「筋トレはAGAを進行させるか、させないか……」と、ネット上でも随分、議論されています。

少しでも薄毛になるようなことはしないでおこうと気を付けておられる人の中にも、健康のために筋トレに励んでいる人は多いと思います。

健康のためにやっているとはいえ、AGAを進行させるのであれば、筋トレはもうやめたほうがいいかもしれない……そんな悩みを持った人たちは最終的にはどうすればいいのか、考えていきます。

結論を先に言えば、筋トレすると、薄毛になることはありませんので、安心してください。

その理由をこれから解説いたしますが、まずは、筋トレをすると、体の中の男性ホルモンはどうなるのでしょうか?

筋トレすると、男性ホルモンは確かに増える

運動には大きく分けて、無酸素運動と有酸素運動があります。ここでいう筋トレとは、激しい運動に相当する無酸素運動のことです。

無酸素運動とは、糖質や脂質の消費は行わず、グリコーゲンやATPをエネルギーに変換する運動です。

要するに息を抑えて一気に力を出す運動で、短時間しか続けられませんが、大きな力を産みだすことができます。

具体的には、50メートル走、重量挙げ、筋トレなどです。

ちなみに、有酸素運動とは、体の中にある糖質や脂肪を酸素の力でエネルギーに変換させる運動のことです。具体的には、ゆっくりと呼吸をしながら、行なう運動で、軽いジョギング、ウオーキング、エアロピクス、水泳などです。

 

筋トレとテストステロン(男性ホルモン)の関係

筋トレして筋肉が引き締まると、テストステロンは増加し、逆に、太ってお腹が出たり、筋肉がたるんでくるとテストステロンは減少します。

それは、アロマターゼという脂肪組織にある酵素がテストステロンをエストラジオールという女性ホルモンに変えてしまうためです。

女性ホルモンは、脂肪を増やす働きがあるので、皮下脂肪がつきやすくなります。

 

では、筋トレが何故、テストステロンを増やすのでしょうか?

筋トレは筋肉に相当の負担がかかります。この負担は筋肉を損傷させ、その損傷のダメージから前よりも筋肉量の多い身体に改善していくことが理想的な筋トレです。

この改善の時にテストステロンがどんどん、生成され、増えていくというわけです。

参考URL:筋トレをしすぎると薄毛になるって本当!?[美ログ] | スキンケア大学

 

実はDHTは人体に欠かせない物質

AGA発症最大誘因物質として毛嫌いされているDHT(ジヒドロテストステロン)ですが、実は大変、重要な役目をもつ物質です。

男子の胎児の生殖器の発育に欠かせない物質です。

テストステロンが5-αリダクターゼによってDHTになります。DHTは男性ホルモン受容体への結合力がテストステロンの約10倍もあると言われています。

テストステロンは30歳を過ぎると、減少していきます。テストステロンの減少はDHTへの変換を促し、減少した分を効率よく補充しようとします。

 

テストステロンの減少はDHTを増やしてしまう

AGA発症は20代の人でもありますが、大体、テストステロンが減少し始める30歳すぎあたりから、AGAになる人が増えていきます。

それは、テストステロンが減少すればするほど、男性ホルモンの量を維持しようと、DHTにどんどん変換され、体内のDHTが増えることが原因です。

つまり、テストステロンとDHT量は反比例の関係にあるということになります。

参考URL:ジヒドロテストステロン(DHT)とは?~メカニズムと抑制法を解説します~

 

筋トレによるテストステロンの増加と薄毛進行は無関係

ここでやっとタイトルのテーマを考えていきます。

これで、テストステロンの増加はむしろ、DHTを抑えるということがわかりました。筋トレによって増加したテストステロンも同様です。

オリンピックやプロの公式戦に出られるような優秀な選手は並外れた筋肉量を保持していると考えられ、さぞかし、テストステロンの量もかなり多いと考えることができますが、彼らたちのほとんどが、薄毛か無毛かといえば、そうではありませんね。

薄毛の選手もいれば、フサフサの選手もいます。

では、スポーツジムの中で数人の中年男性が同じように筋トレをしていて、筋肉質な体になっています。しかし、頭は個性豊かで、無毛、薄毛、多毛と様々です。

一体、この差はどこからくるのでしょうか?

 

遺伝だからと落ち込むのはまだ早い!筋トレで薄毛防止を!

