テレビでお笑い芸人アンジャッシュの児島さんが

「15キロのダイエットに成功したのはいいけど、髪の毛がかなり抜けちゃって怖くなった」

と話し、相方の渡部さんも

「ダイエット中の児島は、ステージの上でも反応が悪かった」

みたいなことを話していました。

この児島さんの話は、まさに髪の毛と体はつながっていることを教えてくれる話です。

抜け毛の代表格であるAGAは遺伝との関係もあると言われていますが、遺伝だけではなく、生活習慣、栄養状態、睡眠時間などが原因でAGAが進行することがあるようです。

そこで人体で最大の免疫機構とも第二の脳とも言われる「腸」に注目してみました。

 

腸は栄養素の吸収に大変重要な存在です。

髪の成長を行なう毛母細胞は、非常に分裂・増殖が速く、十分なエネルギーと質の高い栄養素を必要とします。そのため、過激なダイエットによって深刻な栄養不足状態に陥ると、十分な栄養を必要とする毛髪に逸早く影響を及ぼすことは明らかです。

栄養が毛髪のほうまでムラなく循環するには、腸内環境を整えることが一番、効果的です。意外と思われるかかもしれませんが、腸内環境の乱れで起こる便秘も抜け毛の原因になります。

 

では、抜け毛と腸内環境の関係について考えていきますが、その前に腸内細菌など基礎的なことについて簡単に。

 

腸内細菌について

腸内には500種とも言われる腸内細菌が、棲んでいると言われています。個数にすると何と、100兆個にもなるとか。これらの集合体を腸内フローラ(腸内細菌叢)と言います。

今、腸内フローラという語句をあちこちで聞かれるようになりました。

腸内フローラの中には善玉菌、悪玉菌、そして日和見菌があります。善玉菌は腸内を酸性に傾け、身体にとって有害な物質を排除し、免疫力を高めるなど、腸内環境を整えてくれる菌です。例えば、乳酸菌やビフイズス菌などが相当します。

悪玉菌は腸内をアルカリ性に傾け、発がん性物質、腐敗物質、有毒物質を増やします。そのため、下痢や便秘をおこしやすくなり、免疫力も低下するなど、身体にとって有害な作用をもたらす菌です。

例えば、ウェルシュ菌、ブドウ球菌などが相当します。

 

そして最後の日和見菌ですが、この菌は日和見というぐらいですから、背景が有利なほうに移ろうとする菌です。腸内に善玉菌が多ければ、善玉菌に、悪玉菌が多ければ、悪玉菌に変化します。

従って、体が健康な時はいいですが、体調が悪くなったり、免疫力が低下したときなどは、日和見菌は悪玉菌になりやすくなります。病気だけでなく、ストレス、加齢、生活習慣の乱れも要注意です。

日和見菌と言われる菌は例えば、バクテロイデス、ユウバクテリウムなどがあり、どちらも腸内に棲みついています。これらは健康である時は何も悪さをしませんが、免疫力が低下すると、悪玉菌として有害な作用をもたらします。

 

では、健康な状態のときの善玉菌、悪玉菌、日和見菌はどのようなバランスで腸内に棲みついているのでしょうか?

善玉菌15%、悪玉菌10%、日和見菌75%の比率です。

ということは日和見菌が腸内環境を変えるカギを握っていることになります。生活習慣や食生活を考え直していくことが腸内環境を良好にし、抜け毛、薄毛改善につながるということを意識することが大切です。

下痢も便秘も腸内環境の乱れです。このようになるのはストレス、タバコ、乱れた食生活が原因です。腸内環境の乱れは栄養素の吸収を妨げ、毛髪の成長を司る毛母細胞に栄養が回らなくなって、抜け毛、」薄毛が増えることになります。

 

抜け毛改善の助っ人、ビオチンを腸内で増やそう!

