ヘアケア、スカルプケアでは、毛髪や頭皮の水分を適度に保つことが大切であるということがよく言われます。お肌と同じ皮膚である頭皮に潤いがあった方が良いというのは分かりますし、髪の毛だって痩せ細った髪の毛よりも水分をしっかり含んだ若々しい髪の毛の方が良いというのは誰もが納得できると思います。ところが、髪の毛や頭皮にはどれくらいの水分があって、どうなると水分が減るのかというのは知らないという人が多いみたいです

スカルプケアやヘアケアと言えば保湿という言葉がよく出てきます。

育毛シャンプーでは、皮脂に付着した汚れを取ることを目的とするにもかかわらず、皮脂膜をはがしすぎると髪の毛や頭皮の乾燥が問題視されます。他方、頭皮と毛髪の保湿を優先すると汚れが落ちず、髪の毛はベタベタで、頭皮のフケ・かゆみがいつまでたっても治まりません。
というわけで、シャンプーで汚れが付着した皮脂をしっかり落とした後は、保湿成分を含んだトリートメントやスカルプローションで毛髪や頭皮をコーティングするというのが一般的です。

昔は、皮脂の落ちた髪の毛の保湿性を保つためにシリコン系のコーティング剤が使用されていたこともありますが、シリコン系の素材が頭皮環境を悪化させるということもあり、今ではすっかり下火になっています。
実際、育毛シャンプーでは、頭皮に刺激を与える合成化合物やノンシリコンはNGというのが、常識のようになっています。

実際のところ、頭皮や髪の毛を見る限りそんなに水分が多いようには見えないですし、わざわざ、水分を測るという人もおられないとは思いますが、髪の毛や頭皮を健康に保つために水分が大切であるということは何となくでも理解できると思います。

今回は、皮膚の一つである頭皮や細胞としての活動をしていない角化した細胞である髪の毛にどの程度の水分が含まれているのが普通で、髪の毛や頭皮がどうやって水分を保持しているのか、さらには、どんなことが原因で乾燥してくるのかということを検証してみたいと思います
頭皮や髪の毛の水分含有量ということは、これくらいの水分があれば健康的な頭皮や髪の毛ということになるんですよね。水分が足りなければ水を飲めばよいなんてことはないのでしょうか?
身体への水分補給は大切ですが、水を飲むだけで良いというようなシンプルなものではありません
だから、髪の毛ならばシャンプーやトリートメント、頭皮ならばローションに配合されている保湿成分が大切になってくるのですか?
乾燥が進んでいる髪の毛や頭皮に対してはそういうことになりますが、体の中からも髪の毛や頭皮がもっている水分を維持する能力を呼び覚ますようなことが必要で、育毛シャンプー育毛剤を考えるときのキーポイントでもあります
なるほど。髪の毛や頭皮の悪化した環境を健康な状態に戻すことが、育毛剤や育毛シャンプーに与えられる使命ということですね
髪の毛と頭皮では大夫状況が違っていますので、先ずは、髪の毛から検証していきましょう

 

髪の毛の水分は?髪の毛の保水力のキーはキューティクル!

あまり知られていない髪の毛の水分量ですが、髪の毛の水分量というのは季節によって変動し、雨季では15%、乾季では10%、冬の乾燥が進む時期になると10%を切るということもあるそうです。
髪の毛の水分が季節変動、すなわち、湿度の影響を受けることからも分かるように、髪の毛には吸水する能力があります。
そして、水分が増えるということは体積が増加するということを意味しており、水分が10%から15%に増えることによって髪の毛は太く膨れ上がることになります。

さて、薄毛に悩む人は髪の毛の乾燥が気になるという人が多いとは思いますが、水分が過多になると、それはそれで問題となります。

  • 乾燥した髪の毛:細くなっている上にパサパサで静電気が発生しやすいため、まとまりが無くなる。枝毛などの損傷も多く、櫛どおりも悪く、引っかかりが感じられる。
  • 水分過多の髪の毛:膨らんだ状態でセットした髪の毛が乾燥や熱によって徐々に細くなり、せっかくセットしたヘアスタイルが崩れてしまったり、逆に水分を吸って膨らんでまとまりが無くなってしまうこともあります。
髪の毛は水分が多くても少なくても、まとまりにくい、セットしにくい髪の毛になるということですね。となると、髪の毛の水分量は10%から15%が良いということでしょうか?
エアコンの無いところで暮らすならそういうことかと思いますが、今は居住環境が整っていますので、10%あるいはそれを少し超えるくらいが理想的ではないでしょうか。
ところで、髪の毛に吸水能力があるということですが、吸水できるということは水分を出すということもあるということですよね
吸水する状態にある髪の毛がそのままの状態で乾燥したところに行くと、水分が入ってきた経路を逆に出ていくことになります

 

髪の毛のキューティクルが水分の蒸発をコントロール!?

