今回は、梅毒性脱毛症ということですが、「えっ!梅毒って毛が抜けるの?」と思われる人がいるかもしれません。というのも、炎症・発疹などの皮膚疾患は知られていますが、症状を調べても脱毛まで記載されているサイトはほとんどありません。そもそも、梅毒はほとんど絶滅していると思っている人さえいるくらいです

梅毒は粘膜感染する性病を代表する病気ですが、粘膜感染ということは保菌者との性行為だけでなくキスでも感染する可能性がありますし、粘膜に存在する小さな傷口から血液中に侵入することによる母子感染や輸血で感染する可能性もあります。

梅毒は微生物による感染症で1940年台のペニシリンの普及によって感染者は激減したものの、1999年には全世界で1200万人の人が新規に感染していると予測される感染力の強い病気です。
現在の全世界の感染者数は分かりませんが、日本における感染者数は2010年以降は増加傾向にあり、国立感染症研究所の報告によると2017年には44年ぶりに5,000人を突破したということです。
援助交際やSNSを利用した出会い系など、不特定多数との性行為が梅毒の急増を後押ししているのかもしれません。

さて、梅毒の症状は第一期から第四期まで分けられており、初期段階の症状はリンパ節の腫れが中心で、第二期に入ると全身のリンパ節に広がり、バラ疹と呼ばれる紅い発疹が全身に現れることがあり、これが梅毒性脱毛症に関係する症状のようです。

梅毒の原因が見つかっていなかった頃は、「鼻が落ちる」といった症状で恐れられていた時代おありますが、鼻が落ちるような症状と言うのは第三期以降の末期にみられる症状で、初期にみられるバラ疹という発疹やそれに伴う抜け毛というのは梅毒の症状としては軽いもの、いわば、バラ疹や小さな範囲の脱毛によって梅毒を発見する切っ掛けになるということもあるかもしれません。

梅毒が増加傾向にあるというのは驚きです。しかも、もしかしたら、抜け毛や薄毛の原因が梅毒ということもあるというのは初耳です
でも、梅毒性脱毛症というのは第二期にみられる症状ということです。梅毒は第三期以降は腫瘍が発生するという深刻な状態になり、第二期が梅毒治療を始める限界だそうですので、梅毒性脱毛症の特徴を知っていれば酷くなる前に治療できるということです
梅毒の初期症状を知っていれば、治療も簡単というわけですね
梅毒に感染してからの潜伏期間や初期症状、あるいは、梅毒性脱毛症の症状などを知っていれば、抗生物質の普及している現在では治療も難しいものではないようです

 

梅毒とはどんな病気?

梅毒は梅毒トリポネーマという螺旋形上の細菌を意味するスピロヘータの一種による感染症で、感染経路は性行為やオーラルセックスが大半ということですが、妊娠中、あるいは、出生時の母子感染といった血液を介した感染もあり、生まれた子供が感染しているということもあるそうです。

感染してから発症するまでの期間は1週間から13週間ということでこの期間が第一期と呼ばれています。
個人差が大きいようですが、いずれにしても細菌が関係している割には何の症状もなく潜伏している期間が長いというのが特徴的です。
というのも、梅毒トレポネーマという細菌は自分に必要な栄養素を作る遺伝子が一部欠落している、すなわち、感染している人から栄養素を貰わなければ生きていくことも増えることもできないため、増殖速度が非常に遅いという特徴に起因しています。

梅毒検査もありますが、6週間を超えなければ陽性反応が出ないということですので、裏を返せば、第一期で発見できるという人は「身に覚えのある人」ということになります。

 

梅毒の症状は?梅毒性脱毛症は第二期!

