M-プランテルについて調べるため、あちこちのサイトを見ていたら、「リアップX5はM字ハゲに効果なし」といった記事が、非常に多かったのにちょっと驚きました。

日本だけでなく、世界でも発毛効果が認められているミノキシジル製剤だけに何かと、良いにつけ悪いにつけ、注目の的になってしまうことは、それだけ育毛剤として気になる存在ということで、製造元である大正製薬は悪い気はしていないでしょう。

それよりも常に名前が出続けるため、お金のかからない宣伝とでも考えておられるに違いありません。

リアップX5に限らず、互いの育毛剤のデメリットをつつきあっているサイトが非常に目に付きます。その辺りはある程度は自由であっていいと思うし、それがいい意味での挑発になって、さらに良質な育毛剤への生産につながってほしいなとも思います。

はっきり言って、AGA治療ガイドライン№1のミノキシジルやフィナステリドでもまだまだ、著効というところまではいっていません。効果が無かったという人もたくさん、おられます。

それぞれの育毛剤の公式サイトでは○●%の効果があったとよく公表されていますが、これに似たような評価で効果を公表する薬剤があります。

それは抗がん剤です。

抗がん剤の評価の仕方を全くまねするのがいいとは思っていませんが、評価に対する考え方が随分、参考になると思います。

参考になると考えられるか所を説明いたします。

抗がん剤の評価方法と評価に対する考え方

抗がん剤の治療効果を示すのに、「奏効率」という言葉があります。寛解率というときもあります。

例えば奏効率○●%と言えば、がんが100%消失(完全奏功)、またはがんが消えはしないけれど、縮小した場合(部分奏功)が○●%ということを示唆しています。

この「がんの消失」は○●%の人が治ったというのではありません。つまり、奏効率=治癒・完治率ではないのです。先に奏効率は寛解率ともいうと書きましたが、寛解とは臨床的に診て健康体に近い状態のことで、寛解期とはその期間のことをいいます。

従って、治癒とか完治は寛解の先にあるものであるということができます。

 

奏効率○●%は4週間以上、消失が続いたかどうかの評価

抗がん剤を投与して画像診断で、がんが100%消失した状態が4週間以上、続くと、完全奏功といい、がんが元の大きさの半分以下に縮小が画面で認められ、それが4週間以上続いた場合を部分奏功というように決められています。

従って、4週間過ぎてから再び、がんが画像に出現したり、肥大化することがあっても一応、その抗がん剤がもたらしたがん消失効果は、あったと評価されるわけです。

 

画面からがんが消失しても治ったとは言えない理由

よく完全奏功と医師から告げられると、治ったと勘違いされることが多くあります。

超音波、X線、CTなどの画像に映らない、つまり肉眼でみることができないだけで。医師たちは目に見えないほどの小さながんまで消失されたとは考えていません。

その証拠にがんがいったん、画面から消えても再び出てくるケースもよくあります。

例えば、抗がん剤の投与で5週間、部分奏功、完全奏功の状態が続いた後、がんの肥大化が始まり、数カ月後、死亡したとしても、健康に近い状態が5週間続いたということを評価し、この治療は有効だった、延命効果があったと判定されます。

 

抗がん剤の評価方法から見えてくる育毛剤に対する評価の考え方

育毛剤のヘアサイクルを考えると、抗がん剤のように4週間での評価は難しく、リアップの臨床データを見ると、52週という長期間のデータが報告されています。

これを抗がん剤の評価流に考えてみます。

育毛剤の評価に決められた規準はありませんが、52週間以上は効果があったけれど、数カ月後には効果が消失して、薄毛が進行したとしましょう。

この場合、抗がん剤の評価に合わせて考えてみると、数カ月後には再び、薄毛が進行し始めたとしても、52週間は薄毛の進行は止まる、あるいは増毛が見られた、髪の毛が太くなったなどの効果があったわけなので、この育毛剤は薄毛改善に「有効」と考えます。

ただ、抗がん剤のように一定の期間、良い状態が続いたら、この抗がん剤治療は有効であったという評価判定が育毛剤にはありません。

そのようなこともあって、育毛剤にどこまでを求めていいかわからないし、どのあたりで薄毛改善とみなすかという評価もそれぞれの育毛剤を開発したメーカーによって異なります。

このあたりの足並みも抗がん剤のように揃えることができると、育毛剤もわかりやすくなって、購入者も自分にあった育毛剤を選択しやすくなるものと考えます。

 