毛髪を輪切りにすると、メデュラ、コルテックス、キューティクルの三つの領域で構成されるお寿司のかんぴょう巻きのような形状になっており、もっとも外側にある「海苔」に相当するキューティクルが水分の出し入れをコントロールしています。

キューティクルというのは薄くて硬いケラチンというたんぱく質でできている毛小皮とも呼ばれる領域で、髪の毛の表面に6層から8層の層構造を形成し、健康な状態の髪の毛ではキューティクルが隙間なくぎっしり魚の鱗のように並んでいます。
キューティクルを構成する一枚一枚の鱗のような構造物をくっつけているのがコレステロールやセラミドを主成分とする細胞間複合体や細胞間脂質と呼ばれる物質で、キューティクル同士をくっつける糊のような役割があります。
髪の毛の水分は細胞間複合体を経由して出し入れされるわけですが、細胞間複合体は中心成分が脂質ですので、細胞間複合体を経由して起こる水分の出し入れはほんのわずかに抑えることができます。

言い換えるならば、細胞間複合体の存在が髪の毛からの水分蒸発や過剰な取り込みを抑え、キューティクル同士を接着することで髪の毛を外部刺激から守る働きをしているというわけです。
余談になりますが、細胞間複合体は水だけでなく大抵の物質が侵入してくれるのを防いでくれますが、ヘアアイロンやドライヤーの熱風などで溶けてしまうこともありますし、カラーリングなどで薬剤によって強制的に変性させてしまうとキューティクルが開いた状態になり、メラニン色素が流出する脱色が容易になり染料の浸透も促進することができます。
ただし、そのまま放置すると魚の鱗がそっくり返ったような状態、いわゆる、髪の毛が傷むと呼ばれる状態になりますし、キューティクルが剥がれ落ちてしまうことにもつながりますので、髪の毛がパサパサに乾燥してしまうことになります。

ネットで調べると、65℃で40分間放置したときに、キューティクルが剥がれたダメージヘアの水分蒸発量は健康な髪の毛の2倍近く蒸発するというデータがありました。

参照元:DEMI Hair Science 毛髪研究の最前線 毛髪と脂肪酸の関係
https://www.demi.nicca.co.jp/hair_labo/forefront/mouhatu_03.html

一方、キューティクルには髪の毛の水分のコントロールだけでなく、外部から加えられる力や紫外線などの刺激によって髪の毛が傷むのを抑える働きもあります。また、ケラチンというたんぱく質は爪のように光沢のある構造物にもなるたんぱく質で、キューティクルが整然と並んだ髪の毛はツヤがあるということになります。

参照元:シセイドウ ビノラボ キューティクルってどこ?毛髪の基礎知識
https://www.shiseidogroup.jp/binolab/h_0001/
参照元:Beauty Space EQUIP【エクイップ】 CMC 細胞膜複合体
https://www.equip-drycut.com/blog/entry9545.html

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キューティクルが剥がれると髪の毛が傷みやすくなりツヤが無くなるために大切ですが、乾燥を防ぐにはキューティクルが剥がれないようにするための細胞間複合体をケアすることがポイントですね。
髪の毛の保水力のメカニズムを考えると、お洒落のつもりでしている巻き髪やカラーリングが細胞間複合体を破壊しているのですから、そういうことになります。細胞間複合体を維持することが結果的にはキューティクルを維持することにつながります
ところで、頭皮と髪の毛は状況が違うと言われてましたが、頭皮の適正水分量や保水力はどうなっているのですか?

 

頭皮の水分は?頭皮の保水力のキーは角質層!

頭皮は頭にある皮膚ということですので、体全体にある皮膚と同じような構造をしており、健康な皮膚の水分は57.7%で、残りはタンパク質や脂質などで形成されており、頭皮も水分量は同じ程度と考えられます。

頭皮は表皮、真皮、皮下組織の3層によって構成されており、最も上側にある表皮には、表皮の底にある基底層と呼ばれる活発に分裂する基底細胞が一層で並ぶ領域があります。
基底細胞が分裂して皮膚表面に押し上げられることで角質細胞へと変化していきますが、新しい角質細胞が押し上げられてくることによって古くなった角質細胞は順次剥がれ落ちていきます。
これが皮膚のターンオーバーと呼ばれる現象ですが、剥がれ落ちる古い角質細胞がある程度固まったものがフケと呼ばれるものです。
ちなみに、角質細胞は細胞という名称がついていますが、細胞としての代謝や分裂を行うことがなく、毛母細胞が分裂して毛髪へと変化する過程とよく似ています。

角質細胞がブロック塀のように整然と並ぶ部分は角質層と呼ばれますが、隣り合う角質細胞同士はコレステロールやセラミドなどの脂質で構成される細胞間脂質によって接着されています。

ここまでの説明で分かるように、髪の毛のキューティクルと皮膚の角質層は形状こそ異なりますが、非常に似たような構造をしており、頭皮の角質細胞をつなぐ細胞間脂質が水分の過剰な蒸発を防いでいます。

参照元:ウィッキペディア 皮膚
https://ja.wikipedia.org/wiki/皮膚

 

角質層は加齢と紫外線の影響でダメージを受ける?!