DHTがたくさんあっても、DHTが薄毛、脱毛をおこさせるには、男性ホルモン受容体に結合しなければいけません。

男性ホルモン受容体の感受性の度合いは遺伝、特に母親からの遺伝の影響を受けると言われています。

従って、筋トレする、しないでAGAが発症するものではないということになりますが、母方の祖父がAGAだから自分も、と落ち込むのはまだ早いと言えます。

テストステロンを増やしてDHTの減少を狙えばいいといいうことです。

テストステロンを増やす方法の一つである筋トレによって、DHTの量が減少すれば、男性ホルモン受容体に結合するDHTが少ないのでAGA発症の可能性も下がります。

前述したように、運動不足で肥満などが起きれば、テストステロンは減少します。その結果、DHTは増加し、男性ホルモン受容体がDHTと結合すしようと待ち受けています。

 

亜鉛が筋トレによるテストステロン増加は薄毛につながらないということを証明

亜鉛というミネラルがあります。

亜鉛は育毛効果があるということで、育毛剤や育毛サプリメントにもよく入っている定番の成分です。

関連記事:薄毛改善のための亜鉛摂取はよく考えて

 

亜鉛は、テストステロンを増やす物質としても知られています。

短絡的にテストステロンの増加はAGAを進行させると考えた場合、亜鉛の働きは矛盾しています。

テストステロンを増やす働きのある亜鉛が何故、育毛効果があると言われるのかという疑問がおきます。

しかし、前述したようにテストステロンとDHTの量は反比例する、つまり、テストステロンが十分にあると、テストステロンがDHTに変わることはないと言う理論に基づけば、亜鉛にはテストステロンを増やす働きと育毛効果があるという説が十分に成り立ちます。

 

従って、筋トレによるテストステロンの増加は即、薄毛にはつながらないと私は思うのです。

ただ、男性ホルモンに限らず、ホルモン量の過剰、激減は健康を害しますので、あくまでも適切な量の範囲での増加ということになります。

 

筋トレ中は、たん白質を積極的に摂ろう!

DHTによってAGAが発症しやすくなるのですが、筋トレ中、しっかりとたん白質中心の食生活を送らなければ、薄毛、脱毛に見舞われてしまいます。

運動不足、またはたん白質をあまり摂らない、炭水化物や脂肪分の多い食生活を送っている人は、遺伝とは無関係に薄毛を進行させてしまう危険性があります。

毛髪はほとんどケラチンというたん白質でできています。

筋トレで筋肉を体につける仕組みは、「筋肉を損傷させて、修復するときにさらに筋肉量が増加することで筋肉がつく」と前述しました。

その筋肉の損傷を修復させるのにたくさんのたん白質を必要とするため、毛髪を作るためのたん白質の量が筋トレ中は減少しやすくなります。

そうして、毛髪のケラチンというたん白質は減少し、ハリ、コシのない痩せた毛髪になっていくわけです。

筋トレ中でありながら、炭水化物や脂質中心の食事をしていると、テストステロンだとかAGAだとかいう前に、薄毛や脱毛が進行してしまうので、要注意です。

筋肉だけでなく毛髪にもしっかりたん白質が配分されるためにも、たん白質に重点をおいた食生活に留意したいものです。

ただ、毛髪のケラチンで言えば、ケラチンというたん白質を作るのに、亜鉛やビタミンの力が必要となります。これらも一緒に摂ると、薄毛改善にさらに効果的といえます。

 

筋トレ中はたん白質だけでなくアミノ酸も重要

もちろん、たん白質を食事やサプリメントで摂ることも必要ですが、ときにアミノ酸の補給も非常に筋肉作りに効率がいいと考えられます。

筋トレ中は通常よりもたん白質を必要としますが、量も多いため、消化吸収に消化器に負担がかかってしまいます。

その点、アミノ酸であれば、アミノ酸はたん白質の分解産物、原料でもあるため、消化吸収の手間がかかりません。筋トレ中はとにかく、効率よく、たん白質補給することを心がけます。

 

まとめ

以上より、筋トレが直接的な原因になり薄毛になることはありません。

実際、AGAや薄毛になる原因はDHTだけではありません。ストレス、睡眠不足、食生活の偏りなど色んな原因があります。

筋トレ中は通常以上に睡眠不足などにも注意して、「髪を守る生活」を目指しましょう。