糖尿病は中高年が恐れる生活習慣病の一つであり、乱れた食生活や運動不足からくる高脂血症や肥満を抱えている人ならば誰もがそのリスクを抱えているといっても過言ではありません。
糖尿病には様々な合併症があることは知られていますが、糖尿病の解説サイトを見ても、糖尿病と抜け毛の関係について言及されているということはありません。ところが、糖尿病と抜け毛の関係について疑問を持っている人が結構居られるようです。

Yahoo知恵袋で「糖尿病 抜け毛」で検索すると、「糖尿病の人は、髪が薄くなるんですか?」、「糖尿病と抜け毛って関係あったりしますか?」などの質問を見かけましたが、「これはっ!」と思えるような回答は得られていないようです。
ところが、1型糖尿病の人で抜け毛が目立つということを書いている人が多く、回答を見ても同意する人が多く見受けられました。
1型糖尿病は自己免疫疾患といって、免疫システムが正常な細胞や組織を攻撃することによって起こりますので、免疫システムが育毛に関わる細胞を攻撃しているのであれば抜け毛が多くなるのはうなずける話です。

糖尿病患者の大半を占めているのは生活習慣病としての2型糖尿病であり、1型糖尿病と同じように、抜け毛や薄毛につながることがあるのかどうかが気になるという人が居られるというわけです。

確かに、自分の免疫細胞が正常な細胞を攻撃して起こる自己免疫疾患ならば、脱毛に限らず、どんな症状が起こっても不思議はありません。でも、高血糖によって髪の毛が抜けやすいくなるということはないのでしょうか?
高血糖の症状の中には抜け毛というのは無いようですが、抜け毛が命に関わることがないだけに糖尿病の症状として認識されていないだけということもあるようです
質問者が多いということは、糖尿病患者で抜け毛に悩む人が多いということですもんね
糖尿病と薄毛の因果関係を考えるためには糖尿病について知っておく必要がありそうです

 

糖尿病とは?

糖尿病というのは、血中糖濃度が基準値よりも高くなってしまう、すなわち、高血糖の状態を意味する病気であり、一時的なものではなく常に血糖値が高くなってしまうことで起こる体のトラブルのことを言います。

食事で摂られる炭水化物はブドウ糖に分解されて、血液によって全身に運ばれ、細胞が活動するためのエネルギーとして利用されますが、血液中に溶けているブドウ糖が血糖と呼ばれています。
反応性の高いブドウ糖は血管の内皮細胞に存在するたんぱく質を糖化する性質があり、血糖値が高い状態が長く続くと毛細血管が破壊され、血液が末端まで行き渡らない状態が起こる可能性があります。

健常者の体内では血糖が毛細血管を破壊することが無いように、血糖値を一定の幅でコントロールするのがインスリン、グルカゴン、コルチゾールと呼ばれるホルモンです。
糖尿病患者は、生活習慣などが原因で膵臓から分泌されるインスリンの量が減ってしまったために血糖値を下げることができなくなった状態です。

インスリンの役割
  • 細胞へのブドウ糖の取り込み
  • 余剰のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞にグリコーゲンや体脂肪として貯蔵
  • グリコーゲンや体脂肪の分解を抑制

インスリンの分泌量が低下する原因にもいろいろあるようですが、最近の研究では脂肪細胞の肥大化、すなわち、暴飲暴食や運動不足によってエネルギーとして使いきれない余剰なブドウ糖が過剰に脂肪細胞に蓄積されたことによって起こることもあるということです。


このため、内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧、脂質異常症のいずれか二つを伴うメタボリックシンドロームという、生活習慣病が注目されるようになりました。

参照元:ウィッキペディア 糖尿病
https://ja.wikipedia.org/wiki/糖尿病

2型糖尿病には肥満がセットになっていることが多いということですか?
高血糖の状態を放置することで、グリコーゲンを蓄える筋肉や肝臓、あるいは、脂肪を蓄える脂肪細胞がインスリン抵抗性を悪化させてしまうことになります
糖尿病がどんなものかが分かったところで、本題の糖尿病と薄毛の関係ですが・・・?
糖尿病が直接的に抜け毛を引き起こすということは1型糖尿病でない限りなさそうですが、糖尿病になる原因が抜け毛に関係するということはあるかもしれないという考え方が多いようです

 

糖尿病の症状は?合併症は?薄毛との関係は?