進化し続ける抗がん剤開発に負けていない育毛剤研究開発

今までの抗がん剤は臓器別にありました。

しかし、医学の進歩で、遺伝子別に抗がん剤が選択できるようになり、臓器別であったときよりもよりがんの消失、縮小率が向上し、副作用も抑えられるようになりました。

つまり、肺がんの患者さんのがん遺伝子を抑えるのに、甲状腺がんに使用されていた抗がん剤が効果的ということが検査でわかるようになったわけです。

育毛剤の研究開発も日進月歩の勢いで、進化しています。また、もうすぐ、資生堂を初め東京医科大学や慶応大学などの研究成果が実った毛髪再生医療が始まります。

今まではAGA治療に対してこのような前向きさはありませんでした。しかし、現在は抗がん剤の開発レベルと変わらないところでAGA、薄毛治療も行われているということなのです。

 

育毛剤の評価について考える

現在の日本で最も効果的なAGA治療薬は、AGA診療ガイドラインが、一番に推奨しているフィナステリドとミノキシジルと考えられています。

そのため、これらの物質が育毛剤に入っていたり、内服薬に入っていたりすると、もうそれだけで当然、評価が上がります。

育毛剤関連サイトは、「ミノキシジルはM字はげに効果がない」と、他にもたくさんの育毛成分があるにも関わらず、ミノキシジルに対して指摘、攻撃しています。

その原因はAGAの原因である男性ホルモンに直接、影響を及ぼす物質ではないということも関係しているのかもしれません。

しかし、それ以上にミノキシジルが非常に、一番といっていいかもしれませんが、気になり、比較したい物質であり、読み手を引き付ける文字なんですね、ミノキシジルは。

ミノキシジルを出すことで、読む人も増えるという計算もあるのではと思われます。

でも、逆を言えば、ミノキシジルが推奨度№1と位置づけられているので規準になりやすいということもあります。ミノキシジルよりは効果が上か下かというふうに……。非常に評価、また判断しやすいですよね。

毛髪科学は20年以上前までは、皮膚科の中でも研究が遅れている分野でしたが、現在の毛髪科学は日進月歩以上の勢いで研究が進んでいます。それでも、まだまだ未明な部分があるといわれています。

このあたりは、まさに抗がん剤の研究と同じではないでしょうか?

抗がん剤を使用した治療法はどんどん改良され、治療の苦痛も軽減しながら、がんを封じ込むという路線にまっしぐら進んでいます。

なのに、素晴らしい治療法もむなしく、やがて再発してしまうことが、未だに現在でも起きています。

AGAについても、今まではAGA治療薬というものがなかったところに、フィナステリド、ミノキシジルがAGA治療薬として初めて登場、公認されるという大前進がありました。

しかし、それでも著効するかどうかとなると、著効なんてまだまだ先のような話と、別に専門家でなくても予想している人は多いと思います。

 

抗がん剤治療効果のように、期間と条件を同じにして育毛剤を比較してみよう

抗がん剤の効果は、がんを抑え込む力を完全治癒ではなく、主にがんの消失期間で評価しています。

一定期間、がんが消失し、その期間を超えてがんが再出没してきたとしても、がんが消えていた期間の長さを評価するような方法を育毛剤の評価にも取入れるといいのではと考えます。

 

育毛剤の場合で効果をきちんと見届けるには、ヘアサイクルを加味すると、半年~一年の間に毛髪がどのように変化するかを見ていく必要があります。

例えば、ある育毛剤を一年間使用している間に①増毛、②増毛はしないが、薄毛にもならない、③薄毛進行などと、自分がやりやすいように分類します。もう一度言いますが、一年だけの評価を見ます。一年の間に副作用もなく①か②の状態になり、一年以上使用している間にたとえ効果が薄れても、薄毛進行が一年は遅らせることができたわけなので、一応「有効」とします。③であれば、使用した育毛剤は自分にとっては効果のない育毛剤と判断する……このように期間を区切って様子を見るというのでなければ、、効果があるのかどうかわかりづらいと思います。

 

まとめ

育毛剤も抗がん剤のように効き方に個体差があります。

ただ、育毛剤の比較であれば、抗がん剤と違って自分で気軽にできます。

また、育毛剤の比較と言っても数本でやる場合もあるでしょうが、一本でも色々、使用条件などを変えることでその育毛剤の効き方の評価が可能です。

怖い抗がん剤と比べるなんてと感じられたと思いますが、現在の科学ではまだ、はっきりと効果が出るかわからないものの使用は、副作用や期待外れ感が非常にモチベーションを下げてしまうことが多いものです。従って、それが育毛剤であれば、副作用が無ければ、とにかく、半年、あるいは一年と期間を区切ってやってみると、前向きにやりやすくなります。