
頭の臭いが発生すると抜け毛が増えるということを気にする人もたくさんおられますが、結論を先に申し上げると、臭いの発生が直接抜け毛を引き起こすのではなく、臭いが発生するほど頭皮環境が悪化した状態になっている人は抜け毛、すなわち、成長期にある毛髪が成長半ばにして成長できなくなって抜けてしまうことを促進します。
頭の臭いが気になるという人は「フケやかゆみが気になる」、「髪の毛がべとつく」、「よく汗をかく」といった人が多く、汗や皮脂が原因となっていると感じている人は多いのではないかと思いますが、汗や皮脂が頭皮の常在菌や雑菌の異常増殖を誘発することによって炎症を引き起こし頭皮環境が悪化してしまうというわけです。
そもそも、頭の臭いというのは他人と接触することの多い人が気にする体臭と呼ばれる臭いの一つですが、体臭の質はカラダの場所によって異なっているものの原因はほぼ共通しており、頭の臭いが出やすいという人は腋臭の臭いや足の臭い、あるいは、加齢臭など様々な体臭に悩んでいるという人も多いのかもしれません。




体臭とは?体臭が発生する原因は?
体臭の種類は発生する場所によって頭皮の臭い、腋臭、足の臭い、加齢臭などと呼び名は変わりますが、体臭の原因となるのはそのほとんどが「汗、皮脂、垢、雑菌」の4種類です。
すなわち、汗は全身から排出されますが、汗が流れ落ちる、あるいは、蒸発してしまうような場所では体臭と呼ばれるような臭いが発生するわけではなく、汗が溜まって皮膚の表面に残る、あるいは、残りやすい場所で汗の成分、皮脂あるいは垢が栄養源となって脂質を好む頭皮の常在菌であるマラセチアや雑菌が増殖することによって起こるのが体臭というわけです。
体臭と呼ばれる臭いには発生する場所によって主原因となる物質がありますので似たような臭いにはなりますが、複数の臭い成分が複雑に絡みあって発生していますので、臭いの程度はもちろんのこと、人による微妙な違いがあります。
部位 | 特徴 | 主たる原因成分 |
頭皮の臭い | 皮脂腺が発達している頭部の毛穴から分泌される皮脂が酸化・分解されて発生する。 フケなどの汚れが微生物の増殖を促進することで臭いが強くなる。 毛髪が汗や皮脂を保持することで臭い成分が発生しやすい。 |
アルデヒド類や脂肪酸などの皮脂や汗の成分の酸化物 |
腋臭 | 腋毛の毛穴の開口部にあるアポクリン腺から分泌される脂肪酸やたんぱ質、アンモニアなどを含む汗が腋に留まり、皮膚の常在菌の増殖と代謝によって発生する。 | 3-メチル-2-ヘキセン酸やビニルケトン類など |
足の臭い | エクリン腺が多いため皮脂は少ないが、角質層が厚く、靴や靴下などで蒸れやすい。 | 足の皮膚に存在するイソ吉草酸や |
加齢臭 | 加齢に伴い増加する皮脂中のパルミトオレイン酸が過酸化脂質によって酸化分解されて発生する。 | 2-ノネナール、ペラルゴン酸 |






