみたいと思います。

では、ブルーライトとは何でしょうか?

ブルーライトとは可視光線の中にあり、380~500nmという波長が短く、青い光のことです。

パソコンやスマホに使われている液晶画面は、テレビなどに使われているブラウン管よりも強い青い光であると言われています。

 

ブルーライトが目に悪いとされる根拠

ブルーライトによる目への影響に色々な説がある中で、何故、ブルーライトが目に悪いとされているのかといえば、ブルーライトは目に有害といわれる紫外線に類似したエネルギーをもつ強い光だからと専門家たちは論じています。

今、そのブルーライトから目を守るためのメガネがあちこちで販売されていますが、このメガネを有効とする眼科医と、メガネを売る側の戦略と言いきる眼科医がいます。

しかし、その結論がどっちであっても、同じ距離の先にあるものをじっと見続ける行為は目の筋肉に極度の緊張を強いることになり、いずれ血行不良となり、頭皮や毛髪に悪影響を及ぼすことは間違いないようです。

目は遠く見たり、近くを見たりという環境においてやることが、一番理想的であるということなのです。

参考URL:ある奈良県の眼科医が目について書いたブログ

http://blog.livedoor.jp/eyedoctor/archives/51732036.html

参考URL:naverまとめ「PCめがねブルーライトの影響ってどこまでホント?」

筑波大学教授の反論の記事があります。

https://matome.naver.jp/odai/2135173120047705201

長時間パソコンの画面を見続ける、または、長時間紫外線の下にいる、睡眠不足など、とにかく目に負担をかけ、目へのダメージが大きくなったとき、目のダメージを修復しようとL-システインというアミノ酸が有効な働きをします。

実はこのL-システインは毛髪の主成分であるケラチンの材料で、8種類の材料があるうちにL-システインが一番多く含まれています。

L-システインは毛髪だけでなく、前述したように目の修復などでも色々必要とされているアミノ酸です。

体の中に、L-システインが無制限にあるわけではなく、限りがあります。

そこで、使い回ししなくてはいけなくなります。

使い回すにも優先順位があります。

これについて、あのノーベル賞を受賞した「オートファジー理論」を用いてわかりやすく説明いたします。

オートファジー作用で毛髪へのアミノ酸分配は後回し

オートファジー理論とは、2016年に東京工業大学名誉教授大隅良典氏がノーベル医学生理学賞を受賞された研究です。

非常に有能な研究でこれからの医療に必ずや貢献するであろうと言われている中で、毛髪に関係すると思われる部分のみを取り上げます。

参考URL:東京工業大学「オートファジー-ノーベル賞を受賞した大隅栄誉教授の研究とは」

http://www.titech.ac.jp/news/2016/036467.html

オートファジーとは?

前述したように毛髪に関係する部分のみを取り上げます。

オートファジーとは大きく言うと、「自食作用」ということになります。

自食作用とは、細胞が自分の分のたん白質を食べ(分解して)、たん白質の材料であるアミノ酸を作ろうとする行為ということになります。

では、どういうときに自分を食べてでも材料を作って増やそうとするのでしょうか?

それは、たん白質が不足しているとき。

もっと言うならば、生命を維持できなくなる危険性が高まったときということになります。

この現象を目の疲れなどと毛髪の主成分ケラチンの主な材料であるLシステインを活用して検討してみましょう。

 

体内に十分のたん白質があると、毛髪を作るためのたん白質をもらうことができる

何かが災いして目にダメージが発生し眼精疲労が出たとき、とりあえずは体内にあるたん白質の材料であるアミノ酸が目の修復に向かいます。

そのとき、もしかしたら、そのアミノ酸は毛髪に配分されるアミノ酸だったかもしれません。

もらえるはずだったアミノ酸が目のほうにいってしまったため、毛髪の材料は減り、薄毛を進行させるというわけです。

さらに、例えば、過酷なダイエットなどでもして、たん白質を摂らなくなったとします。

体内で細胞が飢餓状態になることを避けようと、オートファジー、つまり、細胞が自分を分解して(食べて)たん白質の材料であるアミノ酸を作りだそうとします。分解される細胞はあまり生命維持とは関係のない、例えば、毛髪の細胞が自食行動を始めるわけです。

そのようにして、本当に必要なたん白質だけは作って、体を生かそうとします。

しかし、このオートファジーは延々と続くわけではないことは、気づかれたと思います。

過酷なダイエットでもしてマジに体内に栄養が入ってこなくなると食べる細胞すらないわけですから、オートファジ―の力はここまでで生命維持ができなくなります。

 

薄毛は育毛剤だけでは改善されない

結局、きちんとしたライフスタイルを送ることが、薄毛を改善するということです。

目を疲れさせないようにすることも、食事に気をつけることも、全てが薄毛改善につながると言っても過言ではありません。

きちんとしたライフスタイルに育毛剤をサポート役として活用することが理想的な育毛剤の使用法といえるのではないでしょうか?

特に食事が大事ですが、単一成分を意識するのではなく、偏りのない栄養素を摂ることをお勧めします。ビタミン類、ミネラル類は、互いの過不足を補う力を持っています。

単一で摂るよりは複数で組み合わせた、つまり、色とりどりの食事メニューを心がけましょう。