平成27年9月15日の厚生労働省の発表によると、今年100歳になる32,097人を加えて100歳以上の人口数は67,824人に到達するということです。
100歳以上の人口調査を始めた1963年は153人でしたので、54年の間に約450倍に膨れ上がったというわけです。
このような現象を踏まえ、国は人生100年時代構想会議の設置をしました。

言い換えると、人生は100年を見据える必要があり、それならば、薄毛対策も50歳代までと考えずに60、70歳代になっても薄毛対策しておしゃれな人生を送れるようになりたいものです。

今は元気な80歳もかなり多く、男性も女性も更年期を終了した先にある高齢者の薄毛対策にスポットを当ててみることにしました。

参照URL

日本経済新聞「100歳以上、最多の6万7千人 最高齢は117歳」

最近の高齢者はパソコン、スマホを自由自在に扱える人も多いので、薄毛改善方法をネットで探す高齢者もおられるはずです。
このヘアケアセイジに、60歳以降の薄毛はどうしたらいいのかと訪れていらっしゃる人のために情報を提供いたします。

60歳以上の薄毛の原因

以前は60歳以上は老年期とまとめて表現することが多かったと思うのですが、今の60歳、70歳は非常に若々しく、老年期と呼ぶにはちょっと失礼な感じもしてきました。
この見た目と健康の関係については、ヘアケアセイジの下記ページも併せてお読みください。

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ヘアケアセイジ「薄毛・ハゲの人が老けて見える理由と見た目の若さと健康長寿の関係

 

AGAは加齢とともに進行

50歳代でAGAになる人は4割、60歳代では約半数、70歳代では約6割程度と、AGAになる人は加齢と共にどんどん増えていきます。
男性ホルモンのテストステロンは加齢と共に減少していく一方で、AGAは増加しています。
男性ホルモンが増えるとAGAになりやすいという話をよく聞きますが、これが真実ならば、加齢と共に髪は増えるはずです。

この矛盾は「男性ホルモンは加齢と共に減少するかわり、DHT(ジヒドロテストステロン)が増加する」ということで説明することができます。
DHTはテストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換した物質ですが、AGAの原因はテストステロンではなくDHTの存在にあります。

DHTが毛包にある男性ホルモン受容体に結合すると、毛髪のサイクルが狂いAGAが促進されることになります。

テストステロンもDHTも男性ホルモンですが、DHTの方が男性ホルモンの受容体と結合する能力が高い物質です。
つまり、加齢とともにテストステロンが減少してくると、減った男性ホルモンを補うために男性ホルモン受容体とより結合しやすいDHTに変換されるようになります。
60、70歳ともなればテストステロンは急速に減少するため、DHTも急激に増加することでAGAによる薄毛が急激に進行する人が増えてくるというわけです。

 

女性のAGAも進行

女性の体内にも男性ホルモンがありますが、男性と同じように60、70歳代になるとDHTが増加し、毛包にある男性ホルモン受容体に結合する機会も増えることでAGAが進行します。

 

運動不足

普段から体を鍛えている60、70歳代の方は運動不足とは縁遠いのかもしれませんが、普通の60歳を過ぎた人はお腹が出ている人もいますし、足の筋力も衰えてきます。
それ以上に、膝関節に水が溜まり関節痛が起こるといった症状から、自然と運動どころか歩くことすら億劫になってくるものです。
筋肉の適度の使用は筋肉の再生を促すための男性ホルモンの増加を誘導します。
ところが、若い頃の不摂生がたたって太った体が仇となり運動不足に陥ってしまうと男性ホルモンが徐々に減少することになり、それを補うためにDHTが増加しAGAが進行することになります。

関連URL

筋トレするとハゲる? 薄毛とテストステロン(男性ホルモン)の関係を薬剤師が解説

 

元気な60、70歳でもおこりやすい血行不良

発毛や育毛は毛母細胞の目まぐるしい分裂(増殖)によって行われており、大量の栄養素とエネルギ-を必要とします。
必要な栄養素は、血液を介して毛母細胞に運ばれていきます。

当然ながら、滞りなく血液が流れる、すなわち、しなやかでしっかりと拡がった血管であるほど、たくさんの栄養を毛母細胞まで運ぶことができるというわけです。
一見すると健康に見える60、70歳の方でも、20歳代や30歳代と比べると、老化の原因といわれる活性酸素は増えています。
活性酸素にさらされた血管は、しなやかさを失い血行障害を起こしやすくなっています。
血行障害がいかに発毛、育毛の邪魔をするかということは、ほとんどの育毛剤に血行改善成分が入っていることからもよくわかります。

従って、老化に加えて、若い頃の不摂生の影響でメタボになっている、すなわち、動脈硬化、脂質代謝異常など血行障害をおこす可能性の高い生活習慣病などに罹患している60、70歳代の人では、さらに、薄毛になりやすいと考えられます。

 

性ホルモンの減少

性ホルモンと言えば、男性ホルモンのテストステロンや女性ホルモンのエストロゲンが代表的ですが、どちらも加齢と共に減少していきます。
女性はエストロゲンの減少で更年期を迎える頃から、薄毛に悩まされる人が急増します。
増毛作用のあるエストロゲンが減少するため、頭頂部を中心に髪全体に薄毛が進行していきます(瀰漫性脱毛症)。
更年期終了後の女性ホルモンが減少した体に慣れた60歳を過ぎる頃になると、地肌は透けて見えるぐらいにまで髪の量が減ることも少なくありません。
それだけでなく、テストステロンの量も減り、逆に、DHTが増えるため、AGAも進行しています。