腋の臭いも気になるかもしれませんが、ここは頭皮の臭いと抜け毛の関係性について検証するところですので、頭皮の臭いと抜け毛の関係性について掘り下げていくことにしましょう
頭皮の臭いが発生するメカニズムとは?
先に、体臭の発生には「汗、皮脂、垢、雑菌」の4種類が関係していると申し上げましたが、加齢臭以外は臭い発生ののベースとなるメカニズムは似たようなものですが、大量の皮脂と垢が発生しやすい頭皮は臭い成分の量も特に多くなりやすい場所です。
臭いの不快さという意味では腋臭には負けるかもしれませんが、臭い成分の多い頭皮の臭いは届く距離も長くなりますし、ニオイを感じる鼻が近い分だけ厄介かもしれません。
さて、頭皮の臭いというのは毛穴から分泌される皮脂が炭素源となり、汗によって適度な水分が供給されることによって頭皮の常在菌であるマラセチアという皮脂を好む真菌が増殖して発生します。
微生物の増殖には増殖のために必要な炭素源や窒素源や微量のミネラル、さらに、適度な水分と増殖しやすい温度が必要ですが、必要な栄養素は皮脂、汗、垢から供給され、水分は汗、温度は人の体温で賄われます。
- 皮脂:トリグリセリド、ワックスエステル、スクアレンが主要成分ですが、皮膚の常在菌であるマラセチアはトリグリセリドを自身が利用しやすい形に分解します。その際に発生する代謝産物がアルデヒド類や脂肪酸という強い臭いを持つ物質です。
- 汗:頭皮にはアポクリン腺という汗腺が存在しないということでエクリン腺から分泌される汗ということになります。エクリン腺から分泌される汗はほとんどが水分ですが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アミノ酸などの微生物の増殖に必要なミネラルや窒素源が微量含まれています。
- 垢:皮膚に付着した汚れもありますが、皮膚の表面にある古い角質層がはがれ落ちたものも含まれますので、個人差や年齢が大きく影響するものの、たんぱく質が豊富であるためマラセチアが異常増殖するための窒素源となります。
頭皮上はマラセチアが増殖する条件が整いやすい場所であり、普段から皮脂量が多い方やフケ症の方は少し油断するとマラセチアが簡単に異常増殖してしまいます。
さらに、マラセチアそのものは運動性がなく自力で移動できませんが、髪の毛によって汗の水分が頭皮に付着した状態になるとマラセチアの増殖範囲が拡大し、臭いの発生源も拡大されることになります。






頭皮の臭いと抜け毛を抑えるためにするべきことは?
頭皮の臭いが発生したときには臭いのもとを抑えるような頭皮ケアが大切であり、目的にあった育毛シャンプーや育毛剤を使用することが必要ですし、シャンプーした後のドライヤーも素早くすることも重要です。
- 雑菌の増殖を抑える:根本原因であるマラセチアを抑えることも大切ですが、かゆみが発生していると掻かないという方が無理な話で、多種類の微生物が増殖している可能性も考えて、広範囲の微生物を抑制することができるような成分を配合している育毛シャンプーや育毛剤を使用する。
- 過剰な皮脂やフケを洗い流す:皮脂そのものは頭皮を保護する上で必要な分泌物ですので、過剰な皮脂を除去して必要な皮脂は残すような洗浄が大切です。洗浄効果の強いシャンプーの使用は頭皮の乾燥を促進してフケが発生しやすい頭皮になる可能性があります。
- 汗をかいたらすぐにふき取り、できるだけ早く乾燥させる:汗だけではマラセチアを増殖させるほどの能力があるわけではありませんので、できるだけ早い段階で汗を拭きとり乾燥した状態にすることが大切です。シャンプーした後の洗い髪も微生物が繁殖しやすいという意味では汗をかいたときと同じですのですぐにドライヤーで乾燥させるようにしましょう


粃糠性脱毛症や脂漏性脱毛症については以下の記事でご紹介させていただいておりますし、当サイトでは様々な育毛シャンプーや育毛剤をご紹介させて戴ておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
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頭皮の臭いの発生メカニズム抜け毛の関係に関する総括
頭皮の臭いは「汗、皮脂、垢、雑菌」の4種類が関係しており、皮脂やフケ、さらには、汗に含まれるミネラルを栄養源に頭皮の常在菌であるマラセチアが異常増殖することによって発生します。
皮脂やフケの存在がキーとなっていることからも分かるように、頭の臭いが気になる前に粃糠性脱毛症や脂漏性脱毛症などによる抜け毛の兆候が表れていると思いますが、臭いが発生するような状況は抜け毛を加速させることにつながります。
従って、頭の臭いが発生する前に皮脂の過剰分泌やフケの発生を抑えるようなケアを普段から実行することが大切ですし、頭の臭いが発生した時の対処方法も粃糠性脱毛症や脂漏性脱毛症の対処方法と同じです。
頭の臭いが発生した時の対処方法
- 雑菌の増殖を抑える
- 過剰な皮脂やフケを洗い流す
- 汗をかいたらすぐにふき取り、できるだけ早く乾燥させる


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