角質細胞を接着させる細胞間脂質を構成するコレステロールというのはほとんどの人が不足するということは無さそうですが、加齢によって代謝能力が低下するとセラミドの合成能力は低下してきますので、角質層の維持が難しくなってきます。
加えて、最も外側にある角質層は紫外線の影響を受けやすく、紫外線によって分解されたり体内に存在する活性酸素によって細胞間脂質やたんぱく質が変性・分解されて、角質層が傷んだ状態になることもあります。

細胞間脂質が減少した状態では角質層のバリア機能が低下し皮膚が乾燥する、すなわち、乾燥肌と言われる状態になってしまうというわけです。

キューティクルと角質層の差はありますが、どちらも細胞間脂質が水分維持に大切で、特に、セラミドがが大切なようです
頭皮と髪の毛では必要なセラミドの量は異なっていますので、セラミドの合成能力の低下というのは頭皮の方が強く影響を受けそうですが、髪の毛の方は外部からの刺激によるキューティクルの損傷や紫外線の影響を受けやすいので細胞間複合体が流出してしまうケースが多くなると思われます
どちらにしても、セラミドを中心とした保湿ケアができれば、髪の毛も頭皮も保水力がアップしそうです

最近では、キューティクルをもとの状態に戻すようなケアを目指したセラミド配合の育毛剤や育毛シャンプーも市販されているようです。当サイトでも以下の記事で紹介させていただいていますので、興味のある方は参考にしてはいかがでしょうか?

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やはり、髪の毛や頭皮の保水力を維持するためには細胞間脂質の補強が最も良いのでしょうか?何か日常的に気を付けることはありませんでしょうか?
天然の保水成分を配合した育毛シャンプー育毛剤で保水力をアップさせる方法もありますが、正しいヘアケアや生活習慣によっても改善できるかもしれません

 

髪の毛と頭皮の保水力をアップさせるために注意すべきポイント!

髪の毛は活動を停止した角化細胞で構成されていますので、分解されたり流出した細胞間複合体や剥がれたキューティクルを体内から補てんすることができませんので、そのような事態になった時には、育毛剤や育毛シャンプーを用いて、セラミドを中心とした脂質を補填するか保水成分でコーティングするしかありません。


そうなる前に、髪の毛がダメージを受けない、すなわち、キューティクルを維持するようなヘアケアによって保水力をキープすることが大切です。

髪の毛の水分を適量に保つヘアケア

  • 強いブラッシングを避ける:乾燥気味の髪の毛は櫛どおりが悪く、無理やりブラッシングするとキューティクルが剥がれてしまいます
  • シャンプーの温度はぬるいくらいがちょうど良い:細胞間脂質は熱で溶けるのであまりに熱いお湯で流すと溶け出してしまうこともあります。かといって、低温では汚れも落ちませんので、シャワーの温度は体温よりも少し高めのぬるいお湯くらいが理想的です
  • 洗浄力が弱めのシャンプーを使用する:洗浄成分である界面活性剤は細胞間複合体の脂質を水に馴染みやすくする物質ですので、水分を含んでキューティクルが開いた状態の髪の毛に強い洗浄力のシャンプーはNGです。
  • シャンプー後は素早く乾かす:洗髪で水を含んだ髪の毛のキューティクルは細胞間脂質が膨潤して開き気味ですので、タオルで余分な水分を除いてドライヤーで素早く乾かすことで開いたキューティクルを早めに閉じる

参照元:ヘッドスパ頭美人 髪の水分量を整えるための簡単に出来る4つのヘアケアアドバイス
https://www.atama-bijin.jp/hair_care/basis/structure/moisture_content/

一方、頭皮の乾燥は加齢に伴う代謝能力の低下が大きく影響しますので、育毛剤によるスカルプケアだけでなく、低下した代謝能力をカバーするための食生活や血流をアップさせるといったアンチエイジングを意識した生活習慣の改善も大切です。
また、活性酸素の取り込みを避けたり、抗酸化活性のある成分で活性酸素の影響を打ち消すことも、アンチエイジングでは重要になってきます。

結局は、育毛剤や育毛シャンプーを使用するのが手っ取り早いのでしょうけど、日常的にできることをしていれば、育毛剤や育毛シャンプーの効果もアップしそうです
髪の毛や頭皮の乾燥のメカニズムから思いつくままに取り敢えずピックアップしただけですので、他にもできることはいろいろあるとは思います。どこにでも紹介されている「シャンプーするときの頭皮マッサージ」も、頭皮の血行を良くするので効果アップには持ってこいです
今回のお話で紫外線という言葉が何回か出てきましたが、頭は人間の体の中で最も太陽に近いところにあるわけですから、紫外線がお肌に悪影響を与えるように、紫外線は髪の毛や頭皮にも良くないのでしょうか?

紫外線はタンパク質や脂質などの変性や分解を促進しますし、髪の毛がたくさんあれば紫外線の頭皮への影響は多少防ぐことができますが、薄毛が進行して地肌が見える状態では紫外線が直撃してしまいます。紫外線が髪の毛や頭皮に与える影響については以下のサイトで別途解説させていただいております

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