男性はAGAの項目で述べたように、テストステロンの減少とDHTの増加により薄毛がさらに進行し、場合によっては、ハゲへと突入していきます。

 

色々な薬剤を使用している

薬剤で毛が抜けるという現象で、最初に頭に浮かぶのが抗がん剤です。
ガンに罹患している、あるいは、がんを発症する可能性の高い人は2人に1人と言われる現代では、夫婦そろってガンになってしまうことも珍しくなくなりました。
抗ガン剤治療では、治療で脱毛が起こったとしても、大体の人が治療終了後に元の髪状態に戻ると言われています。
しかし、一部の人は、数年たっても薄毛のままということもあるようです。
60、70歳代にもなると、ガンに罹患して抗がん剤治療を受けた経験がある人も多いでしょうし、治療後、充分に髪が元の状態に戻ってていない人も少なくありません。

抗ガン剤以外にも、脂質異常改善薬、糖尿病治療薬、甲状腺機能改善薬、抗うつ薬など、薄毛起こさせる薬剤はたくさんあります。

 

60歳以降の薄毛改善対策

これまでのお話からも分かるように、まずは、極力、病気にならないようにすることが最大の薄毛予防対策ということができます。

 

生活習慣病を予防

生活習慣病は血行障害を起こす病気がほとんどです。また、それらの病気を改善する治療薬も薄毛を起こす薬が非常に多くあります。
糖尿病や高血圧、ガンが遺伝的なものであっても、健康に留意した生活習慣を身に着けることで、回避できる可能性もありますし、たとえ罹患したとしても改善することができるかもしれません。

身体の状態は髪でもわかります。
毎日、自分の顔を鏡で見ましょう。実年齢よりも若く見える人は内臓も若いというデータがあります。
AGAが遺伝的なものであっても、血液の流れを良くすることでAGAの進行を遅らせることができますので、 良質な髪にするためにも身体全体の健康を見直すことが大切です。

可能な範囲で運動をする

60歳を過ぎると心肺機能に不安を抱える人もおられますので、かかりつけの医師の指示に従って、体調を崩すことが無い程度に運動されることをお勧めします。
心臓病を患っていても医師の監督下でできる運動もありますし、健康な60歳代、いや、70歳であれば医師の監督下で筋トレのような激しい無酸素運動をすることもできます。
テレビでも、大会で優勝するパワフルな80歳を見かけることがあります。

60歳以上の高齢者は非常に個人差があり、自分が思っているより体力があったりなかったりするので、まずは病院を受診して医師に自分の体力を見極めてもらいましょう。
実際にはもっと動けるにもかかわらず、70歳だからと運動量を減らすのも勿体ないことです。

また、男性ホルモンを増やすほどの筋トレはできないにしても、軽い散歩程度のできる範囲内の運動でも血行は良くなりますので、地道な活動であるとはいえ、何にもしない人との髪の質の差は歴然と出るはずです。

 

たん白質の多い食事を!

60、70歳を超えると、食が細くなるのは仕方がないことです。
いつまでも20、30歳代のように食べるのも生活習慣病になりやすくはなるのですが、高齢者特有の偏った栄養の摂り方は考え直す必要があると言われています。

特に、面倒だし満腹感が得られるごはんを食べればいいや」というように、炭水化物が中心となりたん白質摂取量が減少することが大きな問題のようです。

高齢者の場合、おかずに食べるものと言えばあっさりした魚が多く、牛、豚、鶏などの脂肪分の多い肉類の摂取量が減少しています。
しかしながら、魚類ばかりりでは必要なたん白質としてはまだまだ不足気味ですし、 また、肉類でしか摂れない栄養成分もあります。
髪の毛やも頭皮だけでなく、髪の毛を元気にしてくれる内臓も血管もたん白質でできていることを考えれば、食事でもたん白質の摂取がいかに重要かわかります。

厚生労働省も健康寿命を延ばすのに肉類の摂取が重要であると発表していますし、健康寿命を延ばそうとする行動そのものが薄毛改善対策となるのです。

 

ミノキシジル配合以外の育毛剤の使用

ミノキシジルは心血管系に影響を与える薬剤なので、血管年齢の高い高齢者はミノキシジルが配合されていない育毛剤を試みるのもいいでしょう。
そのような育毛剤でも、血行促進剤や育毛効果に必要なビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

以下のページでも紹介していますが、チャップアップなどがおすすめです。

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まとめ

① 60歳以上の薄毛の原因(AGA・運動不足・血行不良・性ホルモンの減少・薬剤の使用
など)
② 60歳以上の薄毛改善対策(生活習慣病予防・適度な運動:たん白質中心の食事・ミノキシジル含有以外の育毛剤)

人生100年の時代に入ろうとしています。
そうなれば、60、70歳代の先はまだ30年も40年もあるため、60、70歳代をどう生きるかをしっかり考えなくてはいけません。

昔の人よりも延びたせっかくの人生を元気で楽しく過ごそうと思う気持ちが、髪の毛もイキイキさせることにつながるということを忘れないでいたいものですね。