ビオチンは水溶性ビタミンであるビタミンB群の仲間で、ビタミンB₇とかビタミンHなどとも言われます。

ビオチンは、コラーゲンやセラミドの合成を促す働きがあります。セラミドとは外界の細菌や異物が侵入しない様にバリア機能を持った重要成分です。角質層に存在し、保湿作用もあります。

頭皮にとって乾燥は大敵です。

ビオチンは通常、食事で摂ることが可能ですが、注目すべきなのは腸内細菌でも合成されることです。ということは、抜け毛が心配になってきたら、食事に取り入れるだけでなく、腸内環境を良くする工夫をしてビオチンの合成を促すし、抜け毛を予防していくという手段もあります。

 

ビオチンはアミノ酸代謝を潤滑にする

アミノ酸を代謝させるのに酵素が必要ですが、ビオチンは補酵素として働き、代謝がスムーズに行われるようサポートします。

毛髪の成分であるケラチンは、たん白質の一種です。たん白質の材料であるアミノ酸を効率よく利用して、脱毛を予防し、健全な毛髪を作る働きがあります。

 

ビオチンについての注意点

ビオチンは食事でも摂ることができ、腸内細菌からも作られることから、体内のビオチンが不足する心配はあまりないと考えられていますが、場合によってはビオチンが欠乏する事態になることがあります。

一番大きな原因は、卵白を大量に摂取してしまうことです。アビジンという卵白に含まれる糖たん白質がビオチンと結合し、不活化された複合体を合成してしまいます。そのためビオチンの腸管内吸収が妨げられ、ビオチンとしての働きができなくなります。

また、腸内環境が乱れ、悪玉菌が増えると、ビオチンは合成されにくくなります。抗生物質も目的の菌だけでなく善玉菌まで殺してしまうので、ビオチンが作られにくくなります。

ただ、アビジンは加熱すれば、結合力は失われるので、ゆで卵などはそのような心配の必要ありません。

 

腸内フローラが作るエクオールに抜け毛予防効果あり

エクオールは別名「スーパーイソフラボン」とも呼ばれています。そうです、あの大豆で女性ホルモン様物質として有名なイソフラボンの仲間です。

女性ホルモンは増毛効果があることから、イソフラボンも同様に、増毛効果が期待できると言われています。

エクオールは「スーパー」と名がつくことから、従来のイソフラボンよりも効果が高いことは知られています。

 

エクオールを作れる人と作れない人が!

エクオールは、大豆から腸内細菌の力でできる物質です。ただ、残念なのはこの力を有しているのは日本人では約半分と言われています。欧米はもっと低く、2~3割です。

世界全体を見渡すと、大豆を良く食べる国、例えば、中国、台湾、韓国にエクオールを作れる人が多いと言われています。

エクオールは腸内細菌の一つであるエクオール産生菌が腸内に入ってきたイソフラボンをエクオールに変えます。

 

若い世代ほど作れる人が少ない傾向

豆の摂取量を年齢で見ると、60歳代が一番多く、年齢が下がるほど、豆の摂取量は低下していきます。

エクオールを作ることができる人の割合は、40歳以上では半分、30歳以下では2割と、欧米人並に下がっていきます。

 

エクオールを産み出す力と生活習慣は関係あり

エクオールの産生能力の高い60歳以上の人たちは、やはり、食物繊維、海藻類、根菜類など善玉菌を増やす食事を日頃から心がけている人が多いです。

その他に、お茶、特に緑茶をよく飲んでいる人は若くてもエクオールの産生能力が高いとか。

また、逆にタバコを吸う人、乳製品を必要以上に摂る人などは、エクオールの産生能力が低いという報告があります。

 

まとめ

このように抜け毛や薄毛を体内から改善していくには「腸内環境を良好にする」することを常に念頭におくことが必須といっても過言ではありません。

腸を丈夫にするということは、全ての臓器、皮膚(髪も皮膚の一部)を健常に保つことにつながります。