老化の遅延は白髪もハゲも予防、或いは進行を遅らせることもできると考えられます。

 

「最近、白髪が増えちゃって。年かなあ」

「ボクの場合、白髪はないけど、ハゲてきそうでやばいんだよ」

「ハゲるのも嫌だよね」

「うん。白髪とハゲ、どっちも嫌だけど、白髪のほうがまだいいさ。染めりゃあ、隠せる。ハゲを隠すにはめちゃお金がかかる」

「まあな、カツラには見えないようなカツラってバカ高い」

「うん。ハゲの進行を少しでも遅らせようと育毛剤を使っているんだけど、これもすっげえ高いんだよ。

それに比べりゃ、白髪染めはまだ安いよ」

「でも、白髪だけでは終わらず、そのうちハゲにもなったりしたらWパンチで辛いなあ」

「大丈夫、白髪になる人はハゲないらしいから」

 

白髪になる人ははげないと、よく言います。どうせなるんだったら、白髪と薄毛のどっちがいいかなんて友達と話したことがある人もおられることでしょう。

残念ながら、白髪と薄毛が同時に進行することはあります。どちらも老化現象の一つです。

ただ、老化の出現の仕方に個人差があるように、白髪や薄毛がどちらか一方の人、両方の人、様々です。

白髪と薄毛になる成り立ちは全く違いますが、どちらも老化現象であることを考えると、白髪や薄毛になる原因も自然と似通ってきます。

白髪と薄毛の成り立ちは違うけれど……

白髪と薄毛の成り立ちは異なる点が多いのですが、そうなる原因はほとんど同じで、老化、病気、ストレス、栄養状態などが絡み合って白髪や薄毛が出現します。

先ずは、白髪と薄毛の成り立ちを説明いたします。

 

白髪はメラニンのない髪のこと

毛髪は毛乳頭から栄養を供給した毛母細胞が分裂(増殖)することで作られていくのですが、この段階の毛髪の色は「白」です。つまり、メラニン色素が無い状態ということです。

この白色から遺伝情報によって、黒とかブロンズ色とか金色などの色がついてきます。

毛母細胞の中に混じっているメラノサイトという色素細胞からメラニン色素が作られ、白い毛髪に色をつけていくわけです。

日本人であれば、毛髪が黒っぽくなります。

メラノサイトからメラニンを作るためにはチロシナーゼという酵素が必要になるのですが、加齢や病気などが原因でチロシナーゼの活性が低下し、メラニンの量が減少していくため、白髪が増えていくわけです。

老化と白髪の関係

老化の原因に活性酸素という体に有毒な物質の増加が関係してます活性酸素の仲間に過酸化水素という物質が存在しています。

この過酸化水素は若く健康な体であれば酵素などによってどんどん分解されていくのですが、老化の進行などによって酵素が減少し、その結果、体内に過酸化水素が貯留し始めます。

この貯留した過酸化水素は前述したチロシナーゼを壊すため、メラニンが形成されなくなります。

殺菌消毒剤にオキシドールがありますが、これは過酸化水素水です。

オキシドールには漂白作用があると言われているのは、この過酸化水素の働きによるものです。

その他、成長ホルモンの分泌低下、栄養不足、ストレスなども白髪の原因によく挙げられています。

 

これから薄毛の成り立ちを説明しますが、成り立ちこそ違うけれど、薄毛になりやすい原因は白髪のそれとほとんど差が無いことがお分かりになると思います。

 

薄毛は毛母細胞の分裂低下

毛髪の一生をヘアサイクルといい、その一生は大きく3つに分けることができます。

・休止期

・成長期

・退行期

 薄毛になるということは、成長期が健康な毛髪よりも短期間であるという証拠になります。

それは、何らかの原因で毛母細胞の分裂が低下して、正常で健康的な毛髪の形成が困難になってしまったことを意味します。

そのため、毛包がしっかりと成長できず、小さいままで頭皮からの脱落し、早く休止期に入ってしまいます。

 

