湯シャン。あの超人気俳優の福山雅治さんが実行しているということで、福山雅治さんもどきの男性たちの間で湯シャンが大流行していると巷で耳にします。

結構、有名になりましたが、中にはご存じない方もおられると思います。

湯シャンとは

字の如く、湯で洗髪することです。

シャンプー剤や石けんなどは一切、使用しません。

普通は、30~40℃のお湯で洗いますが、汚れがひどい時はもう少し、湯の温度を上げると、洗浄力が増すとのこと。

シャンプー剤は使用している界面活性剤などの影響で脱脂力が強すぎて、頭皮を乾燥させ、抜け毛、薄毛の原因になりということのようです。この湯シャンが医学的に考えるとどうなるのかは、後述します。

湯シャンについてのサイトをあちこち調べてみると、色んな洗い方があるようです。湯シャンする前にブラッシングして髪の中のごみやホコリを浮かせて湯シャンを行う

と紹介してあるのもあれば、湯シャンの前にバスタブに十分に浸かり、頭皮の毛穴をしっかり開かせた後、湯シャンをするというのもあり、方法も色々でした。

 

湯シャンの効果は?

あちこちのサイトを見て回りましたが、「効果あり」ばかりではなく「効果なし」というサイトも予想以上にありました。

全てが福山雅治さんのようにはいかないみたいです。

また、湯シャンはあのタモリさんも行っておられるようです。タモリさんは通常はバスタブに10分程度、浸かっているだけで体は洗わないという入浴方法を実行されていることで有名です。お肌の調子はとてもいいと言っておられます。確かに、テレビ画面を通してではありますが、きれいな肌をしていらっしゃると思います。

タモリさんが実行しておられる入浴法は、皮膚科専門医の間でも広まっています。

では、どういうところが受け入れられているのか、「頭髪」の話から、少し離れますが、頭皮も皮膚の一部ということでお話してみたいと思います。

 

体の洗浄に洗剤はいらない

ひどい汚れでなければ、お湯だけで落ちるとこの頃、医師たちは話しています。タモリさんも今、実行している入浴法は医師から教わったと話しておられます。

人間の皮膚にある皮脂は皮膚常在菌に分解されますが、その時に発生する酸の影響で常に酸性状態を保っています。

実は常に酸性状態を守っていることが、皮膚を良好な状態にしているのです。食中毒や感染性の皮膚病の原因になる黄色ブドウ球菌などは、酸性域での増殖は困難です。

正常な皮膚は、アレルギーの原因となる分子量の大きい物質を浸透させないシステムになっています。

しかし、脱脂力の強い界面活性剤が添加された洗浄剤で体を洗うと、皮膚の保湿に必要な皮脂や病原菌がつかないようにする皮膚常在菌が皮膚から脱落してしまいます。

 

お湯で十分、汚れが落ちるので洗浄剤はいらない

下着で覆われている部分の皮膚の汚れは、汗、皮脂、角質などです。これらの成分のほとんどは水溶性。つまり、水に溶ける汚れです。

また、皮膚、特に表皮は新陳代謝が活発であるために、例え、水溶性ではない汚れが付着しても、3~4日もすれば、垢となって落ちるし、お湯で洗い流せば十分ということです。

界面活性剤入りの洗浄剤を皮膚に強い油汚れがついたり、体臭が強い時に使って、軽く洗う程度いいと医師たちは言います。

頭皮も皮膚の一部なので、通常はこの洗浄方法でいいという理屈になります。

 

AGAにとって皮脂は大敵というのが通説ですが……

お湯だけの洗髪のみでいいといわれても……と、反論したくなる人も少なくありません。

AGAになる原因は色々、挙げられています。遺伝、DHT(ジヒドロテストステロン)、ストレス……。そして、頭皮の皮脂が多いことも原因の一つであるとよく言われています。

AGAを少しでも改善しようと、評判のいい高価な育毛シャンプーを購入して、毎日、せっせと洗髪している人達からみて湯シャンの流行について

どのような感じで見ているのか気になります。

今、ネット上では、AGAや薄毛のサイトが沢山、あります。これらのサイトをずっと見ていくと、皮脂量の多さがAGAや抜け毛の原因とするサイトとAGAと皮脂量は無関係とするサイトに大きく分けられます。

前者の多くが体験者や育毛剤の関係企業から発信され、後者は専門医関係から発信されているように思います。

筆者の手元にある「専門医が語る毛髪科学最前線」にこれについて言及してあるので、まとめてみました。

「男性ホルモンの増加はAGA発生だけでなく、頭皮の皮脂量を増加させる原因になります。だからと言って、頭皮の皮脂量の増加がAGAや抜け毛の原因になるわけではありません。

この間違った説は19世紀にたてられたようですが、誰が言い出したのかはわかっていません。20世紀中頃に収集されたデータの解析でこの説は完全否定されています。

現在でも脱毛剤の宣伝で抜け毛と皮脂は関係があるようなキャッチコピーをよく見かけるので注意を。皮脂が多くてもAGAにならない人もいます。ただし、皮脂が多いと、頭部に湿疹ができる脂漏性湿疹になりやすくなります。これはAGAとは違い、抜け毛が始まっても炎症が治まれば、改善されます」

参考文献 「専門医が語る毛髪科学最前線」 板見 智著

 

人それぞれではだめですか?

湯シャンの効果がなかったからと、湯シャンが全ての人に対して効果がないようなサイトに出くわすことがありますが、試すぐらいはやってみる価値はあります。

何故なら、「お湯」なので効果が無かったとしても副作用というものがないので、試してみたことがない人は一度でも試されて見られたらいいと思います。

皮脂量は人それぞれです。

乾燥肌・脂性肌、ニキビができやすい人・できにくい人、フケの多い人、少ない人など、みたいな違いのようなものです。

湯シャンが合っている人、合わない人、両方あって自然です。どちらか一方に偏っていることの方が変ではないでしょうか?

皮脂量が多い人がずっと湯シャンを続けて、髪には良くても、臭いの点で、汚れが落ちにくい点はデメリットの場合もあるようです。

要するに皮脂量によっては湯シャン時々、シャンプー時々ぐらいがいいかもしれませんね。

 

湯シャンは医学的にはOK

前述したように皮脂の落とし過ぎは皮膚のバリアを失い、逆に細菌に感染しやすくなります。

前出の参考文献に下記の様に書いてありました。

「人間の皮膚が新たに入れ替わるのに約28日かかります。この期間に色んなことをすることの方が、髪に対して逆にダメージを与えます。従って、洗髪は一ヵ月に一回でいいのです」

一ヵ月も洗わなければ、皮脂量の少ない人でも汚れや不快な臭いが発生してくるでしょう。しかし、上記の節は理屈としては間違っていないようです。

髪を毎日洗うようになったのはいつの頃からでしょうか。そんなに昔ではありません。

 

現在は昔に比べて汚れものが多い

よく考えてみると、昔は今の様に産業が発達していなくて、汚染物質も無くて、空気も汚れていませんでした。汚れと言えば、自分から発生する汗、垢などが主でした。確かにお湯で十分、落ちる汚れです。

しかし、今は人間が作り出した有害なガスをはじめとする汚染物質が空気に蔓延している中で生活しています。また、油まみれになって働かなくてはいけない仕事だってあります。

昔はシャンプーなどなかったといったところで、現代では湯だけでは落ちない汚れも増えています。

洗いすぎは医学的にはNG。でも、現代では、ずっと湯シャンを続けることは場合によっては困難ということもあります。

従って、両方のイイトコどりをして「湯シャン時々、シャンプー時々」で落ち着くのが一番無難なように思います。