ノコギリヤシは薄毛改善効果がある、副作用の多いプロペシアを飲むくらいなら、ノコギリヤシを飲んだほうがマシというような諸説が、特にネット上に飛び交っています。しかし、厚生労働省はノコギリヤシと毛髪の関係についての言及は一切していません。前立腺肥大症の症状改善に対しては「効果なし」としています。

その一方でノコギリヤシの薄毛改善説を唱える専門医もいます。

このようにノコギリヤシの効果に対する専門家たちの揺らぎは、ユーザーさんたちに不安と混乱を与えてしまっています。

国立・栄養研究所が出す「健康食品の安全性・有効性情報」にはノコギリヤシの詳細がかなり多く記載されていますが、前立腺に関する情報は非常に多いのに、毛髪に関する情報は皆無です。

そこで、ノコギリヤシと同じように薄毛改善効果があることで有名な亜鉛を「健康食品の安全性・有効性情報」で調べてみました。

すると「脱毛症の治療には、効果がないことが示唆されている(引用文)」と記載されているのです。

ちょっと、ショックですよね。亜鉛は育毛効果のあるミネラルの筆頭のような存在でしたから。

だけど、ノコギリヤシには、亜鉛のような脱毛症の治療に効果がないという記載がないのです。

皆さんならノコギリヤシと亜鉛のこのような差をどのように感じますか?

私は、亜鉛は脱毛予防効果があると世間では言われているけれど、効果はない、また、他でいわれているノコギリヤシの脱毛予防効果のことは国立・栄養研究所にまで届いていないから記載もないというふうに考えました。

要するに国立・栄養研究所から見た場合、亜鉛もノコギリヤシも脱毛予防効果はないということなんですね。

厚生労働省は頻尿などの症状も改善しないとしている

前述した安全情報では前立腺肥大の諸症状の改善ありという見解ですが、厚生労働省が発表した記事には、前立腺肥大の諸症状の改善効果もないとしています

参照URL:厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』 「統合医療」情報発信サイト Information site for evidence-based Japanese Integrative Medicine(eJIM)

「ノコギリヤシ」

http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/41.html

 

参照URL:国立栄養研究所・健康食品の安全性・有効性情報「健康食品の素材情報データベース」

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail70.html

(ノコギリヤシ)

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail36.html

(亜鉛)

亜鉛やノコギリヤシの単独サプリメントが、コンビニや100均などでも売られています。

しかし、そこには決して薄毛改善とか脱毛予防とか書くことができません。

それでもノコギリヤシは脱毛効果がありと考える人は、「夜間の頻尿に」と書かれたノコギリヤシのサプリメントを購入していることがあちこちのネットでもよくわかります。

サプリメントですから、前立腺肥大症の諸症状を改善しても前立腺肥大症治療薬とは書けないので、「水分をとると夜に何度も……(小林製薬)」と。薬機法にひっからないようにうまく書かれています。

尿とは書いていなくても尿のことをいっていると……。

数が少ないですが、ノコギリヤシは脱毛効果が無いとしているサイトもあります。

では、ノコギリヤシが何故、巷では、脱毛効果があると言われているのでしょうか?

それは、日本初のAGA治療薬であるプロペシアと同じ働きがあるということが原因です。

 

ノコギリヤシとプロペシアは同じ働きをするけれど……

日本初のAGA治療薬のプロペシアの成分は、フィナステリド。まずは、フィナステリドの働きをわかりやすく説明しましょう。

フィナステリドが脱毛を防止する理由

脱毛、薄毛進行などの原因は色々ありますが、フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)の脱毛防止に効果的です。

男性ホルモンのテストステロンが5α-リダクターゼの作用で、DHT(ジヒドロテストステロン)に変わります。このDHTが男性ホルモン受容体に結合すると、髪の毛が細くなり、抜けていきます。

フィナステリドは5αーリダクターゼの働きを抑え、AGA誘因最大物質のDHTが作られないようにすることで、脱毛を予防します。

ノコギリヤシもこのような働きをすると言われています。

 

当然、医薬品のプロペシアのほうが脱毛予防効果が高い

ノコギリヤシはサプリメントで、あくまでも食品です。

一方、プロペシアは医薬品です。もし、ノコギリヤシがプロペシアと同等の効果があるというエビデンスがあれば、ノコギリヤシがサプリメントのままでとどまるはずはありません。当然、医薬品に格上げされます。

元はサプリメントであり、エビデンスなどが得られ、医薬品に格上げされてサプリメントがあります。

それは血液をサラサラにするといわる魚油のEPA,.DHAです。

エパデール、ロトリガという医薬品名で医師の処方を必要とする医療用医薬品として市場にでています。

話がそれてしまいましたが、ノコギリヤシはプロペシアと同じ働きがあるとはいえ、依然としてサプリメントのままです。

この段階で、脱毛予防効果はプロペシアのほうが高いことがわかります。

プロペシアは副作用が強いから、ノコギリヤシを選択するというAGAサイトが多くありますが、ノコギリヤシの選択は数段、効果が低くなるという覚悟が必要です。

 

男性でもプロペシアを選択したくない場合はリアップ?