梅毒を疑い病院を受診した際に医師が診る判断基準は第一期から第四期までありますが、第一期や第二期の段階では抗生物質で梅毒トレポネーマを抑えることができるため、先進国においては第三期や第四期のような治療が困難な状態になることはほとんどなく、ましてや、死亡するようなことは珍しいそうです。

梅毒の症状

  • 第一期:感染してから3週間から3ヶ月で、感染した箇所にしこりができますが、痛みを伴うことはありません。また、感染した際に傷があると傷の数だけしこりができることになります。
  • 第二期:感染してから3ヶ月から3年で、梅毒トレポネーマが血液にのって全身の広がり、全身のリンパ節が腫れる状態になります。このときに、バラ疹といって紅い発疹が全身に現れますが、手のひらや足裏に多いということですが顔や側頭部にも広がり、抜け毛につながるのが梅毒性脱毛症と呼ばれる現象です。
  • 第三期:感染してから3年から10年で、筋肉や骨などにゴム腫と呼ばれる腫瘍ができますが、顔面にできると顔面の変形にともなって鼻が無くなったように見えることもあることから、梅毒になると「鼻が落ちる」と呼ばれたようです。
  • 第四期:感染してから10年以上で、体中の臓器で腫瘍が発生するとともに、脳や脊髄までも侵されるようになります。

医療が発達した現代では、第三期や第四期のような末期症状まで進行すること自体が珍しく、第一期のしこりが出た時点で病院を受診すれば、抗生物質の投与によって治療することができます。

参照元:ウィッキペディア 梅毒
https://ja.wikipedia.org/wiki/梅毒

梅毒が原因の抜け毛は第二期ということですが、ほとんどの場合、そこまで行く前に病院を受診することになるのでは・・・?
梅毒トレポネーマの増殖速度が遅く一つ一つの症状に至るのに時間がかかるので、不特定の方との性行為で感染した時には病院を受診することもあるかもしれませんが、キスや風俗店などで感染した場合気付かないということもあるかもしれません
母子感染となると親がよく観察していないと分からないかもしれませんね
バラ疹という紅い発疹が出だして初めて気づくようなケースでは、全身症状ですので梅毒性脱毛症に至る人もいるのかもしれません

 

梅毒性脱毛症はどんな症状?円形脱毛症と似ている?

梅毒性脱毛症が発症している場合、直径にして3㎜から5㎜程度の円形脱毛症が側頭部に多発します。
リンパ節の炎症が全身に広がっていることで起こるバラ疹という紅い発疹に伴い、その近辺の毛根が炎症反応によって育毛できなくなる状態です。

円形脱毛症が10円ハゲと呼ばれることからも分かるように、梅毒性脱毛症では円形脱毛症と比べて小さな範囲の脱毛が多発しているというのが特徴的です。
しかも、よく見ると、脱毛部分の地肌を見ると紅い発疹が確認できると思われます。

実際のところ、梅毒性脱毛症が発症しているということは第二期ですので、顔や背中はもちろん、よく出ると言われる手のひらや足の裏に発疹が発生していると思われ、そちらの方から発見されることの方が多いのかもしれません。

それはそうですね。直接見ることのできない脱毛よりも、直接見ることができる手のひらや足の裏の方が発見しやすいですよね
そうかもしれませんが、発疹は特に治療しなくても、一か月もすれば消失するということですので、ずぼらな医者嫌いというひとは、梅毒性脱毛症まで気が付かないということもあるのかもしれません
どちらにしても、梅毒性脱毛症は末期症状に入る一歩手前のラストチャンスと心得ておいた方が良いということですね
梅毒の他の症状も同時にいくつか起こることも多く、それらが見られたらすぐに病院に行きましょう

 

梅毒性脱毛症の治療方法!

梅毒性脱毛を改善するためにも、とにかく、まず梅毒を改善することが先決となります。

そのためには梅毒治療に効果が高いと言われているペニシリン剤を1日500mg3回の内服を行います。
ペニシリンアレルギーの人には塩酸ミノサイクリンを100mg2回の内服とします。

第1期なら1ヶ月程度、第2期なら2ヶ月程度、第3期なら4ヶ月程度かかります。

治療中にはできるだけ刺激のあるシャンプー剤などを避け、ナチュラルなものにして頭皮ケアをして病気が治るのを待ちましょう。

梅毒性脱毛症は梅毒を治療すれば治るということですが、梅毒の治療そのものも抗生物質投与だけで良いということならば、発見さえ早ければ簡単そうですね
病気は何でも同じですが、早期発見、早期治療が大切です。恥ずかしいからとか医者が苦手だからと言いた理由で治療が遅れると大変なことになりかねません