高血糖を放置することで起こる慢性化した高血糖が糖尿病ですが、末梢の毛細血管が破壊されることによって起こる糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症の三つが糖尿病の三大合併症と呼ばれています。

糖尿病性神経障害:手足のしびれや麻痺、痛みなど
糖尿病性網膜症:網膜の血管障害による、目のかすみや視力の低下
糖尿病性腎症:腎機能の低下によるむくみ

どの症状も放置すると重篤な症状につながる可能性のあるものばかりで、糖尿病は早期に対策する必要のある病気ということです。

しかしながら、この中に抜け毛や薄毛といった毛髪トラブルに関わるような症状が含まれておらず、毛が抜けることは酷くなったとしても死に至るようなことがないために糖尿病の症状として取り上げられていないだけということも考えられます。

ということは、糖尿病で毛が抜けるということはあり得ると考えて良いということでしょうか?
科学的に証明されているわけではありませんが、毛髪が成長するメカニズムを考えると可能性は十分にあると考えられます。

 

糖尿病がどのように薄毛と関係しているのか?

先に申し上げたように、2型糖尿病は肥満が大きな原因になっている人が多い、すなわち、血中の総コレステロールや中性脂肪の値が高い人が多いということです。
言い換えれば、血液中の脂肪が多いことによって血流が悪くなっているような状態になっている人が、糖尿病になりやすいというわけです。

毛髪を育てるための栄養素は毛細血管を通して血液によって運ばれますので、血流が悪くなった糖尿病患者の場合、毛髪を育てるために必要な栄養素が毛乳頭に届きにくい状態になってしまいます。
また、栄養素の不足は毛乳頭の発育を制限する、すなわち、毛根が痩せ細ってしまうことにつながり、抜けやすい毛髪になってしまう可能性があることは否定できません。

高血糖に対する対策を何もせずに放置して、毛細血管が破壊されてしまうような状況になり僅かに届けられていた育毛のための栄養素も途絶えてしまうと、毛包幹細胞から毛乳頭に新たな細胞が供給されることも無くなり、毛髪そのものが生えてこない状態になることもあり得ると推測されます。

参照元:ウィッキペディア 毛包
https://ja.wikipedia.org/wiki/毛包

エネルギー不足も毛髪が育たない理由かも?

糖尿病ではインスリンの分泌量が低下しているために、細胞内へのブドウとの取り込みが起こらず、細胞が活動するためのエネルギーを造ることができなくなる、すなわち、代謝や分裂といった細胞の活動も低下してしまう可能性もあります。

仮に、毛乳頭に育毛に必要な栄養素が届けられていても、細胞がそれらを利用するためのエネルギーが不足していれば、毛髪を正常に育てることができないというわけです。

このようなケースでは、1型糖尿病も2型糖尿病も差があるわけではないので、1型糖尿病にみられるという抜け毛の増加の原因のすべてが自己免疫疾患によるものではないということも考えられます。

なるほど!糖尿病患者は育毛に必要な栄養素やエネルギーが不足することによって毛髪が育たたず、成長途上にある毛髪が抜けてしまう可能性があるということですね
薄毛が命に関わる症状ではないために糖尿病と薄毛の関係について研究している人が少ないので科学的な証拠というのは無いようですが、概ねそういうことだと思います
このメカニズムが正しいということであれば、糖尿病と診断されていなくても高血糖、さらには、メタボシックシンドロームと推測される人は要注意ということになりますが・・・
よく分かっていらっしゃる!高血糖を誘発するような血液中に脂質が増加しているような状態でも抜け毛が増加するリスクはあるとのでいうことです。加えて、脂質が増加することによって皮脂の分泌が増加して頭皮環境が悪化することによる抜け毛も起こるので、メタボリックシンドロームは要注意です