女性、特に妊娠可能な年齢期間の女性はプロペシアの使用は厳禁ですが、男性でもポストフィナステリド症候群(過去記事あり)だったり、子どもが欲しいということでプロぺシアを使いたくない場合があると思います。

となると、プロペシアの代用としてノコギリヤシの使用を考えるでしょう。

しかし、前述しましたように、ノコギリヤシの脱毛予防効果はないと厚生労働省はないという結果を出しています。

そこでミノキシジルが登場します。ミノキシジルもまた、プロペシアと同じように日本初のAGA治療薬です。

ミノキシジルはまだまだ、解明されていない部分も多々、ありますが、現在のところ、血管拡張の働き、また、毛乳頭細胞に直接、働きかける作用があることがわかっています。

従って、男性ホルモンに影響を与えないので、プロペシアの使用がためらわれる人はノコギリヤシではなく、リアップの使用を考えてみましょう。

 ところで、今まで、ノコギリヤシの脱毛予防効果に対して否定的なことばかりを述べてきました。

実は、ノコギリヤシの脱毛予防効果を肯定している専門医たちも少なからずおられるんです。

ご紹介いたしましょう。

 

ノコギリヤシがAGAにも効果があるという確かな論文

ノコギリヤシは肥大化した前立腺を小さくする力はないけれど、前立腺肥大症の症状改善には役立っていると「健康食品の安全性・有効性情報」の中にも記載されていますが、AGAに対しては、肯定も否定もない、一切、AGAに関連した記載はありません。

しかし、イタリア研究機関がプロペシアの成分であるフィナステリドほどではないけれど、ノコギリヤシにもAGAを改善する効果があるという研究論文を発表しました。

 

研究論文の内容をわかりやすく解説

初期~中期までのAGA患者さん100名を二つの班に分け、2年間にわたって調査をしました。

  • A班:ノコギリヤシを一日320mg、二年間毎日服用(ノコギリヤシ320mgは厚生労働省の推奨摂取量に相当)
  • B班:フィナステリドを一日1mg、二年間毎日服用(日本でも1mgと0.2mgがある:プロペシア)

 

2年後、どんな結果になったでしょうか?

  • A(ノコギリヤシ)班:38%
  • B(フィナステリド)班:68%

 

ノコギリヤシとフィナステリドの症状改善の仕方が少し違っていました。

  • ノコギリヤシ:前頭部のみ改善
  • フィナステリド:頭頂部と前頭部が改善

 

この結果を皆さんはどのように考えますか?

フィナステリドのほうが断然、改善効果が高かったには当然だとしても、ノコギリヤシに改善率が4割近くもあったことはすごいことと思いますよね。

日本の国立研究期間、厚生労働省はノコギリヤシの薄毛改善効果などほとんど、スルーしています。

人種の違いは薬や食品に対する影響も異なってくることがあるので、海外のデータをそのまま日本人に当てはめるには、日本でも同様の研究調査を行う必要があります。

しかし、海外とはいえ、ノコギリヤシもそれなりに効果があったという報告はやはりうれしいものがあります。

参照URL:NCBI Resources「Comparitive effectiveness of finasteride vs Serenoa repens in male androgenetic alopecia: a two-year study.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23298508

 

参照URL:DHC Dr.ブログ「男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果」

http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/2432

ノコギリヤシは血液サラサラに!薄毛改善にもOK

ノコギリヤシは血行促進する働きがあります。

発毛にはたくさんの栄養を必要とするため、栄養を運ぶ器官である血管の中の血液が滞りなく流れることは非常に大切なことです。

ノコギリヤシの脱毛予防効果が日本では今一つ認められていない感じはありますが、ノコギリヤシの血液サラサラ効果も間接的であっても、毛髪に良い影響を与えていくことは確かでしょう。

ノコギリヤシを摂るときの注意点をいくつか挙げておきます。

 

重要な病気を隠してしまう恐れも!ノコギリヤシを摂ってはいけない人

病気で血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は、ノコギリヤシを併用すると、ちょっとしたことで出血する可能性があるので要注意です。

ノコギリヤシは胎児、乳児のホルモンを乱すことも考えられるため、妊娠、授乳中は控えましょう。

薄毛改善のためにノコギリヤシを摂って入る場合、頻尿などの症状も改善されることもありますが、そこに潜んでいる重要な病気(前立腺がん、膀胱炎など)を発見しにくくしてしまうことが考えられます。

そのため、定期的な泌尿器系の検査をおすすめします

このようにノコギリヤシの評価が国ごとに違います。今はネットなどを通じて全世界から色んな情報を入手することが可能になりました。

これは良いことのようで、私たちを混乱させてしまう一因でもあります。

 

まとめ

厚生労働省でさえも、医学の発達とともに言及を変えてきています。

また、国立・栄養研究所などの情報は常に最新のものを国民に提供しています。

ノコギリヤシもおそらく、変遷もありえる成分と考えられるので、常に信頼性のある出所で変遷を確認していきましょう。