以前、こちらのサイトでもご紹介させていただいたことがある、発毛・育毛に欠かせない重要な物質「17型コラーゲン」のお話を少ししてみます。
バルジ領域のことを理解するのにふさわしいテーマだと思います。

バルジ領域は毛根(頭皮の下側)の中央に少し膨らんだ部位に存在し、 ここには発毛因子を含んだ毛包幹細胞、髪の色を決める色素幹細胞があります。

この発毛の常識を覆すバルジ領域が発見されたのは、2000年前後の頃のことで、これからもバルジ領域の謎の部分がどんどん、解明されていくことでしょう。

このバルジ領域の出現で、脱毛産業も育毛産業も変換期に突入というには大げさすぎるでしょうか?
まっ、どちらにしてもバルジ領域の発見がいかにすばらしいことかをもちろん、脱毛産業ではなく、育毛産業のほうから探っていきましょう。

髪の毛に重要な17型コラーゲンはバルジ領域にある

17型コラーゲンは、老化の促進で減少する物質です。

東京医科歯科大学の西村栄美教授の研究チームが、「17型コラーゲンが減少すると、脱毛や白髪が増える」と発表しました。

髪の毛にとって非常に大切な17型コラーゲンは、前述したバルジ領域に存在する毛包幹細胞の中にあります。

また、髪の色を決める色素幹細胞もバジル領域の中にあります。

毛包幹細胞はTGFシグナルを介して色素幹細胞を維持するため、毛包幹細胞にある17型コラーゲンの減少は脱毛、白髪の誘因となります。

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コラーゲンと加齢による薄毛の新たな情報

 

参照URL:慶応義塾大学グローバルCCEプログラム「毛包幹細胞、色素幹細胞の維持」
http://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2011/20110624_01.html

 

発毛・育毛は毛母細胞以上にバジル領域の活性化が重要

今までは、血管から運ばれてきた栄養を毛乳頭が受け取り毛母細胞に供給され、その栄養を糧に毛母細胞は激しく分裂(増殖)し、発毛が行なわれるということでした。

この過程は今でも変わりはないのですが、バルジ領域の発見により毛母細胞ができるまでのこと(休止期)を解明することができたわけです。

バルジ領域の発見によって、毛母細胞の源はバルジ領域にある毛包幹細胞で作られることがわかりました。

毛包幹細胞で作られた毛母細胞の源は、毛乳頭細胞に運ばれます。

運ばれた毛母細胞の源は毛乳頭細胞から栄養の供給を受け、細胞分裂を繰り返し、やがては髪の毛となって頭皮の上へと押し上げられていきます。

毛母細胞の源がバルジ領域の毛包幹細胞で作られるということは、今までのように毛乳頭細胞や毛母細胞だけに注目するのではなく、その手前の段階、バルジ領域で行われていることに注目することも大切になってきました。

そのことは前述したバルジ領域にある17型コラーゲンの発見などの例から考えてもわかることですね。

では、次にバジル領域の発見がいかに重要でこれからの薄毛対策に役だつかということを、脱毛サロンなどの「脱毛産業」面から考えていきます。

脱毛サロンは逸早く発見されたバルジ領域を活用し、商業化しています。脱毛と発毛は表裏の関係です。

脱毛サロンがどのように「バルジ領域の発見」をうまく取り込んで脱毛の施術を行っているかを知ることは、発毛の仕組みを理解できるとともに、発毛・育毛産業のこれからの動向を見極めるのに役立つはずです。

 

最新脱毛サロンからバルジ領域活用法を学ぼう

すね毛などの処理、脱毛は、「バルジ領域を壊す」ことになります。

脱毛は発毛の逆ですから、発毛の毛母細胞の源が存在するバルジ領域を壊すことで脱毛を行います。

バルジ領域が発見されるまでは、脱毛サロンも毛乳頭や毛母細胞を壊すことで脱毛を行ってきました。

今までの脱毛法

今までは、毛根の中央にあるバルジ領域よりも頭皮から遠い毛乳頭細胞などにレーザーを照射して、それらの細胞をレーザーの熱で破壊していました。

しかし、レーザーから出る熱は黒毛に反応するので、黒い、つまり成長期の毛にしか効果がありませんでした。

従って、ヘアサイクル(成長期・退行期・休止期)に合わせて、5回照射することで、全ての毛に対しての脱毛が終了します。

 