薄毛の原因である毛母細胞が分裂低下する原因は白髪になる原因と同じ

薄毛から脱毛にまで一気に進行させてしまうAGA(男性型脱毛症)は、老化が原因です

男性ホルモンの低下は30歳過ぎる頃にはもう始まっています。これも老化と呼ぶには早い年齢ではありますが、老化の一つです。

男性ホルモンが減ると、その不足分を補うためにDHTというAGA誘因最大物質の男性ホルモンが増えてきますが、DHTも毛母細胞の分裂を低下させます。

他にも毛母細胞の分裂を低下させる原因として、成長ホルモンの減少、ストレス、栄養不足など、前述した白髪になりやすい原因とほぼ同じと考えていいかと思います、。

 

非常に雑に説明してしまいましたが、白髪と薄毛の成り立ちは全く別物だけど白髪や薄毛になる原因は非常に似ているということは理解していただけたのではと思います。

 

次に、薄毛であっても白髪になり、その逆もあるということを、最新の研究発表を用いて説明いたします。

 

薄毛と白髪は同時に起こることがある

「白髪の人はハゲない」「薄毛の人は白髪になりにくい」とよく語られて、医学的な根拠のないところで大手を振って一人歩きしていました。

東京医科歯科大学の西村栄美教授の研究グループが、「17型コラーゲンが無ければ、白髪と薄毛は同時に起こる」ということを解明しました。

老化によって17型コラーゲンが減少すると、毛包幹細胞も作られなくなります。

従って、毛包は小さくなり、毛母細胞の分裂は低下し、しっかりとした毛髪を作ることが困難になり、ますます、薄毛は進行します。

同時に、毛包幹細胞の減少はその近くに存在する色素幹細胞維持もできなくなります

そのため、メラニンが作られなくなり、加齢と共に白髪が増えるということになり、同時に薄毛も進行するという理論になるわけです。

 

17型コラーゲンは性別に関係なく

男性ホルモンが関与するAGAは男性も女性もなると言われてはいますが、男性ホルモンを女性よりもはるかにもっている男性のほうが明らかに発症率が高いことはよく知られています。

しかし、17型コラーゲンは性別に関係なく、平等に存在しています。

従って、老化によって17型コラーゲンが減少する場合も、AGAと同じ作用機序である毛包のミニチュア化によって薄毛を進行させているということになります

毛包のミニチュア化はそれまではAGAに特化した現象と考えられていたようでしたが、老化によって17型コラーゲンが減少して薄毛が進行する場合も、毛包のミニチュア化が起こるということです。

 

参考URL: 「歳をとると毛が薄くなる仕組みを解明」【西村栄美 教授】

http://www.tmd.ac.jp/press-release/20160205/

 

薄毛の予防は白髪予防になり、その逆もある

ヒトには体質、遺伝などによる差異があるので、共通事項でくくるのは難しいものです。

運悪く薄毛と白髪、両方の人もいれば、どちらか一方のみの人、薄毛にも白髪にもならないラッキーな人もいます。

薄毛や白髪は、老化現象であることは間違いありません。

現代社会は老化を促進させるものがあまりにもたくさん存在しています。

紫外線・生活習慣の乱れ・ストレス・暴飲暴食・喫煙などなど……。

17型コラーゲンを用いて、薄毛と白髪は同時に起こりうるということを説明してみました。

そして、17型コラーゲンが減少しないようにすることが、薄毛と白髪の同時進行を抑えるということもわかりました。

残念ながら、まだ、17型コラーゲンを増やす方法はよくわかっておらず、減らさないようにすることが重要と言われています。

17型コラーゲンは加齢で減少します。そのため、老化を予防する、アンチエイジング効果が期待できる方法が有効ということになります。

要するに、良質な育毛剤をはじめとするヘアケア製品やサプリメントで育毛効果を狙ったり、生活習慣を改めるなどという実践が、薄毛と白髪の進行を同時にくい止めているということになりそうですね。