脱毛・薄毛には色々な要因があり、それがいくつか重なって起こることがほとんどです。

その中で不衛生によって発症する脱毛・薄毛があり「脂漏性湿疹」と呼ばれています。

まず脂漏性湿疹についてどういう疾患なのか、原因や症状、改善法などを考えていきたいと思います。

脂漏性湿疹とは?

脂漏性湿疹とは、皮脂が多く分泌することで毛穴を塞いでしまい、そこから毛根に炎症をもたらすことで毛が抜ける症状です。

脂漏性というネーミングから、大量の皮脂が毛穴を塞いでしまうことで脱毛すると考えられがちです。

しかし実際には皮脂で塞がった毛穴で常在菌が異常増殖してしまうために、免疫力の影響で炎症が起こります。

もう少し専門的に説明します。

「脂漏性脱毛症」の原因は、「脂漏性皮膚炎」です。

脂漏性皮膚炎は、皮脂が過剰に分泌されたり、皮脂の洗浄が不十分である場合に、それを餌としている「マラセチア(真菌)」が異常増殖します。

マラセチアは皮脂を分解して「遊離脂肪酸」という物質を作り出します。この物質は刺激が強く、皮膚に炎症を起こします。これが脂漏性皮膚炎です。

脂漏性皮膚炎による頭皮の炎症が拡大することで、抜け毛を促してしまうのです。皮脂の分泌に関しては、「男性ホルモン」が深く関わってきます。そのため、女性よりも男性の罹患率が高い病気です。

しかし、皮脂の分泌には生活習慣なども関わってくるため、女性でも罹患する人はいます。ただし、脂漏性脱毛症の罹患者自体が少なく、脱毛症に悩む人の約1%ほどであると言われています。

また、脱毛になる前の段階の男性はいわゆる脂性や頭皮ニキビなどと言われたりもします。

 

脂漏性湿疹の症状

脂漏性湿疹になると、皮脂を取ってもまた皮脂が分泌されてしまいます。

そのために皮脂で頭皮はいつもベタベタしていて、肉眼でも皮脂が毛穴を塞いでいるのが分かるほどです。ひどくなると毛穴の炎症は広範囲にわたってひどくなり、痛みや痒みなどもひどくなっていきます。

ただ、脂漏性脱毛症では、AGAのように特定の部位が薄毛になることはありません。炎症を起こしている部位を中心にして脱毛が進みます。

脂漏性皮膚炎の初期症状として、かゆみを伴います。また、肌触りがカサカサします。症状が進行するにつれてフケやかさぶたを生じるようになります。

さらに症状が進むと、炎症を起こしている頭皮から黄色っぽい液体がにじむようになり、最終的に薄毛を促す状態になります。

また、フケの発生による外観の悪さから精神的なダメージを受ける人も多いです。特に女性の場合は過剰なストレスになることが多いので注意が必要です。

 

脂漏性湿疹の原因

原因は、栄養やホルモンバランスの乱れや、過度なストレスなどが当てはまります。

また長年使っているアルコール系のシャンプー剤などによる皮脂分泌異常なども、引き金になっていると言われています。

合成界面活性剤などで皮脂を無理やり取ることで、皮膚はより多くの皮脂を出そうとしてしまいます。

そして皮脂分泌調整がまったくできない状態になると、皮脂異常分泌になってしまうのです。

 

同時に起こりやすい「粃糠性脱毛症」

脂漏性脱毛症と同時に起こりやすい脱毛症としては「粃糠性皮膚炎」が挙げられます。

先ほど、脂漏性皮膚炎の症状として「フケ」が発生すると挙げました。

このフケが毛穴につまり、皮脂が毛穴の中で詰まって炎症を起こすことで脱毛を促すのが粃糠性脱毛症です。

 

脂漏性脱毛症の治療

脂漏性脱毛症は、原因となる脂漏性皮膚炎を解消することでその進行を止めることができます。

脂漏性皮膚炎が疑われる場合には皮膚科を受診しましょう。

脂漏性皮膚炎も炎症の一種なので、抗炎症作用のあるステロイドや、脂漏性皮膚炎の原因であるマラセチアを駆除する抗真菌薬を用います。

脱毛の原因が体の内側にある脱毛症とは異なり、体の外側での炎症が原因なので、比較的容易に脱毛の進行を止めることができます。

しかし、脂漏性皮膚炎の根本の原因である「皮脂の過剰分泌」を止める必要があります。

 

脂漏性皮膚炎の対策

食生活の改善

まず、生活習慣を見直す必要があります。適度な運動や脂分を避けた食生活など、皮脂の分泌量を抑える対策を講じます。

ビタミンB群を多く摂取するために、緑黄野菜、魚介類、大豆製品を意識的に摂り、脂肪の多い肉やスナック菓子などを避けるようにしましょう。

またキノコや野菜などの植物繊維を十分摂るという野菜中心の食生活の切り替えを心掛けたいものです。刺激物、タバコ、過度のアルコールなどを避けることも重要なこととなります。

 

洗髪方法の改善

頭皮の炎症や皮脂異常分泌がある程度静まるまでは、アルコール系のシャンプー剤などを避けて、刺激の極力少ないものを使いましょう。

例えばアトピー用のものなどで、無理にゴシゴシせずにシャンプーします。

頭皮の常在菌の異常増加を防ぐためにも、きちんとしたシャンプーが必要です。

しかし、何回もシャンプーを行うと、ますます皮脂異常リスクが高まるので注意しましょう。

 

まとめ

脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌による脂漏性皮膚炎が原因で起こる脱毛症です。

皮脂が過剰分泌されることで皮脂を餌としているマラセチアが増殖し、遊離脂肪酸を作り出すことで頭皮に刺激を与え、炎症を起こしてしまいます。

脂漏性皮膚炎はかゆみを伴い、症状の進行に伴ってフケやかさぶたが発生します。

フケの発生による粃糠性脱毛症を併発する可能性があります。

治療においては炎症を抑えるステロイドやマラセチアを駆除する抗真菌薬を用います。

日頃から適度な運動や脂分を避けた食生活を送ることで皮脂の分泌を抑え、脂漏性脱毛症を予防することができます。