バルジ領域を壊す方法

毛乳頭などよりも頭皮(表皮)に近い部位にあるバルジ領域を破壊することで、毛の生成を阻止します。

この方法であれば、ヘアサイクルに関与する前の発毛源が存在するバルジ領域を壊すため、理論的には、毛の成長に合わせて何度も照射する必要はないということになります。

 

現在はまだ理論通りにはいかない

黒いメラニン色素に関係なくバルジ領域を壊す機器であれば、理論通りに行うことが可能です。
しかし、現在では、まだそのような機器は開発されていません。

そのため、バルジ領域を壊す脱毛器も、従来通りに黒髪を狙って照射するという方法が取られています。
当然ですが、白髪や金髪には行えないということになります。

将来、このデメリットも解決できるときがくるかもしれませんが、白髪や金髪には行えないということになります。……。

参照URL:ケナシー「バルジ領域を破壊する!?新しい脱毛法」
https://www.kenasiii.com/923

このような方法で脱毛が可能ならば、発毛・育毛は「バルジ領域の保護・活性化」で実現できると誰もが考えます。

ただ、残念なことに、現在の段階では、前述した17型コラーゲンを人工的に合成するのは難しいと考えられています。

発見者の西村栄美教授研究チームは、17型コラーゲンが減らないような治療薬の開発を目指して研究されておられるとのことです。

最近のネットでは「バルジ領域」に人気が集中しているような気がします。確かにバルジ領域の発見はまさに画期的なことです。

しかし、今まで語られてきた毛乳頭細胞の存在も忘れてはいけません。

そこで、非常に興味ぶかい論文「毛成長誘導の主役は毛乳頭細?毛包幹細胞?」を見つけました。

結論的にはどっちも重要ということで、私たちも納得です。

参照URL:第74回日本皮膚科学会東京支部学術大会①会長講演
「毛成長誘導の主役は毛乳頭細胞?毛包幹細胞?」
北里大学 皮膚科教授勝岡 憲生

https://www.worldfizz.com/octapeptide-2/

 

バルジ領域を活性化させる育毛剤はある?

ザ・スカルプ5.0Cディーパー3Dに「オクタペプチド2」という物質が入っています。

これらの育毛剤の公式サイトに、この物質がバルジ領域にアプローチしてバルジ領域に存在する毛包幹細胞を活性化すると掲載されています。

ヘアサイクルの休止期にバルジ領域の毛包幹細胞が活性化され、髪の毛となる毛母細胞の源が生成され増殖することになります。

もし、ザ・スカルプ5.0Cとディーパー3Dにバルジ領域に働きかけられるほどの濃度のオクタペプチド2が入っているのであれば、育毛というより発毛効果のサポートも可能でしょう。

物質の濃度は非常に重要で、とにかく入っていれば、効果があるというものではありません。

もし、本当にオクタペプチド2はバルジ領域にアプローチできる効能をもち充分な濃度を保っているのであれば、発毛だけでなく白髪予防にも期待できます。

なぜなら、バルジ領域には髪の色に関与する色素幹細胞も存在しているからです。

参照URL:ザ・スカルプ5.0c公式サイト
http://thescalp.jp/

 

まとめ

バルジ領域の発見によって画期的に進化した発毛・育毛の領域について以下の内容で解説してきました。

この記事のポイント
  • バルジ領域の発見は発毛・脱毛メカニズムのさらなる解明に貢献
  • あの17型コラーゲンもバルジ領域に存在
  • バルジ領域発見を活かした脱毛サロンから学ぼう
  • 毛乳頭細胞と毛包幹細胞、どっちも重要
  • バジル領域を活性化する物質が育毛剤にも入っている!

近年、急激に毛髪科学は前進しており、 バルジ領域の発見で「毛」を扱う産業にも大きな変換期が訪れました。

「変われないものは滅びる」ではないですが、次々に発表される専門家たちの精魂のこもった研究についていけるよう、頭を常に柔らかくしていたいものです。